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横浜線古淵駅は1988年(昭和63年)3月に開業した。横浜線の中では新しい駅と言っていい。駅の開業以降、駅周辺は商業施設が建ち並んで急激に市街化したが、少し足を延ばせばは古い時代の面影を残す風景を探すこともできる。秋晴れの11月中旬、古淵駅の周辺を歩いた。 |
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この付近では横浜線の線路は台地となった地面より一段下を「切り通し」の形で通っており、それを跨いで駅舎と駅前ロータリーがある。ロータリーではタクシーが客を待ち、周辺にはコンビニエンスストアや飲食店などが並んでいる。
記念碑の傍らには先端にオブジェを取り付けたポールのような形状のモニュメントがある。「時のスケッチ」と題されており、自然のサイクルを表現したものであるらしい。「弧」をモチーフにした幾何学的デザインの中に樹木や鳥の姿が取り込まれ、なかなか印象深い造形だ。このモニュメントや記念碑は造形作家の鈴木尚和によるものという。鈴木尚和は1958年生まれで、多摩美大を卒業、1980年代の終わり頃から造形作家として活動を初め、公園やホール、駅前などに設置される数々のモニュメントを手がけている。 |
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歩道橋は「こもれびの橋」と名付けられている。この西南側に広がる大野台と西大沼の街区には貴重な平地林が残っており、それらを「木もれびの森」と名付けて市が整備保存を行っている。歩道橋の「こもれびの橋」のネーミングは、おそらくここからの由来に違いない。交差点から少し南へ入り込むと相模緑道緑地が延びており、それを辿れば相模原中央緑地へ至る。相模原中央緑地が「木もれびの森」の中心と言っていいだろう。平地に広がる緑濃い林の佇まいはなかなか魅力的で、ひとときの散策には良いところだ。 |
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そうした様子を楽しみながら歩いていると道が緩やかに下り坂になり、三叉路に出た。三叉路の角に「かわじま坂」を示す地名標柱が建っている。添えられた説明に依れば、「昔、島のような地形だったから」このような名があるのだという。坂を西へ下りると境川の河畔だ。坂を東に下りてゆけば道脇には鬱蒼と木々が茂っている。民家の敷地内に茂る木々のようだ。相模原市の保存樹木に指定されている大木の姿もある。道脇の家々も、その敷地内に茂る木々も、古い時代からの姿をそのままに保っているのだろう。まるで時の流れを封じ込めたような景観が道の両側に広がっている。 |
鹿嶋神社の東側には隣接するように大日堂が建っている。こちらも相模原市と相模原市観光協会による説明板が設置されている。説明によればもともとは南側の崖下にあったお堂を江戸時代に移したものらしい。地域の人々の口承に伝えられる由来に依れば、南北朝時代の建武2年(1335年)、北条時行と足利直義による「井出の沢の合戦」がこの地で起こり、その戦死者を供養するために建立されたものという。 |
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古淵駅の周辺から国道16号にかけては商業施設が建ち並び、「新しい街」という佇まいだが、古淵一丁目の境川河岸に近い辺りには鹿嶋神社や大日堂が建ち、鬱蒼とした木々に包まれた坂道にも古い時代を彷彿とさせる風情があって散策も楽しい。次の機会には違う季節を選んでみたい。 |

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