ラムサール条約は正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(Convention on Wetlands of International Importance especially as Waterfowl Habitat)」といい、1971年(昭和46年)に締結されたものだ(条約が発効したのは1975年、日本の条約加盟は1980年のことだ)。条約締結の舞台となったのがカスピ海沿岸に位置するイランの町ラムサールだったことから、ラムサール条約と通称されている。そもそもは渡り鳥の生活基盤としての湿地を保全することを目的とした条約だったが、やがて多種多様な生物を育む湿地の重要性が認識され、現在では湿地そのものの保全が目的になっている。ラムサール条約に登録される“湿地”は定義が広く、いわゆる湿原や湿地の他、谷津干潟のような干潟、砂浜や珊瑚礁、川や沼、水田までも含まれる。日本にも登録湿地が数多くあり、谷津干潟の他には釧路湿原や尾瀬、琵琶湖、宍道湖などが広く知られている。ラムサール条約とその登録湿地など、詳細は他のサイトや文献などを参照されたい。