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八王子市中野上町〜楢原町
浅川河岸
(鶴巻橋〜松枝橋)
November 2020
浅川河岸(鶴巻橋〜松枝橋)
秋晴れに恵まれた11月中旬、浅川の河岸を歩いてみたいと思ってバスに乗った。八王子市役所前から鶴巻橋を渡り、メタセコイア化石林などを見学しつつ、浅川左岸を上流側へ辿っていこう。
鶴巻橋から浅川上流側を見る
「八王子市役所」バス停を降りて北へ進めばすぐに鶴巻橋だ。鶴巻橋は北浅川と南浅川の合流点のすぐ下流側で浅川を跨いでいる。橋の上から見る河岸の風景が広々として抜群の開放感だ。空は秋晴れで雲一つ無い。まさに散策日和である。

橋本次郎作「松姫」
鶴巻橋には橋本次郎氏作による彫刻作品が野外展示されている。「松姫」や「由比の牧」など、どれも八王子に因んだものだ。彫刻というものにそれほど興味があるわけではないが、ひとつひとつ見てゆくのも楽しい。彫刻に興味のある人なら見逃せないものなのではないだろうか。

横川町住宅の向こうに見える富士山頂上
鶴巻橋を渡って浅川左岸側の堤防道を上流側へ歩いて行こう。浅川の対岸に目を向けると南浅川と尾合流点の向こうに横川町住宅が見えている。横川町住宅の建物の向こう、目を凝らすと山の稜線の上に富士山の頂上部が見えている。ここからも見えるのか、と、ちょっと新鮮な発見だった。

河川管理境界標
ちょうど南浅川と北浅川の合流点辺り、河岸に「河川管理境界」を示す標識が設けられている。これより下流側は国土交通省京浜河川事務所多摩出張所、上流側は東京都南多摩西部建設事務所の管理である旨が記されている。つまり合流点が管理境界で、下流側は国が、上流側は都が管理しているということだ。こうしたものに興味を覚える人は少ないと思うが、個人的には河岸散歩の際の注目アイテムである。

清川河川敷広場
南浅川と北浅川の少し上流側、河川敷を利用して広場が設けられている。広場のグラウンドでは草野球の試合が行われている。素敵な秋の休日の風景だ。

草野球を楽しむ人たちを見ながらさらに進もう。堤防道に植えられた桜もすっかり秋の装いだ。見上げると秋の青空を背景にした桜の紅葉が美しい。
浅川のメタセコイア化石
広場を過ぎた辺り、堤防道の道脇に「浅川のメタセコイア化石林」についての簡単な解説板が設置されている。「浅川のメタセコイア化石林」は以前見に来たことがあるが、せっかくだから今回も立ち寄っていこう。

「浅川のメタセコイア化石林」は1967年(昭和42年)に発見されたもので、170〜200万年前のメタセコイアの群生の跡だという。メタセコイアは150万年から200万年前くらいの時代に地表に繁茂していた樹木で、当初は絶滅した樹木だと思われていたが、1945年(昭和20年)に中国四川省で自生しているものが発見されている。現在では公園や街路で一般的に見ることのできる樹木だ。

浅川のメタセコイア化石
浅川の河川敷で見られるメタセコイア化石は、完全に化石化する前の炭化した状態であるらしい。河川敷を丹念に探していくと、それらしい化石を見つけることができる。以前来たときとはずいぶんと様子が違っているが、大雨などによる水流の影響で状態が変わってしまったのだろう。

この辺りの浅川の河原は泥岩の層が露出して独特の景観を見せている。まるで太古の地表を思わせる景色で、もしかしたらかつてメタセコイアが繁茂していた時代はこうした景色が広がっていたのかもしれないと思わせてくれる。こうした景観も浅川河岸散歩の楽しみのひとつと言っていい。
浅川の堤防道
「浅川のメタセコイア化石林」を堪能したら、また浅川河岸を上流側へ向かって進もう。すぐに中央自動車道をくぐる。河岸、北側には清川町の住宅地が広がっているが、進んでいくとやがて楢原町だ。

