横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市緑区新治町
新治里山公園
Visited in May 2023
新治里山公園
横浜市緑区新治町の北部に「新治里山公園」という公園がある。2009年(平成21年)から供用開始となった公園で、計画面積15haほど。公園は旧奥津邸の建物を中心に、広場や「つどいの家」と名付けられた体験施設、ハーブ園などから構成されている。公園の南西側には「新治市民の森」が広がっており、新治市民の森を中心とした里山散策の際の拠点としても機能している。
新治里山公園 新治里山公園のメインとなるのは、やはり旧奥津邸だろう。古くからこの地に住まわれていた奥津氏から土地建物が2001年(平成13年)に横浜市に寄贈され、それらを公園として整備し、2009年(平成21年)4月に開園したのが新治里山公園の始まりだ。

旧奥津邸の施設は主屋、長屋門、土蔵、納屋などから構成されている。長屋門と土蔵は横浜市の歴史的建造物に認定された貴重なものだ。それぞれの建物をじっくりと見学し、この地域の昔の農家の暮らしぶりに思いを馳せるのも楽しいひとときだ。
新治里山公園 旧奥津邸から道路を挟んだ南側、斜向かいに公園管理事務所の建物が建っている。管理事務所は「にいはる里山交流センター」を兼ねており、里山の文化や環境を伝えるための情報発信を行い、さまざまな里山体験の拠点としても機能している。

新治里山公園の南西側には新治市民の森が広がっている。新治市民の森とその周辺は昔ながらの長閑な里山風景が残り、里山散策に訪れる人も多い。「にいはる里山交流センター」には新治市民の森のイラストマップなどを記載したリーフレットが用意されている。新治市民の森の散策を楽しむ際には、まず「にいはる里山交流センター」に立ち寄ってリーフレットを貰って予備知識を得ておくのがお勧めだ。
新治里山公園 「にいはる里山交流センター」の南西側、小さな川を渡った先には「旭谷戸広場」と名付けられた草はらの広場が設けられている。この広場は新治里山公園の第2開園エリアとして旧奥津邸エリアからは3年遅れて2012年(平成24年)に開園した。

広場はほどよく開放感があり、随所にベンチが置かれ、のんびりと一休みしたり、お弁当を広げてランチタイムを過ごすにも好適なところだ。広場の南側には小川が流れ、その南側は「新治市民の森」の一角を成す丘陵地だ。

広場の北側の一家を利用して建てられているのは「つどいの家」と名付けられた研修施設だ。里山の自然や文化に触れ、学ぶことのできる、さまざまな体験・研修活動が行われているようだ。興味のある人は問い合わせをしてみるといい。
新治里山公園
新治里山公園は開園時期の異なる二つのエリアから構成されていると考えてもいい。旧奥津邸の保存を目的にした北側のエリアと、里山の自然や文化の体験・学びの場としての南側エリアと、それぞれに特徴があり、二つの公園を一つにまとめたという印象もある。旧奥津邸はこうした建築物に興味のある人ならぜひ見ておきたいものだ。「旭谷戸広場」は「新治市民の森」へを散策の足を延ばす際の拠点としての役割も併せ持っている。その他にも公園の区域内には栗林やハーブ園もある。それほど規模の大きな公園ではないが、地域に溶け込んだ素敵な公園だ。

新治里山公園には来園者用駐車場は設けられていない。訪れる際には公共の交通機関を利用しよう。JR横浜線十日市場駅から徒歩で約15分の距離だ。
新治里山公園
新治里山公園
新治里山公園
新治里山公園