福島県下郷町の南部、下郷町と白河市を繋ぐ甲子道路沿いに「道の駅しもごう」がある。敷地内の展望所からは西に視界が開け、爽快な眺望が楽しめる。夏の暑さの残る九月初旬、「道の駅しもごう」に立ち寄った。
道の駅しもごう
道の駅しもごう
道の駅しもごう
福島県の南部、南会津郡下郷町から西白河郡西郷村とを「甲子(かし)道路」が繋いでいる。南会津郡下郷町と西白河郡西郷村とは甲子山をはじめとする深い山々に阻まれ、両者を繋ぐ国道289号は近年まで車両の通行不可能な部分もあり、いわゆる“酷道”として知られていた。それを解消するために設けられた道路が「甲子道路」だ。甲子山の中腹を甲子トンネルで穿ち、阿武隈川上流部の渓谷を甲子大橋で跨ぎ、甲子道路は2008年(平成20年)に開通した。山道のような細道で甲子峠を越えていた国道289号は、これによって雄大な景色を楽しむことのできる快適なドライヴウェイに変貌した。

その甲子道路沿い、甲子トンネル起点(下郷町側)から4kmほど西に「道の駅しもごう」が設けられている。「道の駅しもごう」は「道の駅」としてはそれほど規模の大きなものではないが、もちろん休憩施設や地域の物産販売、食事のできる施設などは設けられている。地元である下郷町特産の農産物や工芸品などが販売され、食事は地元食材を使用した蕎麦や地鶏料理などを楽しめる。ドライヴ中の休憩施設としては充分な施設を有し、お土産物の購入にも不便はない。
道の駅しもごう
道の駅しもごう
「道の駅しもごう」の最大の特徴であり、魅力であるのは、敷地からの雄大な眺望だろう。「道の駅しもごう」は標高860mほど、甲子トンネル付近からは少し下ってきた辺りだが、下郷町中心部に比べれば400m近く高みに位置する(敷地内には「社団法人福島県測量設計業協会」による寄贈という、「標高861.41m」と記された石標が設置されている)。敷地内には展望所が設けられ、そこからは東に観音山や足倉山といった山々を背負い、西に会津の山々を眺望し、見渡す限り遙か彼方まで山々の稜線が重畳する。雄大な眺めだ。この眺望を楽しむためだけに「道の駅しもごう」に立ち寄っても、決して後悔しないのではないか。
道の駅しもごう
甲子道路の開通によって下郷町中心部から西郷村、さらに白河市への移動は格段に便利になった。観光で南会津を訪ねる際などに、甲子道路を利用する機会は少なくないだろう。その際にはぜひ休憩を兼ねて「道の駅しもごう」に立ち寄り、そこからの雄大な眺望を楽しんでおきたい。
参考情報
売店やレストランの営業時間など、詳細は国土交通省サイト等(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通
道の駅しもごうは福島県南会津郡下郷町の国道289号沿い、下郷町と白河市を結ぶルート、いわゆる甲子道路上に位置している。下郷町の中心部、国道121号との交差点から9kmほど、白河市中心部や東北自動車道白河ICからは30km弱といったところだ。甲子道路はトンネルと橋梁で整備されて走りやすく、快適なドライヴが楽しめる。

駐車場は一般小型車用の通常スペースだけで40台分ほどが用意されているようだが、利用者が多いときには脇の空き地が臨時駐車場として使用できるようで、100台分ほどが駐車可能なようだ。

飲食
道の駅内のレストランでは蕎麦をはじめ、ラーメンやうどん、パスタ、カレー、丼物など豊富なメニューが用意されている。

周辺にはまったく飲食店は無い。道の駅を離れたら西は下郷町中心部、東は白河市周辺まで移動しなくては飲食店を見つけることができない。

周辺
道の駅しもごうの南には観音沼森林公園がある。山中の細道を5kmほど辿らなくてはならないが、観音沼の景観を訪ねてみるのも悪くない。

甲子道路を西へ9kmほど辿れば下郷町の中心部、国道121号へ出て5kmほど北上すれば有名な「塔のへつり」だ。「塔のへつり」からさらに北へ10kmほどで大内宿に着く。

下郷町中心部から国道121号を南へ辿れば南会津町、旧南会津郡役所まで約12km、20分ほど走れば着く。
福島散歩