堤防道沿いの樹木が秋の色に染まり、日射しを浴びて美しく輝く。そんな景色を楽しみながら上流側へと歩く。楢原町に入って間もなく、堤防道を歩くことができなくなる。しばらく一般道路を辿っていくと、また河川敷に降りることができるようになった。

新松枝橋と仮橋
河川敷は開放感に富んで、歩いていても気持ちがいい。空には雲一つ無い。上流側へ歩いて行くと、やがて松枝橋だ。

松枝橋は2010年度(平成22年度)から架け替え工事が行われ、今年(2020年)5月に新しい松枝橋が通行できるようになった。新しい松枝橋は3径間連続鋼細幅桁橋、車道は幅員9m、両脇に幅員約3.5mの歩道が設けられている。新松枝橋のすぐ下流側に架かる橋は架け替え工事に伴って設置された仮橋だ。今はまだ新松枝橋と仮橋が並んでいるが、やがて仮橋は撤去されるだろう。

河岸の小径
松枝橋をくぐってさらに上流側に辿ると、河岸の藪の脇を細道が抜けている。覆い被さるように木々が茂って歩きにくそうだし、通り抜けることができるかどうかもわからないが、こんなときは好奇心を優先させるのが楽しい。行けるところまで行ってみたい。

細道は川沿いを辿り、やがて川を離れたと思ったらジブリ映画の「となりのトトロ」の一場面を思い起こすような“草木のトンネル”をくぐってゆく。ふいに河川敷の草むらを抜け出た。下川口公園の広場の脇に出たのだった。
下川口公園
下川口公園はちょうど楢原町と川口町の境に位置する公園だ。ここまで歩いた下流側部分は楢原町、この先の上流側は川口町になる。

さらに上流側に辿っていきたい気もするが、鶴巻橋からここまで3km弱、ちょうど良い距離だろう。近くのバス停で八王子駅行きのバスを待ってもいいが、河岸を離れて住宅地の中を辿って鶴巻橋の辺りまで戻るのも楽しそうだ。
楢葉町
下川口公園から高尾街道まで戻り、新しい松枝橋を眺め、楢原斎場の横を抜けて浅川下流側へ向かおう。

道脇には畑地があったり工場らしい建物があったり、住宅地だったり樹林地だったり、さまざまな風景があって楽しい。
清川2号公園
東へ辿り、楢原小学校の横を抜け、さらに進んで中央自動車道の下をくぐる辺りで楢原町から清川町に入る。清川町は整然とした住宅街だ。

その住宅街の中に清川2号公園という小さな公園がある。面積1500平方メートルにも満たない小さな街区公園だが、紅葉が素晴らしい。園内に植えられたイチョウやケヤキ、外縁部のドウダンツツジの植え込みなどが美しく秋の色に染まっている。見事な景色である。園内には近所の家族らしい子ども連れが遊んでいるが、紅葉を目当てに訪れたらしい人の姿はない。
浅川河岸
清川2号公園の紅葉を堪能したら、そろそろ浅川河岸へ戻ろう。清川2号公園から河岸へ出ると、ちょうどメタセコイア化石林のある辺りだ。河川敷のグラウンドではすでに野球の試合も終わっている。静かな秋の昼下がりである。

人の姿の無い河川敷でのんびりとしたひとときを楽しんだら、そろそろ鶴巻橋を渡り、「八王子市役所」バス停で八王子駅行きのバスを待とう。
浅川河岸(鶴巻橋〜松枝橋)
以前から鶴巻橋から上流側へ、北浅川の河岸を歩いてみたいと思っていた。ようやく機会を見つけて歩くことができた。抜けるような秋空に恵まれ、爽やかな散策を楽しむことができた。次のには松枝橋の上流側へも歩いてみたい。
浅川河岸(鶴巻橋〜松枝橋)