横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市港北区大倉山
−大倉山公園−
大倉山公園梅林
February 2015
大倉山公園梅林
大倉山公園の梅林は観梅の名所として広く知られている。梅が見頃となる時期には大勢の観梅客を集めて賑わう。東急東横線の駅からすぐ近くでありながら公園は緑濃く、谷戸地となった梅林は興趣に富んで美しい景観が楽しめる。
大倉山公園梅林

大倉山公園梅林
大倉山公園梅林の歴史は1931年(昭和6年)に始まったそうだ。園内に設置された梅林の由来を示す案内板によれば、東京急行電鉄が東横線開通直後に用地を買収して整備し、乗客誘致のために梅林として公開したのが始まりだという。当時は昔からのこの辺りの地名に因んで「太尾公園」と呼ばれ、駅名も「太尾駅」だったそうだが、1934年(昭和9年)に駅名が「大倉山駅」に改名され、同時に公園の名称も「大倉山公園」に改められたものという。

梅林の最盛期は昭和12年頃で、当時は白梅を中心に14種1,000本を越える規模であったらしい。第二次大戦中には燃料用のたきぎとして伐採され、また食料不足のためにイモ畑に転用されるなどしたらしいが、戦後昭和25年頃から昭和40年頃には、再び盛大に梅祭りが行われるなどして賑わったという。その後、施設の老朽化などが目立ってきた梅林を横浜市が東京急行電鉄から1987年(昭和62年)に買収、施設の整備や梅の木の増植などを行って現在に至っている。現在は面積1.1ヘクタールの敷地に紅梅白梅合わせて約32種200本が植えられているということだ。
大倉山公園梅林

大倉山公園梅林

大倉山公園梅林
東急東横線の大倉山駅を北に出て、線路沿いの坂道を綱島方面へと登り、大倉山記念館の傍らを抜けてゆくと、ひとやま越えるような感じで梅林に辿り着く。大倉山公園は丘陵に位置しているが、梅林はその中の谷戸地にあって周囲を閉ざされており、それが山里のような印象を伴っていてなかなか良い風情がある。梅林に降りて行き、散策路沿いに梅を楽しむのももちろん良いものだが、周囲の高みから見下ろす梅林の風情も素晴らしい。

梅の木にはそれぞれ品種の名を示すプレートが付けられており、特に品種などに興味がなくともついその名を確かめてしまう。なかなかの老木らしき梅も少なくなく、地を這うように幹を伸ばした梅や、端正な立ち姿で気品すら漂うような梅の木など、それぞれに見応えのある梅が立ち並んでいる。ゆっくりのんびりと一本一本を鑑賞しつつ歩きたい梅林だ。梅林内には池や四阿などもあり、トイレも設置してあるので、早春の一日をのんびりと過ごすことができる。

梅の名所として広く知られているだけあって観梅客も多い。お昼時にはお弁当を広げる人も少なくなく、大きなシートを広げて宴会を催すグループの姿もある。梅が見頃となる二月下旬の週末には「大倉山観梅会」が開催されてさらに大いに賑わう。園内の隅に設けられた特設のステージでは伝統芸能などが披露され、梅林内の一角では“野点”の会も催されているようだった。そうしたお祭りの賑わいが好きな人は「大倉山観梅会」に併せて訪れると楽しめるだろう。人混みが好きではないという人は時間を見つけて平日に訪れることをお勧めする。それでも観梅客は多いが、比較的静かに梅の花を楽しむことができるだろう。
大倉山公園梅林は東急東横線大倉山駅から至近で、(坂道を上らなくてはならないが)駅から徒歩数分で着く。来園には東急東横線を利用するのが便利だ。公園には駐車場はなく、車で来園した際には大倉山駅周辺の民間駐車場を利用しなくてはならないが、駐車場は少なく、規模の小さいものがほとんどだ。周辺は道も狭く、一方通行などもあるので、土地勘の無い人は車で来園するのは避けた方が賢明だ。

観梅のシーズンには梅林横の道脇に露店が少々出ているようだが、園内にはレストランなどはない。お弁当持参でない人は、大倉山駅の周辺のレストランやファーストフード店を利用してもよいし、駅を降りて梅林に向かう途中にテイクアウトのものを調達しても良いだろう。
大倉山公園梅林