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横浜市青葉区下谷本町
下谷本町
(横浜青葉JCT)
Visited in January 2025
下谷本町(横浜青葉JCT)
よく晴れた一月半ば、横浜市青葉区下谷本町を訪ねた。下谷本町には東名高速道路の横浜青葉JCTが設けられている。横浜青葉JCTは北では国道246号と接続し、南方向へは首都高速神奈川7号横浜北西線が延びる。鶴見川河畔の田園風景の中に築かれた横浜青葉JCTの風景はどこか近未来的な印象を漂わせている。その風景を、冬の青空を背景に見てみたいと思ったのだ。
下谷本町(横浜青葉JCT) 東急田園都市線市が尾駅を西口に出て、駅前の道を南西の方角へと降り、神奈川県道12号横浜上麻生線を横断、線路脇の道をさらに南西の方角へと辿って鶴見川を越えれば下谷本町だ。下谷本町というからには上谷本町もあるわけだが、上谷本町は下谷本町の北西側、鶴見川の上流部の右岸部にある。

下谷本町は古い時代には都筑郡下谷本村だったところで、1939年(昭和14年)に横浜市に編入、1994年(平成6年)の行政区再編成に伴って青葉区下谷本町となった。下谷本町は鶴見川の河畔に広がる長閑な田園地帯だ。その下谷本町を横切って、北部には国道246号が、その南側には東急田園都市線が、さらにその南側、町域のほぼ中央部を東名高速道路が抜けている。
下谷本町(横浜青葉JCT) 下谷本町には東名高速道路の横浜青葉ジャンクション(以降、「JCT」)が設けられている。ここにはそもそもは横浜青葉インターチェンジ(以降、「IC」)が設けられていた。横浜青葉ICは港北ニュータウンへのアクセスの利便性を向上させるために構想されたもののようだが、横浜町田ICの渋滞緩和の目的も大きかった。

横浜青葉ICは1998年(平成10年)に開設、ICの北側に料金所が設けられ、出入り口と共に国道246号と直結するアクセス路が設けられた。これによって下谷本町の風景は一変したと言っていい。ICから料金所を経て国道246号へと続くランプウェイの描く風景は、近未来的な印象を放ちつつ独特の美しさを感じさせたものだ。

下谷本町(横浜青葉JCT) その横浜青葉ICから第三京浜道路の港北ICとを繋ぐ路線の建設が構想され、実現に向けて動き出したのは2003年(平成15年)のことだ。やがて都市計画も決定し、首都高速道路株式会社が事業化を表明、2014年(平成26年)に着工し、横浜青葉ICには新設の道路を接続するJCTが併設され、わずか6年後の2020年(令和2年)には開通した。

これが首都高速神奈川7号横浜北西線、通称「横浜北西線」だ。横浜北西線の完成によって下谷本町の風景はさらに大きく変貌したと言っていい。

下谷本町(横浜青葉JCT) 横浜北西線は横浜青葉JCTから南へ延び、北八朔町で地下に潜って東へ向かい、池辺町北部の地下を横切って南へ曲がり、東方町の南部で再び地上に姿を現す。その先の横浜港北JCTで第三京浜道路と接続し、さらに東へ首都高速神奈川7号横浜北線が延びている。

これによって東名高速道路から第三京浜を経て、生麦JCTで首都高速神奈川1号横羽線(正式には「神奈川県道147号高速横浜羽田空港線」)とを繋ぐアクセスルートが完成したことになり、この地域の道路ネットワークの利便性は大きく向上した。
下谷本町(横浜青葉JCT) 横浜青葉JCTのすぐ北側に谷本公園という公園が設けられている。球技場やテニスコートなどを中心に、スケートボードコートや3on3コートなども設けられた公園で、日頃からスポーツを楽しむ地元の人たちで賑わっている。

位置としては横浜青葉JCTの北側だが、印象としては谷本公園は横浜青葉JCTの“真下”にあると言ってもいい。実際、園内のテニスコートの上にはランプウェイがと覆い被さるように通っている。谷本公園側から見る横浜青葉JCTは、その威容と美しさを最も感じられるものだと言っていい。

下谷本町(横浜青葉JCT) 谷本公園の西側には横浜青葉JCTから横浜青葉ICの料金所を経て国道246号へと延びるアクセス路が延びているが、その下を利用して設けられた道路から見るJCTの光景もいい。

JCTのランプウェイが二重三重に重なって弧を描く光景は巨大な構造物の見せる美しさを凝縮したものと言っていいのではないか。“弧”と表現したが、実はランプウェイの描く曲線はただの円弧ではない。直線から円弧とを繋ぐ曲線はクロソイド曲線というもので、連続的に曲率が変化していく。これによって通行する車両は安全なハンドル操作が可能になるわけだ。下から見上げれば、クロソイド曲線を描くランプウェイは見る方向によってさまざまに表情を変え、飽きることがない。
下谷本町(横浜青葉JCT) 谷本公園の東側には鶴見川が流れている。この辺りでは谷本川とも呼ばれている。長閑な風景の鶴見川の流れに目を向ければ、横浜青葉JCTの風景の対比が面白い。

