佳景探訪
ETR日本海ひすいライン有間川駅
新潟県上越市の直江津から新潟県糸魚川市の市振までを繋ぐえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインに、有間川という駅がある。ホームから日本海を見下ろす駅だ。夏の暑さが残る九月上旬、有間川駅を訪ねた。



ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅

ETR日本海ひすいライン有間川駅
新潟県上越市の直江津から新潟県糸魚川市の市振までを繋いで、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインという鉄道路線が走っている。有間川駅はその路線の駅のひとつだ。直江津から谷浜を経て、その次が有間川である。有間川駅は日本海を臨む海岸に設けられた駅で、ホームからは眼下に海を見下ろす。爽快な眺望を楽しめる駅である。

えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインは、そもそもはJRの、さらに以前は国鉄の北陸本線だった路線だ。北陸本線はまず長浜駅−敦賀港駅間が東海道の支線として1889年(明治22年)に開業した。以後、順次延伸されるなどして、米原駅−直江津駅間の全線が北陸本線となったのは1913年(大正2年)のことである。

北陸本線の全線開業時、有間川駅は無かった。すでに設置が決定していた長浜駅(現在の谷浜駅)に近すぎたためである。住民たちは幾度か、駅設置の陳情を行ったというが、駅設置は実現に至らなかった。その有間川駅が誕生するのは戦後になってからである。住民たちの熱意が通じたのか、1946年(昭和21年)、ようやく仮乗降場として開業、翌年に正式に駅に昇格している。

1969年(昭和44年)には昭和30年代に入ってから進められていた電化複線化が終了した。この工事に併せて直江津駅−浦本駅間は新線への付け替えが行われ、駅の多くが新線区間に移転しているが、有間川駅は旧線と新線とがほぼ同じ部分を通ったため、移転されなかった。有間川駅は新線への付け替え前の面影を残す貴重な駅なのである。ちなみに、有間川駅のホームから西を見れば線路はトンネルの中へと延びているが、旧線は海岸に沿って延びていた。旧線跡は現在「久比岐自転車歩行者道」として利用されている。全線の電化複線化が完成した北陸本線だったが、当時の国鉄は徹底した合理化が迫られていた。1970年(昭和45年)に有間川駅が無人駅となったのも、その一環だった。

やがて1987年(昭和62年)、国鉄分割民営化である。米原駅−直江津駅間の北陸本線は西日本旅客鉄道(JR西日本)が承継した。さらに時代が下って2015年(平成27年)、1997年(平成9年)に高崎駅−長野駅間で開業していた北陸新幹線(当時は長野新幹線と呼ばれた)が、金沢まで延伸開業、これに伴って北陸本線の金沢駅−直江津駅間が廃止されることになる。廃止された旧北陸本線のうち、金沢駅−倶利伽羅駅間は「IRいしかわ鉄道」に、倶利伽羅駅−市振駅間は「あいの風とやま鉄道」に、市振駅−直江津駅間が「えちごトキめき鉄道」に移管されている。こうして、現在の「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」が誕生するのである。

有間川駅は海岸の駅である。南には丘陵が迫り、北には国道8号を挟んで間近に日本海を臨む。その間のわずかな平地部に駅が設けられている。駅は相対式ホーム2面2線の構造で、海側(北側)に駅舎が建つ。駅舎はえちごトキめき鉄道への移管直前に改装が行われたようで、一部が白く塗装されているが、開業時の姿をそのままに残し、良い風情を漂わせている。もちろん現在も無人駅だが、有人駅時代の面影を探すのも難しいことではない。

ホームに立つと北に海が見える。南側のホームに立てば古い駅舎の向こうに海が見え隠れし、何とも情趣に富んだ風景である。特に駅舎の入口を通してその向こうに海を見る景観などはたいへんにフォトジェニックで素敵だ。

駅への出入口は複数あるが、線路南側の一段高みとなった道と階段で繋がる出入口もある。そこから南側の道路へ出ると、眼下に有間川駅を見下ろし、その向こうに日本海を望む。その景観も素晴らしい。

現在はえちごトキめき鉄道の真新しい駅名標の建つ有間川駅だが、その中にJR時代、さらには国鉄時代の面影を残し、古き佳き鉄道風景を楽しめる駅である。何と言っても“海辺の駅”という風情がいい。駅舎越しの日本海、あるいは駅舎の中から眺める日本海は情趣に富んで旅情を誘う。鉄道ファン、駅舎ファンなら一度は訪ねてみたい駅である。




有間川フィッシャリーナ

有間川フィッシャリーナ

有間川漁港

有間川漁港
有間川駅を北に出て、国道8号を300mほど東に辿って国道を北に渡れば、有間川漁港だ。海岸に防波堤を設けて小さな漁港がある。漁港の風情を味わいながら、のんびりと周辺を散策するのも楽しい。

漁港の一角には「有間川フィッシャリーナ」という施設が併設され、特徴的なデザインの休憩施設の建物が建っている。有間川フィッシャリーナは誰でも自由に利用できる公共施設とのことだ。

有間川フィッシャリーナの休憩棟からは眼前に有間川漁港がよく見える。建物内にはベンチやテーブルなどが設置され、いかにも“休憩施設”という佇まいだ。中2階のように回廊が設けられており、そこからはさらに少し高い視点で漁港の風景を眺めることができる。海側にはデッキ部分も設けられているから、海風に吹かれながら眺めを楽しむのもお勧めだ。
参考情報
交通

有間川駅は直江津から2駅目、10分ほどで着く。直江津へは柏崎方面からJR信越本線で、あるいは北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン経由などの方法がある。出発地に応じて最も便利なルートを選ぶといい。

駅には駐車場は無い。車で訪れる場合は、「有間川フィッシャリーナ」の駐車場を利用するといい。遠方から訪れる場合は、名立谷浜ICが最も近い。

飲食

有間川駅周辺には飲食店は無い。直江津まで移動して探すのが賢明だ。

車の場合は国道8号を西へ6kmほど辿ると道の駅うみてらす名立がある。

周辺

有間川駅の東側、丘の上に「たにはま公園」という公園が設けられている。見事な眺望が楽しめる。丘上の駐車場まで約3km、徒歩ではつらいが車で訪れた際には併せて訪ねてみるのもお勧めだ。

有間川駅から西へ(市振方面へ)一駅で名立駅、ホームの下を川が流れているというのがちょっと珍しい。駅から海へ向かって1.5kmほど歩けば海岸に道の駅うみてらす名立がある。温泉施設やプール(夏期のみ営業)などが設けられている。海に面した広場も爽快だ。名立の町も昭和レトロの雰囲気を漂わせており、町歩きの好きな人なら散策を楽しむのもお勧めだ。
ETR日本海ひすいライン有間川駅

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