佳景探訪
柏の葉公園
千葉県柏市に「柏の葉公園」という県立公園がある。広大な敷地に芝生広場や樹林地、日本庭園などを整備し、野球場や競技場も併設している。風薫る五月の半ば、柏の葉公園を訪ねた。



柏の葉公園

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柏の葉公園
千葉県柏市の北西部、流山市との市境に近い辺りに、「柏の葉公園」という規模の大きな県立公園がある。面積は45ha、「地域の「緑・スポーツ・文化」の拠点として整備」されている公園という。広大な敷地の中には芝生広場や樹林地、池などが設けられ、日本庭園、バラ園、ドッグランなども整備されている。さらには野球場や総合競技場、テニスコートなども併設した総合公園だ。

柏の葉公園のある場所は、かつては日本陸軍の軍用地で柏飛行場のあったところだという。江戸時代には小金牧と呼ばれる幕府の御用牧があったそうで、自然豊かな土地柄だったようだ。1937年(昭和12年)、畑地が広がるばかりだったこの土地に、飛行場の建設が決定される。当時、「首都防空」のための飛行場建設が急務で、翌年に完成した飛行場がその任を担ったのだ。終戦後、旧柏飛行場跡地は開拓地となって入植者が農地を開いていったが、1950年(昭和25年)の朝鮮戦争勃発を機に米軍の通信施設用地として使用されることになり、1955年(昭和30年)に施設が完成した後は米軍の柏通信所として使用されてきた。

米軍柏通信所の敷地が全面返還を迎えたのは1979年(昭和54年)のことだったという。返還された跡地は188ha、その後の整備事業によって国立がんセンター東病院や財務省税関研修所、科学警察研究所、千葉大学環境健康フィールド科学センター、東京大学柏キャンパスといった国の施設の他、千葉県立柏の葉高等学校、さわやかちば県民プラザ、柏市立十余二小学校などが設けられ、一部地域は住宅地に充てられた。その中の45haを使用して整備されたのが柏の葉公園である。跡地は公募によって「柏の葉」と命名され、柏の葉一丁目から六丁目の町名が設けられた。柏の葉公園は柏の葉四丁目に位置している。

公園は南北に長く、東が長く西の短い台形の輪郭をしている。南側には樹林地と、樹林地に囲まれた芝生広場を置き、その北側には池が横たわる。池の東側には「四季の広場」や「バラ園」、「日本庭園」など、工夫を凝らしたエリアが設けられている。公園の北側部分には野球場と総合競技場、テニスコートなどが並ぶ。樹林地と広場から成る南側、テーマを設けたエリアや池を設けた中央部、スポーツ施設を設けた北側と、三つのエリアから構成された公園だと考えることができるだろう。野球場や総合競技場がかなりの面積を占めているが、45haという面積が奏功して体感的にも広い公園だと言っていい。

公園東側、やや南寄りに設けられた「中央エントランス」から園内に入ると、美しく整備された広いプロムナードが西へ延びる。「公園センター」横で少し北向きに方向を変えたプロムナードはそのまま延びて、野球場と総合競技場との間に設けられた「北エントランス」から延びるプロムナードと「中央広場」で繋がる形だ。両プロムナードの繋がる「中央広場」は公園中央部の池の中に突き出る形で設けられており、周囲には池が広がって開放感に溢れたエリアだ。「中央広場」にはレストハウスやバーベキュー場などが設けられており、水辺の風景を見ながらくつろいだひとときを過ごすことができる。この「中央エントランス」から「中央広場」、「北エントランス」へと続くプロムナードが公園の、いわばメインストリートだと言っていい。

「中央エントランス」と「中央広場」を繋ぐプロムナードから南へ入り込むと、子どもたちのための遊具類を設置した「冒険のトリデ」、さらにその南に樹林地に囲まれて芝生の広場が広がっている。樹林に包まれたような落ち着いた佇まいと、頭上に広がる空の開放感とがほどよく同居したエリアだ。家族連れでお弁当を持ってピクニック感覚で楽しむのに好適なところだろう。広場を取り囲む樹木にはソメイヨシノやオオシマザクラなど、500本ほどの桜もあり、春には美しい景観を見せてくれるようだ。

「中央エントランス」から入って北へ進めば「緑の相談所」を兼ねた「公園センター」が設けられ、その前から「ロックガーデン」や「四季の広場」、「バラ園」、「日本庭園」、「野外ステージ」、「郷土の森」と、それぞれにテーマを設けたエリアが配されている。これらの連なる一角はたいへんに景観が美しく、散策の楽しいところだ。五月の半ば、木々は新緑に輝き、池を渡る薫風も爽やかだ。園路や植栽などを巧みに配して設計された公園の美しさというものを存分に堪能できる一角だと言えるだろう。

公園の北側部分は、野球場や総合競技場、テニスコート、多目的広場などが設けられたスポーツ施設のエリアだ。散策目的で来園したなら魅力的なエリアとは言い難いが、「北エントランス」から中央部を貫いてのびるプロムナードが美しい。特に「郷土の森」と「多目的広場」に挟まれた区間は桜の並木で、春の景観が素晴らしいという。

公園中央部に設けられた池の岸辺を辿ってみるのも楽しい。池と周囲の景観はさまざまな表情を見せてくれる。初夏から夏にかけては水辺の風情が涼やかだ。池の北西側にはボートハウスが設けられており、手漕ぎのボートや足漕ぎ式のスワンボートなどが用意されている。カップルや子ども連れで訪れたなら、ボート遊びも楽しいだろう。

