四季を通じて楽しめる薬師池公園は紅葉の名所としても有名で、秋の紅葉シーズンには多くの観光客で賑わっている。山肌が紅葉に染まるというような壮大な景色ではないが、薬師池の周囲のモミジの葉が真っ赤に染まり、それらが池の水面に映り込む様子がとても美しい。
モミジの樹の数はそれほど多くはない。主役はあくまで薬師池そのもので、紅葉の赤はそれを引き立てる名脇役といったところだが、そんな控えめな雰囲気がかえって良い風情を醸しているように思える。池越しに遠景に見る紅葉ももちろん美しいが、水面に張り出すように枝を広げたモミジを池を背景にして見る時の様子もまた美しい。特に逆光になる位置に立ってモミジの葉が透過光に映えるのを見るのは素晴らしい。写真趣味の人たちにとっても絶好の被写体であるらしく、三脚を据えてレンズを向ける人の姿も多い。
園内にはイチョウの樹も何本かあって美しい姿を見せてくれるが、やはり池とモミジの組み合わせの魅力の前には少々色褪せて見えてしまうというのが正直なところか。イチョウと言えば、薬師堂の前のイチョウの大木も見事で、黄葉のシーズンにはぜひ見ておきたいものだ。