鶴見川右岸の道を南へ辿って東名高速の南へ足を延ばせば、横浜青葉JCTから南へ延びる横浜北西線の様子もよく見える。これも二重三重に重なって東名高速と横浜北西線とを繋ぐランプウェイの姿が美しい。鶴見川の左岸に移って鶴見川越しにJCTの風景も見てみるのも一興だ。
下谷本町(横浜青葉JCT) 横浜青葉JCTのほぼ真下、鶴見川を跨ぐ学校橋から西へ延びる道路がある。西側へ抜ければ「谷本小学校前」交差点だ。交差点の南西側には千草台公園という公園が設けられている。斜面となった立地に広場を設けた構成の公園だ。交差点に近い東側にはプールも設けられている。園内の少し高い場所から東を眺めればプールの管理棟の向こうに横浜青葉JCTの重なり合うランプウェイが見える。

この辺りはすでに下谷本町ではなく、西に隣接する千草台の町域だが、かつては都筑郡下谷本村の一部だった。1968年(昭和43年)の土地区画整理事業によって下谷本町の一部から新設されたものという。1960年代までは長閑な里山風景の広がる土地柄だったようだが、1970年代以降に市街化が進み、今では静かな住宅地だ。公園の南側には杉山神社が鎮座している。散策の無事を祈願していこう。
下谷本町(横浜青葉JCT) 谷本公園西側の道路を北へ辿れば、道路は横浜青葉ICの料金所下を抜けていく。高速道路の料金所を、その真下から見ることのできる場所は珍しいのではないか。

料金所の中央部付近、高架となった道路の下を横切るように通路のようなものが設けられている。道路横に設けられた事務所の建物と、料金所の各ブースとを繋ぐ通路だろう。今では高速道路の料金所はETCの使用が前提となり、料金所ブースは無人化が進んでいるが、やはり係員が出入りする必要はあるのだろう。

下谷本町(横浜青葉JCT) 料金所のすぐ北側で、ICのアクセス路は東急田園都市線の線路の上を通る。下谷本町を横切る東急田園都市線の線路は堤状に築かれた土台の上を通っているのだが、そのさらに上を道路が通っている。その光景には改めて現代の交通インフラのダイナミズムのようなものを感じる。

うまく東急線の電車が通過するタイミングを狙って写真を撮るのも楽しい。鶴見川河岸の田園地帯を貫いて一段高い堤の上を通る電車と、そのさらに上に築かれた道路、その背景に広がる青い冬空、なかなかフォトジェニックだ。
下谷本町(横浜青葉JCT) 東急田園都市線の線路のすぐ北側、線路に沿うように「谷本せせらぎふれあいの道」という緑道が設けられている。もともと雨水を流すための水路があったのだが、下水管を地下に埋設したことによって水量が減少し、悪臭や不法投棄などによって環境が悪化しため、現在のような緑道として整備されたものだ。

一月半ば、「谷本せせらぎふれあいの道」は冬枯れの風景で、水の流れも少し寒々しく感じてしまう。また別の季節に、旧大山街道などと併せて訪ねてみよう。
下谷本町(横浜青葉JCT) 横浜青葉ICから料金所を経て北へ延びたアクセス路は国道246号に接続する。その南西側にICの出口が、南東側に入口が設けられている。

道路の真下から眺めると国道246号へと接続するランプウェイや出入り口へのランプウェイが重なって見える。国道246号の上り車線に接続するランプウェイは高架となった国道の、さらにその上を跨いでいる。JCTほどではないが、ここもランプウェイの描く曲線が美しく印象的な景観を見せている。
下谷本町(横浜青葉JCT) 横浜青葉ICの出入り口が設けられた道路を東へ進めばすぐに鶴見川だ。鶴見川を跨ぐ国道246号の側道の歩道から下流側を眺めれば、東急田園都市線の橋梁がよく見える。少し右手(西側)に視線を向ければ、鶴見川河岸の長閑な風景の向こうに横浜青葉JCTのランプウェイが見え隠れする。

鶴見川河岸の道をのんびりと辿り、線路脇の人道橋を渡って市が尾駅を目指し、今回の横浜青葉JCTを“愛でる”下谷本町散策を終えることにしたい。ちなみに、東急線の線路のすぐ北側に設けられた谷本人道橋は、かつて幅員のかなり狭い橋だった。現在の橋は2012年(平成24年)に架けられたもので、充分な幅員の人道橋になっている。
下谷本町(横浜青葉JCT)
横浜北西線が開通して以来、車で近くを通りかかる度にいずれ機会を設けてゆっくりとその風景を見てみたいと思っていた。澄んだ青空を背景に見るのがいいだろうと、今回よく晴れた冬の日を選んで機会を設けたのだった。巨大な人工物の見せる造形美は、やはり圧倒的な存在感だ。特にJCTのランプウェイが二重三重に描く曲線の美しさは特筆すべきものだ。都会の中ではなく田園風景の中という立地もいい。東急田園都市線市が尾駅から谷本公園まで1km足らず、気軽な距離だ。“ジャンクション萌え”の人なら一度は訪ねてみるべきところだと言っていいのではないか。
下谷本町(横浜青葉JCT)
下谷本町(横浜青葉JCT)
下谷本町(横浜青葉JCT)
下谷本町(横浜青葉JCT)