今回、五月半ばの平日に時間を設けて訪れたので、公園内に来園者は少なく、ひっそりと静かだった。行楽シーズンの休日には大勢の来園者で賑わうのだろう。子どもたちの歓声が響く公園も素敵なものだが、人の少ない公園をのんびりと散策するのもよいものだ。日常の喧噪から離れて、開放的な気分で時を過ごすことができる。
西洋庭園バラ園
柏の葉公園のバラ園には80種類、約1700株のバラが植えられている(2015年現在)という。庭園はやや丸みを帯びた四角い敷地を十字に園路で区切り、さらに二重円の園路で区切って、中央部にはドームが設けられ、その外側に扇形の花壇を配した構成になっている。整然とした幾何学デザインの美しい庭園だ。バラ園内は周囲に比べてわずかに低床になっており、外側からバラ園内を眺めるとほんの少し見下ろす感じになって、庭園デザインの美しさを楽しむことができる。周囲からバラの花を楽しむための工夫として、敢えてそのように造られているものという。

バラは品種毎に区画を設けて植えられており、それぞれの品種名を記したネームプレートが設置されている。花壇の区画のそれぞれにどの品種が植えられているのかを詳しく示したリーフレットも用意されているから、それを貰っておくとさらに楽しめるだろう。

バラ園内の園路を辿りながらさまざまな品種のバラの花を観賞するのは素敵なひとときだ。五月の陽光を浴びて咲き誇るバラの数々はたいへんに美しく、それぞれのバラを間近に観賞したり、周囲の高みに立ってバラ園全体の眺めを楽しんでみたり、なかなか飽きることがない。

柏の葉公園のバラ園は特筆するほど規模の大きなものとは言えないと思うが、巧みに設計された庭園の美しさもあって、バラの咲く西洋庭園の味わいを存分に楽しめるバラ園だと言っていい。バラは年に二回、5月中旬から6月初旬、10月中旬から下旬に見頃を迎える(品種によっては初夏のみ開花するものもある)。バラ園は開花期のみの開園だそうだ。
柏の葉公園

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日本庭園
柏の葉公園に設けられた日本庭園はそれほど規模の大きなものではないが、なかなか本格的なものだ。公園内に“日本庭園風の一角を設けた”というものではなく、周囲から区切られたエリアの中にしっかりと日本庭園として造られている。

庭園は中央部に池を置き、その周囲を園路が巡る。散策しながら庭園のさまざまな風景を楽しむ、いわゆる「池泉回遊式庭園」として造園されている。園路は池の岸辺を辿ったり、樹林地の中を抜けたり、小さな庭園ながらも工夫が凝らされている。奥まったところには小さな滝があり、せせらぎも造られている。池に張り出すように四阿も設けられ、庭園の風景を眺めながらのんびりとくつろいだひとときを過ごすこともできる。池には鯉が泳ぎ、その姿を眺めて過ごすのも楽しい。庭園内には「松柏亭」という茶室があり、抹茶や和菓子を楽しむことができるようだ。また「松柏亭」は有料でお茶会や句会、歌会などの会場として貸し出しも行われているそうだ。

細かな部分では現代的な要素が感じられて少しばかり風情に欠けるところもあるが、全体的な印象はしっとりと落ち着いた佇まいで、日本庭園というものの興趣を充分に堪能できる。園路の大部分はある程度の幅があり、舗装されているから、車椅子やベビーカーでの利用も可能だろう。五月半ば、園内ではサツキが咲き始めていた。
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柏の葉公園はその広い敷地を活かしてさまざまな楽しみ方に応えてくれる公園として造られている印象だ。家族連れや友人同士でピクニック感覚で訪れるのもよく、のんびりと散策を楽しむにもいい。池や樹林地などもあって表情に富み、中央部を貫くプロムナードとその周辺は丁寧に造られた公園の美しさというものを堪能することができる。さまざまな樹木を植栽した園内は新緑が美しいが、四季折々に表情を変えてそれぞれに美しい風景を見せてくれるだろう。季節毎に訪ねてみたい公園だ。
参考情報
交通

柏の葉公園は千葉大学柏の葉キャンパスの西側に位置しており、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅が最寄りだ。駅を西へ出て、ららぽーと柏の葉と千葉大学柏の葉キャンパスの南側を回り込んで西へ進めばいい。駅から1kmと少し、徒歩で20分ほどだ。

公園には広い駐車場が用意されており、車での来園も便利だ。公園北東側の隅に第一駐車場、公園南東側の隅に第二駐車場があり、それぞれ500台超、300台超の駐車スペースがある。駐車場の利用時間や駐車料金などは公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

柏の葉公園は常磐自動車道柏ICの南側に位置している。遠方から訪れる人は常磐自動車道を利用し、柏ICを国道16号線外回りへ降り、「十余二工業団地入口」交差点を右折、1kmほどで左手(南)に公園が見えてくる。駐車場は第一、第二とも公園東側の道路に出入口が設けられている。

飲食

公園内のレストハウスで軽食が可能だが、本格的な食事のできるレストランなどはない。公園周辺には飲食店はないが、柏の葉キャンパス駅前のららぽーと柏の葉内に飲食店がある。

レストハウス前にはバーベキュー場があり、バーベキューも可能だ。利用方法など、詳細は公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

緑濃い公園だから、お弁当を持ってピクニック感覚で訪れるのもお勧めだ。

周辺

柏の葉公園の西側には「柏の葉第二水辺公園」という公園が隣接している。散策の足を延ばしているのも悪くない。

柏の葉公園から東へ10km足らずであけぼの山農業公園がある。花々を楽しめる公園だ。
柏の葉公園

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