横浜線沿線散歩
八王子市・町田市・相模原市・横浜市とその近隣の雑木林や里山の風景を紹介するガイドページです。「横浜線沿線散歩」のコンテンツの中から散策の楽しい雑木林やのどかな里山の風景を残す場所をリストアップしてみました。お出かけの際の参考に、あるいはページをご覧になって散策気分を味わって頂いたり、自由にお楽しみ下さい。
自然溢れる里山の散策は楽しい。人々の営みに密接に結びついた里山と谷戸の自然は古き佳き日本の原風景とでもいうべき心安らぐ風景だ。初夏の田植えから初秋の稲刈りの時期まで、水田の見せてくれる表情は郷愁を感じさせるような美しさを持っている。早春の芽吹き、春の桜、初夏の新緑、夏の蝉時雨、秋の紅葉など、里山の雑木林は四季折々にその表情を変えて飽きることがない。木立の葉の落ちた冬は見通しが利いて野鳥観察に良い季節だ。今では昔ながらの風景を残す場所も少なくなってしまったが、雑木林や里山の自然をそのままに残して整備された公園も少なくない。時には家族を連れて、あるいは友人たちと、たまには独りで、雑木林や里山の自然を訪ねる小さな旅に出かけてみよう。
高月
高月
八王子市北部の高月町には東京都内最大規模とも言われる水田地帯が広がっている。多摩川河畔の立地が開放感に富み、のんびりとした散策が楽しめる。その南に横たわる加住丘陵には中世の山城跡である「滝山城跡」が残り、現在は都立滝山公園として整備されている。滝山城跡から高月の水田地帯へ、豊かな自然を満喫しながらの散策が楽しい。
鑓水・柚木
八王子市南部、鑓水から上柚木、下柚木、中山地区にかけて、緑濃い丘陵地が残されている。鑓水はかつて日本が開国して間もない頃、八王子から横浜へと生糸を運んだ「絹の道」の通るところで、当時、生糸の仲買で財を成した「鑓水商人」たちが屋敷を構えていた。鑓水には「鑓水商人」に関する資料を展示した「絹の道資料館」も建っている。歴史に思いを馳せながらの散策が楽しい。
相原
相原
町田市相原町の丘陵地は「多摩丘陵」の北西端に当たる。相原町東部には地元のNPOが整備した散策路もあり、美しい畑地の風景も残っている。また相原町西端部の「大地沢」は境川の源流域に当たり、町田市の青少年センターがある。境川の河畔にはまだまだ畑地や水田も多く残っており、境川に沿って源流を訪ねてみるのも楽しい。
小山田
小山田
町田市北部は今でも昔ながらの多摩丘陵の姿をそのままに残し、古き佳き里山の風景を楽しめるところだ。中でも上小山田町から下小山田町にかけての地域はそうした懐かしい風景に多く出会えるところだ。下小山田町の一部は都立小田山緑地として保全され、散策を楽しむ人も多い。また上小山田町は鶴見川の源流の泉があることでも知られている。
図師・小野路
図師・小野路
町田市図師町から小野路町にかけての地域も里山散策の醍醐味を味わえるところだ。両町に跨る地域の一角は「図師小野路歴史環境保全地域」に指定されて自然環境や歴史的遺構などが保全されている。尾根の間に延びる谷戸田や丘の上に広がる畑地、古道の面影を残す細道など、四季折々に見せる表情に魅力は尽きない。
野津田
野津田
町田市野津田町は中央部を貫くように芝溝街道や鎌倉街道といった交通量の多い道路が抜けているが、その周囲に広がる「丘」の風景が魅力だ。特に野津田町南部から山崎町にかけての七国山周辺の丘陵地帯は散策コースとしての人気も高い。また北側の野津田公園周辺も丘陵の風景が美しく、その中の雑木林を縫うように散策が楽しめる。
黒川
川崎市麻生区の北西端に位置する黒川は、尾根筋の間に延びる谷戸田の風景を残したところとして知られている。多摩ニュータウンが間近に迫る立地だが、多摩丘陵の懐深くに入り込んだような緑濃い地域だ。谷戸に延びる田圃の風景はたいへんに美しく、四季折々にそれぞれの表情を見せてくれるが、やはり田植えの時期から稲刈りの時期までが特にお薦めと言えるだろう。
岡上
岡上
川崎市麻生区の岡上地区は周囲を町田市と横浜市青葉区に囲まれた「飛び地」だ。岡上には畑地の広がる丘や水田の横たわる谷戸の風景が残り、美しい風景を見せてくれる。特に南側、丘上から眺める風景は開放感に富んで爽快な気分を味わうことができる。小田急線鶴川駅から近く、気軽に訪れることができるのも嬉しい。
恩田
恩田
横浜市青葉区の恩田町は市街化の波が迫りつつも、その中に昔ながらの里山の風景を残している。昔はのどかな田園風景の広がっていた地域だが、今では幹線道路や新しい住宅地に囲まれるようにして里山や谷戸が残されている。それだけにその自然を愛し、守ろうとする有志の方々も多いところだ。かつての恩田村の面影を探しながら、恩田川流域の水田地帯なども含めて散策を楽しむとよい。
寺家
寺家
横浜市青葉区の北端に位置する寺家町は「寺家ふるさと村」としてよく知られている。昔のままの里山というのではなく、整備されて観光地的な性格も併せ持っているが、谷戸と里山の織りなす風景はとても美しく、散策に訪れる人の足は絶えない。また寺家町の北に隣接する町田市三輪町も昔ながらの風景を残す谷戸があり、寺家町とともに散策を楽しむ人が少なくない。
新治・三保
新治・三保
横浜市緑区の新治町から三保町の梅田川河畔には雑木林の里山と谷戸田の織りなす美しい風景が残っている。今では周辺は住宅街に姿を変えているが、かつてこの地域は「北の森」と呼ばれた広大な森林地帯であったのだという。今も残る里山の風景は、そうした古い時代を彷彿とさせて散策も楽しい。
公園の中に残る雑木林
公園の中に残る雑木林
昔ながらの里山の風景も東京近郊では徐々に少なくなっているのが現状かもしれない。かつてはのどかな農村だったところも造成されて近代的な街並みに姿を変え、その中に公園や緑地として雑木林が残されていたりする。中には里山と谷戸の風景をそのままに公園内に残している例もあり、炭焼きや田圃などの里山文化の継承を試みているところもある。本来の姿ではないかもしれないが、整備された公園内の雑木林は気軽に四季折々の自然に触れることができて嬉しい。
里山や雑木林に関連する外部ウェブサイト
里山の風景や雑木林の自然を紹介するウェブサイトは数多く存在する。行政、NPO法人、個人など運営の主体はさまざまだが、それぞれに興味深く、参考になる情報が得られる。併せて参照されるとよいだろう。