横浜線沿線散歩公園探訪
多摩市乞田
乞田・貝取ふれあい広場
Visited in July 2005
乞田・貝取ふれあい広場
多摩市乞田の中央あたり、多摩ニュータウン通りと乞田川に挟まれた立地で「乞田・貝取ふれあい広場」という小公園がある。ほぼ長方形をした公園はその名が示すように平坦な広場で、外縁部に木立が並んで広場を囲んでいる。規模の小さな公園だが、遊具類が充実し、また夏は水遊びができることもあって、地元の子どもたちの人気を集めている。
乞田・貝取ふれあい広場
「乞田・貝取ふれあい広場」は乞田川の北岸に位置し、乞田川河岸を辿る遊歩道と一体化した様相を呈している。中央部は原っぱで、外縁部に木立が並ぶ。広場の西側には「乞田・貝取ふれあい館」という名の多摩市立のコミュニティセンターが建っている。「乞田・貝取ふれあい館」は内部に会議室や談話室、ホールなどがあり、地域コミュニティの活動の場として活用されている。広場は地域のイベントの会場となることも少なくないようだ。
乞田・貝取ふれあい広場
広場の東側には「砦」を思わせる意匠の複合遊具が置かれている。公園内に設置された遊具としてはかなり規模の大きなもので、さまざまな工夫が凝らされている。上に登ったり、中に潜り込んだり、子どもたちの遊び心をくすぐってくれる造りであるように思える。パイプで繋がれたメガホン状のものは、片方でメガホンに向かって声を出せば反対側で聞こえるようになっており、そうやって遊ぶのを想定したものだろう。パラボラアンテナ状のものが一対、向かい合うように立っているものもあり、これもおそらく「音」による遊びを考えたものに違いない。こうしたところはなかなかオリジナリティに溢れたものだという気がする。この複合遊具の他にも種々の遊具が置かれており、子どもたちの遊び場としてなかなか充実しているように思える。
乞田・貝取ふれあい広場
広場の南側、乞田川河岸に近いあたりには、水遊びのできる水路が設けられている。西側の円形の池の中央部から水が出ており、緩やかな曲線を描く水路が東へ辿り、東の端の池に注ぐ。水路は自然の小川を模したものではなく人工的な意匠のもので、規模も特筆するほど大きくはないが、近所に暮らす子どもたちの水遊びの場所として充分なものだろう。水路の両脇には木々が陰を落としている。子どもたちが水遊びを楽しむ間、親たちは木陰にシートを広げてのんびりとくつろぎながら見ていればいい。池と水路は夏場の毎金曜日に業者による清掃作業が行われるらしいから、水遊びに訪れる際には確認しておいた方がよいだろう。
乞田・貝取ふれあい広場
多摩ニュータウン通りにも近く、周辺は市街地だが、木立に囲まれているせいか、あるいは河岸という立地のせいか、穏やかで爽快な空気感に包まれている。お弁当を持参してのんびりとお昼時を過ごす親子連れを見かけることも少なくない。決して広くはないが、平坦な原っぱ、程良い木陰、工夫の凝らされた遊具類、水遊びのできる水路など、内容は充実していると言っていい。近くに暮らす子どもたちにとっては魅力的な公園であることだろう。駐車場はなく、徒歩圏内に暮らす人でなければ訪れるのに少々不便だが、地域の人たちのための小規模の公園としてはかえって良いことかもしれない。
【追記】
乞田・貝取ふれあい広場には元々は駐車場が設けられていなかったが、現在は専用有料駐車場(来園者用コインパーキングと考えればいい)が設けられている。2017年春頃に新設されたようである。駐車台数が15台分と少ないので、休日などには満車状態が続くことが多いようだ。
「乞田・貝取ふれあい広場」の南側には乞田川が流れている。乞田川は川自体は護岸工事が施されて「川」の風情には欠けるが、河岸は桜並木になっており、その下を遊歩道が辿っている。春の花期には延々と続く桜並木の景色が美しく、初夏から夏にかけては緑濃く、木洩れ日を浴びながらの散策が楽しい。乞田川河畔の散策の途中に一休みを兼ねて立ち寄ってみるのもよいだろう。
乞田・貝取ふれあい広場