第11回(10月8日放送)
チアリーディングをやめると言い出した貴子を励ます若葉だが、貴子はすっかり自信をなくしており、学校も休み、アパートからもいなくなってしまう。若葉と絵里とで探して見つかってようだが、貴子は戻ってこないつもりのようだ。ジャパンカップの前に出演予定だった飫肥でのイベントの日程も迫る。不安に思いながら、貴子を信じる若葉だ。
村上家の夕食の風景で、食卓が画面に大きく映し出されていた。焼き魚の上方に、「さつま揚げ」風のものが皿に盛られていたが、あれが有名な「飫肥天」だ。魚のすり身を成形して油で揚げたもので、製法としては「さつま揚げ」に近いが、これを日南辺りでは単に「てんぷら」と呼ぶ。「飫肥のてんぷら」だから「飫肥天」というわけだ。「飫肥天」は黒砂糖や豆腐などを加えた独特の製法が他の一般的な「てんぷら」とは異なり、甘みを帯びた柔らかな食感がたいへんに美味しい。実は「おび天」は「おび天本舗」の登録商標なのだが、今や「飫肥天」はすっかり飫肥名物として知られるようになった。宮崎空港でも揚げたてのものを買うことができる。劇中の食卓を映した画面は、この「飫肥天」を紹介する目的があったのだろう。
こうした「さつま揚げ」風のものを、単に「てんぷら」と呼ぶことは前述したが、それでは一般的な天麩羅のことは何と呼ぶのか。これもやはり「てんぷら」である。普通は「えびのてんぷら」などと言って呼び分けているような気がする。ちなみに「さつま揚げ」にはさまざまな具を混ぜ込んだバリエーションが存在するが、魚のすり身だけで作られたプレーンな「さつま揚げ」を、鹿児島では「つけあげ」と呼ぶのだと、鹿児島の友人から教わったことがある。
夕食の途中で若葉に絵里から電話がかかってきて、貴子がいなくなったというので若葉も急いで出かけて行くが、若葉が出かけた後、浩太朗が「なーんか、せからしかな」と呟く。「せからしい」という言葉は特に宮崎独特の方言というわけではなく、九州の他の地域でも使う。というより、福岡、長崎、熊本あたりの方言としてよく知られている言葉だ。一般には「うるさい」とか「うっとうしい」、あるいは「めんどくさい」といった意味の言葉で、熊本辺りで「せからしかっ」と言えば「うるさいっ」だ。宮崎では「落ち着かない」とか「気忙しい」といった意味合いが強く、浩太朗の台詞に於ける「なーんか、せからしかな」は、「何やら慌ただしげで落ち着かないな」という意味合いである。
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