八王子市松木
大田川寒緋桜並木
Visited in March 2024

八王子市の南東部、大田川という川が流れている。南大沢一丁目から松木、堀之内三丁目へと流れて大栗川に合流している。大田川の左岸には由木緑道という遊歩道が整備され、桜並木が設けられている。大部分は遅咲きの八重桜なのだが、一部分だけ八重桜ではなく、早咲きの寒緋桜が植えられている。寒緋桜が見頃を迎えた3月半ば、由木緑道を歩いた。

由木緑道には桜の並木が施されている。大部分は遅咲きの八重桜なのだが、川幡橋から板橋まで約350mの区間には遅咲きの八重桜ではなく、早咲きの寒緋桜が植えられている。例年、遅咲きの八重桜は四月中旬頃に満開となるが、寒緋桜はその約一ヶ月前、三月の上旬から中旬にかけて見頃を迎える。

寒緋桜は釣鐘状の緋色の花が下向きに集まって咲く。半開きのような状態だが、これで満開の状態で、花期を過ぎるとそのまま萼筒ごと落ちてしまう。その姿は一般的な「桜」の印象とは少し違っており、中には桜の仲間だと知らない人もいるようである。

由木緑道の寒緋桜はまだ木は小さく、その点では少し見劣りするが、まだ花の少ない三月半ば、鮮やかな緋色の桜が河岸を彩る様子は美しいものだ。三月半ばでは緑道はまだ冬枯れの風景だが、その中に寒緋桜の緋色がひときわ目立つ。青空を背景に見上げた姿もたいへんに美しい。のんびりと楽しみたい早春の散歩道である。

大田川沿いに寒緋桜が植えられていることは以前から知っていたのだが、花の見頃の時期に歩いてみたことはなかった。今回はようやくタイミング良く咲き揃った緋寒桜を見ることができて、楽しい散策だった。


