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横浜市青葉区寺家町
冬の寺家ふるさと村
Visited in January 2024
冬の寺家ふるさと村
一月下旬、大寒、冬の真っ只中だ。寒さは厳しいが、空は冬晴れで澄み渡っている。そんな季節の里山風景を楽しもうと、寺家ふるさと村を訪ねた。里山は冬枯れの風景だが、この季節ならではの興趣が感じられて散策は楽しい。のんびりと冬の寺家ふるさと村を一巡りしてみたい。
冬の寺家ふるさと村 一月下旬の寺家はどこも冬枯れの風景だ。雑木林の落葉樹は葉を落とし、谷戸の水田も静かに春を待っている。その中で竹林や常緑樹がわずかに緑を保っている。熊野神社の白い鳥居の向こうにひときわ高い姿で立つ樹木は神奈川名木百選と横浜市の名木古木に指定されたモミの木だ。200年近い樹齢のモミだという。

落葉樹が葉を落として林の中は見通しが利き、この季節は野鳥観察にも好適だ。双眼鏡や望遠レンズを装着したカメラを携えて野鳥の姿を探す家族連れの姿などもある。
冬の寺家ふるさと村 寺家ふるさと村の中心部といっていいのが山田谷戸と呼ばれる谷戸だ。尾根と尾根に挟まれて細長く横たわる“谷戸”の地形に水田が築かれて“谷戸田”を成している。寺家の山田谷戸は、“谷戸”と“谷戸田”というものの象徴的な景観と言っていい。

谷戸田は初夏の田植えの頃から初秋の稲刈りの頃まで美しい景観を見せてくれるが、冬枯れの風景も季節の風情が感じられていいものだ。
冬の寺家ふるさと村 「むじな池」の横手に小さな梅林がある。寒さの厳しい頃だというのに、そろそろ梅が咲き始めている。もちろん、どの梅もほとんどがまだ蕾だ。梅の花は咲き誇る様子もいいものだが、蕾が膨らみ、春を待つ頃の姿もいいものだ。枝先に連なる梅の蕾を見ながら、やがてまた春が巡り来ることを実感する。梅が見頃を迎えるのは一ヶ月ほど先か。

梅林のある場所は小さな谷戸になっていて、日溜まりとなって暖かい。ぽかぽかと穏やかな空気感の中で一足早く春の兆しを感じることができる。
冬の寺家ふるさと村 山田谷戸の奥、大池にほど近い辺りは谷戸の端の道路が都県境になっていて、北側は東京都町田市三輪町だ。山田谷戸から三輪町の妙福寺付近へと抜ける道が北へ抜けている。辿っていけば三輪町の住宅地へ至るのだが、途中、尾根を越えるところで切通しを抜ける。「山谷の切通し」と呼ばれる切通しだ。

切通しを抜ける道は、軽自動車なら何とか通れそうな幅の小径だ。道の両脇には土が向きだしの崖面が間近に迫る。尾根を切り崩して小径を通した「切通し」の様相がよくわかる。切通しの両脇には竹や常緑樹が多く、この季節にも緑濃く、木漏れ日が美しい。
冬の寺家ふるさと村
冬枯れの寺家ふるさと村、昔ながらの田園風景を求めてか、真冬の寒さの厳しい時期にも関わらず、散策を楽しむ人の姿が少なくなかった。咲き始めた梅や、水車小屋横の畑の菜の花など、早い春の兆しも見つけることができた。空気は冷たいが、場所によっては日溜まりとなって暖かく、楽しい冬の寺家散策だった。
冬の寺家ふるさと村
冬の寺家ふるさと村
冬の寺家ふるさと村
冬の寺家ふるさと村