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八王子市の片倉町から町田市の相原町まで、横浜線に沿うように一本の道が通っている。途中、現在では「みなみ野シティ」の開発によってかなり様相が変わってしまったが、市境を中心とした付近はまだまだのどかな山里の風景が残っている。秋のある日、横浜線の相原駅に降り立ち、その道を八王子みなみ野駅を目指して歩いてみた。 |
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写真にとらえた姿では実感し難いが、なかなかの高さがあるのだ。カメラを構えてもその姿が収まりきれず、道路の反対側まで下がってレンズを向けるのだが、今度は電線が邪魔をしてなかなかうまく構図が見つけられない。あちこち動いてようやく撮影を済ませ、ふとふりかえると、学校の送迎バスを待つ造形大の学生が興味深そうにこちらを眺めているのだった。ちょっと気恥ずかしい思いをしながら早々にその場を後にしたが、やがて線路脇の道路を歩く横を学生達を乗せたバスが追い越していった。 |
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八王子市に入ってすぐ、左手に東京造形大学がある。「よくもまぁ、こんな山の中に」と思うような立地なのだが、12,000平方メートルの敷地面積なのだそうだ。道路沿いからは入口付近しか見ることはできないが、地図の上で見ると奥に広く、さまざまな施設が整っているようだ。住所は八王子市になるが、相原駅から歩いて15分ほどの距離だ。学生用の送迎バスも相原駅との間を往復しているようだが、「若いんだから歩きなさい」と思ってしまうのだった。 |
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道は車の通行量もそれほど多くはなく、のんびりと歩くことができる。途中、道を外れて畑の中へ続く小道へ入り込んでみたり、小さなせせらぎに目を凝らしてみたり、その気になればいくらでも小さな発見がある。トンネル部分では道から離れていた横浜線の線路もやがてすぐ横に寄り添うほどに近づき、時折、通り過ぎて行く電車の姿が見える。何とものどかな風景だが、やがていつかはこの辺りもニュータウンの中に飲み込まれてしまうのだろうか。 |
これらの寺の周囲には真新しい墓所が目立つが、これは宇津貫に点在していた私有墓地を「みなみ野シティ」の開発に伴って移転改葬したものであるようだ。「七面様」の境内の一角には「宇津貫私有墓地移転対策委員会」の名で碑があり、昭和61年から平成4年の期間に移転改葬が行われたのだと記されている。 |
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その道路の横、福昌寺の北側に雑木林があるが、そこは熊野神社だ。石段入口の鳥居の前に立ってふりかえると、「みなみ野シティ」の造成地や「八王子みなみ野駅」などもよく見える。信号機の向こう、造成地の中の孤島のようにこんもりとした丘が見えるが、それが宇津貫毘沙門天だ。樹齢300年のスダジイの木がある。ぜひ立ち寄ってみたいお勧めの場所だが、周囲が造成中の現在は近づきにくいのが難点だ。 信号が変わるのを待って、新しい道路を横切ってさらに進むと、そこはすでに新しい風景に変わってしまっている。昔ながらののどかな山里の風景はわずかにその名残を感じるだけだ。その向こうに、「八王子みなみ野駅」の現代的な造形の駅舎が見えるのだった。 |
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相原駅から八王子みなみ野駅まで、車で走ればわずかな距離だ。決して広くはない道路は車で走る時にはかなり慎重な運転を強いられ、周囲の景色を見る余裕もない。ゆっくりと時間をかけて歩いてみれば、車の中からは決して見えない何かがきっと見つかるだろう。 |

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