東京都渋谷区の代々木公園は広大な敷地の中にさまざまな木々が育つ緑濃い公園だ。春の桜の名所としても知られ、毎年桜の時期には大勢の花見客で賑わう。桜が見頃を迎えた四月上旬、代々木公園を訪ねた。
桜咲く代々木公園
春、代々木公園はその広大な園内の随所で桜が咲き誇る。1967年(昭和42年)に開園した代々木公園の桜はどれも大きく育ち、実に見事な景観を見せてくれる。都内でも有数の桜の名所として知られ、JR山手線原宿駅からも至近という立地の良さもあってか、毎年大勢の花見客を迎えて賑わう。
桜咲く代々木公園
その代々木公園の中でも渋谷門と南門とを繋ぐ通路の周辺は「桜の園」と名付けられており、ソメイヨシノの林になっている。この一角は大人数のグループでの、宴会を催してのお花見を楽しむ人たちが多いようで、林のあちこちにブルーシートが広げられている。お昼前からお花見を楽しむ人たちはランチタイムを過ごそうというのだろう。シートを広げて準備だけ整えてあるのは午後から夕方にかけてお花見を楽しもうという人たちだろうか。早めに場所取りをしておかないと空きスペースが無くなってしまいそうだ。
桜咲く代々木公園
景観として美しいのは中央広場周辺の桜だ。中央広場を囲むように桜が咲き、広々とした風景の中で見せる常緑樹の緑や空の青との色彩のコントラストが美しい。広場の桜の下でもシートを広げてお花見を楽しむ人たちの姿は多い。こちらは大人数での“宴会”というより家族や友人同士のグループでの、ピクニック気分での“春の行楽”としてお花見を楽しんでいるようだ。子ども連れの姿が多く、複数の家族のグループもある。シートの横にベビーカーが並んでいるのは若いお母さん同士のグループだろうか。春を満喫している様子が見ていても楽しい。
桜咲く代々木公園
広場の南端部には噴水を配した池があるが、これらの水景と桜との取り合わせも景観として良い風情だ。池の辺にもお花見の人たちの姿があり、池を臨むデッキのベンチではのんびりと一人で春のひとときを楽しむ人の姿も少なくない。
桜咲く代々木公園
園内の桜はソメイヨシノが中心だがオオシマザクラやヤマザクラなどもあるようだ。今回訪れたときにはまだ満開ではなく、全体的には七分咲き、八分咲きといったところだろうか。それでも広大な園内を桜が彩る景観はとても美しく見応えのあるものだった。園内を巡るとさまざまな表情が味わえて楽しく、他から離れてぽつりと一本咲く桜に出会うのも楽しい。
桜咲く代々木公園
春の代々木公園は大人数での“宴会”を催しながら楽しむお花見にも、あるいは家族連れや友人同士での“ピクニック気分”でのお花見にも、そしてまたひとりで訪れてのんびりと花見散歩を楽しむにも、それぞれの楽しみ方に応えてくれる。桜の咲く園内の景観ももちろん美しいものだが、お花見を兼ねた“春の行楽”を楽しめる都内の公園としての性格が大きく、その立地の良さも手伝って、まさに都内有数の“花見の名所”の名に恥じない。
参考情報
本欄の内容は代々木公園関連ページ共通です
交通
代々木公園へはJR山手線原宿駅や東京メトロ千代田線代々木公園駅から至近で、それぞれ駅から公園入口まで徒歩で2、3分といったところだ。小田急小田原線代々木八幡駅からも徒歩で数分と近い。

公園駐車場は公園北西側に設けられており、有料で146台分が用意されている。その他、周辺には数多くの民間駐車場が点在している。

飲食
緑に溢れ、開放感に富んだ代々木公園は、やはりお弁当とシートを持参しての広場でのアウトドアランチがお薦めだ。ピクニック気分で楽しめる。園内には本格的な食事のできるレストランなどはないが、三カ所の売店があり、ドリンク類の他、カレーライスや牛丼、焼きそばなどの軽食類も販売している。土日祝日やお花見のシーズンなどにはケータリングカーによる軽食販売も行われるようだ。必要に応じてそれらを利用してもいい。また公園南西側、陸上競技場の西側周辺にはコンビニエンスストアも多いようだ。

周辺
代々木公園の北東側には背中合わせのように明治神宮が隣接している。時間が許せば参拝してゆくといい。鬱蒼とした木々に包まれての散策は心休まるひとときだ。

代々木公園の南東側は原宿、南は渋谷の街が近い。公園でひととき過ごした後は街へ出て食事や買い物を楽しむのも悪くない。
桜散歩
東京23区散歩