八王子市北野町
北野天満社
Visited in March 2022

八王子市北野町の南部、国道16号バイパスの脇に北野天満社が鎮座している。その名が示すように菅原道真を祭り、北野町の地名の由来となった神社である。当然のことながら境内には梅の木が多く植えられており、早春には紅白の梅が季節を告げる。

境内には鹽竃神社(塩釜神社)も祀られている。鹽竃神社の祭神である塩椎神(しおつちのかみ)は安産守護で信仰を集める神である。

今の北野町は北野駅の北側に広がる住宅地だが、昔は水田の広がる長閑なところだった。かつての農村の鎮守としての佇まいは境内の木々に面影を残すのみである。

北野天満社には梅を集めた“梅林”のような場所はなく、鳥居脇や社殿脇など、随所に植えられている。外の道路からしか見えない場所もあるので、梅を目当てに訪ねた際には神社の周囲を回ってみるといい。

北野天満社は北野の地名の起こりとなった神社であることに面白みがある。横山党関連の歴史に興味のある人も参拝しておきたい神社だろう。残念ながら“梅の名所”と呼べるほどではないが、寒さが緩む頃、早い春を探しての散策で参拝してみるのがお勧めだろうか。


