鹿児島県姶良市の東部を流れる網掛川に龍門滝という名瀑がある。古くから景勝地として知られ、日本の滝百選にも選定されている。暑さの盛りの八月上旬、龍門滝を訪ねた。
龍門滝
鹿児島県姶良市の東部、加治木町を流れる網掛川(あみかけがわ)に、龍門滝という素晴らしい滝がある。古くから景勝地として知られ、薩摩の名所のひとつだった。昔、中国の人が「漢土の龍門の瀑を見るが如し」と評したことから、この名があるという。この“漢土の龍門の瀑”は黄河の上流にある滝で、“この滝を登った魚はたちまち龍になるだろう”と言われ、「登竜門」という言葉の語源になった滝である。その龍門の瀑を想起させるほどの見事な滝だということだろう。
龍門滝
龍門滝は高さ46m、幅43m、豪快な印象を受ける滝で、日本の滝百選にも選定された、まさに名瀑である。国分層群(北部沿岸付近に分布する地層で、数十万年前に錦江湾の原型となる地溝に堆積した土砂や火山噴出物から成る)と呼ばれる地層にマグマが貫入してできた安山岩の岩盤に刻まれた滝だという。それを物語るように、注意深く見ると柱状節理も見ることができる。
龍門滝
設けられた滝見台からは龍門滝をほぼ正面に見ることができる。左下部分が山肌に隠れて見えないのが少し残念だが、それでも龍門滝の豪壮な姿を充分に堪能できる。滝崖にいくつもの白い筋を引いて流れる滝の姿が、周囲の緑と美しいコントラストを見せる。轟々と水音を立てて流れる滝の姿は長く見ていても飽きない。雨上がりなどの水量の多いときには滝崖一面に水が流れ落ちてさらに豪放な姿を見せるようである。
龍門滝
滝見台からさらに下へ降りてゆくことができる。滝壺に近寄ることはできないが、川面近くから見上げるように見る龍門滝の姿は滝見台からの景観よりさらに豪壮な印象が増すように感じられる。風向きによっては水飛沫を浴びることもあり、初夏から夏にかけての暑さを感じる季節の観瀑がお勧めだろうか。
龍門滝
龍門滝は滝見台から200mほど離れた駐車場付近からも見ることができる。緑濃い風景の中、山々に抱かれるようにして龍門滝の姿が田畑や人家の向こうに見え隠れする。なかなか風趣に富んだ景観である。滝というと山深いところに位置し、見るためには山道を辿っていかなくてはならないものも少なくないが、この龍門滝は人里から近く、訪れるのも容易だ。このような立地にこれほどの名瀑があることに少し驚く。

龍門滝
龍門滝を回り込むように網掛川の北側を辿る道路沿いに、展望台が設けられている。展望台は龍門滝のすぐ横に位置しているのだが、残念ながら葉の茂った木々に隠れて滝の姿がよく見えなかった。

展望台からは網掛川の下流部から姶良市の市街地方面の景色を一望する。なかなか素晴らしい眺望である。

龍門滝
龍門滝は日本の滝百選の名瀑、滝好きの人なら是非とも一度は訪ねておきたいところだろう。特に滝好きでなくても、姶良市周辺の観光の際にはぜひ訪ねておきたい場所のひとつだ。お勧めの景勝地である。
龍門滝
参考情報
交通
龍門滝は日豊本線加治木駅が最寄り駅だが、駅からは2km強の距離があり、徒歩では30分以上かかる。タクシーなどを利用するのが賢明だ。

龍門滝には観光用無料駐車場が設けられており、十数台分の駐車が可能なので、車での来訪が便利だ。駐車場は舗装されている。駐車場から200mほど辿ると滝見台に着く。龍門滝の駐車場が満車の場合は、龍門司坂近くの駐車場を利用してもいい。龍門司坂の駐車場から龍門滝の滝見台までは数百メートルの距離だ。

車で訪れる場合は、九州自動車道加治木ICを利用すれば近い。加治木ICから龍門滝駐車場まで1.3kmほどしかないが、ルートが少しわかりにくい。加治木ICから県道55号を200mほど北上、九州自動車道をくぐってすぐの交差点を西方向へ左折、九州自動車道の北側に沿って進み、網掛川を渡ったら交差点を右折すると300mほどで着く。

金山橋の駐車場から龍門滝へ向かう場合は、網掛川右岸側(北側)の道を下流側に向かい、展望台を過ぎて、丁字路を左折、龍門司坂横を過ぎて降りてゆけば龍門滝駐車所に着く。

飲食
龍門滝近くに流しそうめんがメインの飲食店があるが、他には周辺に飲食店はない。金山橋周辺は長閑な田園地帯で、周辺に飲食店はほとんどない。飲食店は加治木駅周辺の市街地へ移動して探そう。

周辺
龍門滝の上流側には明治初期に築造された金山橋という石橋が網掛川に架かっている。金山橋のすぐ上流側には板井手の滝という滝もある。車で移動すれば2kmほど、すぐに着く。金山橋へ向かう途中には龍門司坂がある。龍門司坂にも観光用駐車所が用意されている。加治木ICから県道55号を1kmほど北上したところに設けられた「ふれあいパーク加治木」の近くからは郷田滝を見ることができる。車で訪れた際には巡ってみると言い。
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