南大谷は町田の中心街の北方に位置しており、そのほぼ中央を小田急線が南北に抜け、東西には鶴見川の支流である恩田川が流れている。南大谷の街自体は静かな住宅街だが、町田市役所前から玉川学園前を繋ぐ道路が南北に、本町田方面と成瀬方面とを繋ぐ道路が東西に抜けており、それらはバス通りでもあって交通量も比較的多い。南大谷は町田三天神のひとつである
南大谷天神社があることでも知られているが、その天神社に立ち寄った後、社の南側、恩田川がバス通りに接近するあたりから恩田川河畔へと歩を進めた。
恩田川は護岸工事が施されて風情の無い川だが、河畔にはサイクリングロードを兼ねた舗道が整備されており、住宅街とは言え周囲にはまだまだ緑も多く、歩くほどにバス通りの喧騒も遠のいて、のんびりとした散策が楽しめる。小田急線が恩田川を越える辺りは道脇の桜が見事な景観を見せてくれている。
時折自転車に乗った学生などが横を通り過ぎる中を高ヶ坂方面へと進むと、恩田川の北側の河畔に見事な桜が並んでいるのに気付く。ちょうど南大谷小学校と南大谷中学校が並ぶ辺りで、それらの学校の校庭に植えられた桜が河畔から見えるのだ。この付近には護岸に石段が施されている箇所もあり、恩田川の河原へと降りることもできる。川面には水鳥が遊んでおり、その姿を眺めるのも楽しいものだ。
やがて南大谷から高ヶ坂へと入ると、河畔の舗道の脇にちょっとした広場のようなものがあったりして、その傍らにも見事な桜が植わっている。百本以上もの桜が咲き揃う花見の名所もいいものだが、こうして二、三本だけがポツリと立って美しい姿を見せてくれる桜もよいものだ。
高瀬橋近くまで来ると、成瀬街道を走る車の騒音が聞こえてくるが、河畔の畑に春の花が咲いていたりして、そういった発見も楽しい。高瀬橋の辺りでは北側の川岸はすでに成瀬で、恩田川は大きく左に蛇行して成瀬街道に沿うように流れてゆく。
成瀬の恩田川河畔は桜並木が見事だが、それはまた次の機会に楽しむことにしたい。