横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市神奈川区反町
反町公園
Visited in October 2003
反町公園
横浜市神奈川区反町、神奈川区役所の南側に「反町公園」がある。公園のすぐ南側を東海道本線や京浜東北線などのJRの線路が通っているから、走る電車の車窓から公園を見たことのある人も多いだろう。この公園は、1949年(昭和24年)に日米貿易博覧会が行われた場所であるらしい。その後は市役所が建てられ、やがてそれも移転して、1963年(昭和38年)に反町公園となった。周囲は店舗や企業のビルが建ち並ぶ市街地だが、その中にあって比較的広い面積を有するのは、そういう生い立ちであるからなのだろう。
反町公園
公園は、ほぼ四角形の敷地を木立が囲んで広がっている。公園内は特に大きな起伏もなく平坦で、特に東側の半分は「おまつり広場」と名付けられた広いスペースが横たわっている。「おまつり広場」はその名が示すように、さまざまな地域のイベントの会場となるようだ。

「おまつり広場」の南端近くに管理所が置かれ、その西側には「おまつり広場」からは独立した広場がある。「自由広場」と名付けられているが、もっぱら地域のお年寄りがゲートボールを楽しむ場所になっているように思える。この日もゲートボールに熱中する方々の姿があった。

反町公園
「自由広場」の西側は木立の間に各種の遊具を配して「こどもの広場」が造られ、子どもたちの遊び場になっている。遊具は特筆するほど多くはなく、また特色のある遊具が置かれているわけでもないが、近辺に暮らす小さな子どもたちの遊び場としては必要充分といったところだろうか。適度に木立があるところがのんびりとした雰囲気をつくっていて穏やかな空気感に包まれているところがいい。こうした場所がたいていそうであるように、ここも小さな子どもたちとそのお母さんたちの社交場となっている印象で、子どもを遊ばせながら談笑するお母さんたちの姿があった。

「こどもの広場」の西側に「健康歩道」という設備がある。小石を埋め込んで固めた路面で造られた舗道で、この上を裸足で歩けば足裏の「ツボ」を刺激して健康増進に効果があるというものだ。慣れていないと足裏が痛いものだが、十分ほど歩くと効果があるらしい。この舗道には土足で入らないようにとの注意書きがあった。
反町公園
公園西半分の中央部には「森の噴水」という施設がある。池の中央部に石のオブジェが置かれ、そのオブジェから噴水が上がる。噴水はさらに池の外周部からも中央に向かって数本が噴き出し、空中に弧を描く水流が日の光を浴びて煌めく様子が美しい。噴水は常時出ているものではなく、一定の間隔を置いて噴出する。見ているとそのパターンも変わるようで、中央部のものだけだったり、そこに外周部からのものが加わったり、それぞれの噴出にも強弱がつけられ、見ていて飽きない。

池は人工的な造りであまり風情もなく、水もきれいとは言い難く、鯉が泳いでいたりするわけでもないのが少々残念なところだ。池の周りには取り囲むように随所にベンチが置かれ、腰を下ろしてのんびりとくつろぐ人の姿もある。「森の噴水」の西側はわずかに小高くなって木々が茂っている。その木々を背景に噴水を見ると、まさに「森の噴水」という感じがする。

「森の噴水」の北側には「いずみの広場」という設備があり、そこから「森の噴水」に向かって水路のようなものが造られている。どうやら「いずみの広場」から「森の噴水」の池へと水が流れる構造のようだが、訪れた日は水は流れていなかった。夏の間だけ水が流されて、子どもたちの水遊びの場所になるというものなのかもしれない。「いずみの広場」の周辺には花壇などもあり、木立に囲まれた穏やかな空間を成している。
反町公園
公園へは東神奈川駅から徒歩で十分足らずといったところか。周囲はビルの建ち並ぶ市街地だが、公園は適度な木々に囲まれて穏やかな印象がある。公園の南北を、町を挟むように大きな道路が抜けているが、両方とも国道1号線だ。北側の国道1号線沿いや駅側の町中には飲食店やコンビニエンスストアなども多い。公園の北東側、すなわち東神奈川駅側に神奈川区役所や神奈川スケートリンクなどが隣接している。トイレは公園内に三カ所ほど設置されている。公園の性格や設備の点から見ても近隣に暮らす人のための憩いの場としてのものであって、観光名所的な性格はないが、「神奈川宿歴史の道」の散策などの際に一休みに立ち寄るのもいいかもしれない。
【追記】
「神奈川スケートリンク」は1951年(昭和26年)に開業し、60年間に渡って親しまれてきたが、老朽化のために2014年(平成26年)に休館し、建て替えられた。新スケートリンクは横浜銀行が命名権を取得、「横浜銀行アイスアリーナ」として2015年(平成27年)12月にオープンした。
反町公園