埼玉県本庄市の中心市街の一角に旧本庄商業銀行煉瓦倉庫という建物がある。1896年(明治29年)に建てられた貴重な建築物で、国登録有形文化財だ。一月半ば、旧本庄商業銀行煉瓦倉庫を訪ねた。
本庄レンガ倉庫
埼玉県本庄市の中心市街の一角、本庄駅の北西側に旧本庄商業銀行煉瓦倉庫という建物が残されている。その名を見れば一目瞭然だが、明治期に本庄商業銀行の倉庫として建てられたもので、国登録有形文化財である。

現在は「本庄レンガ倉庫」の愛称で呼ばれ、市民の交流活動などに使用されている。一階フロアには旧本庄商業銀行煉瓦倉庫の解説や当時の社会背景などを記したパネル展示も行われており、観光客の立場でも充分に楽しめる。
本庄レンガ倉庫
本庄はそもそも中山道の宿場として栄えていたところだが、幕末からは繭の集散地として繁栄した。1883年(明治16年)には日本鉄道の本庄駅が開業、本庄は絹産業の町としてさらに発展する。

ちなみに日本鉄道は日本初の民営鉄道(私鉄)で、現在の東北本線や高崎線、常磐線といった路線を建設、運営していたが、1906年(明治39年)に国有化されている。
本庄レンガ倉庫
その本庄に1894年(明治27年)、本庄商業銀行が開業する。本庄商業銀行は本庄の絹産業を経済面で支えた銀行で、融資の担保となった大量の繭を保管するために建てられたのがこの煉瓦倉庫である。建てられたのは1896年(明治29年)、当時の本庄を繁栄を今に伝える貴重な建築物だと言っていい。
本庄レンガ倉庫
旧本庄商業銀行煉瓦倉庫は寄棟瓦葺二階建ての煉瓦造、渋沢栄一らが設立した深谷市の日本煉瓦製造株式会社製の煉瓦が約64,000個、用いられているという。内部は木組みのキングポストトラス構造で屋根を支え、柱のない大空間を確保している。湿気に弱い繭を大量に保管するため、鉄扉を備えた窓には漆喰板戸や網戸が設置され、さらに床下にも通気口が設けられるなど、通気性が配慮されている。
本庄レンガ倉庫
現在の旧本庄商業銀行煉瓦倉庫は約2年間をかけた耐震補強工事を終え、2017年(平成29年)4月1日に新たな交流施設としてリニューアルオープンしたもので、「本庄レンガ倉庫」の愛称で呼ばれている。1階フロアは交流・展示スペース、2階は多目的ホールとして活用されている。

1階の展示スペースには建物に関する資料や、本庄の養蚕業や絹産業などの歴史に関する資料などが展示されており、興味深く見学していくことができる。
本庄レンガ倉庫
もちろん旧本庄商業銀行煉瓦倉庫の最大の魅力は、その建物そのものだと言っていい。煉瓦造りの建物はレトロな風情を漂わせ、明治期の建築物の魅力を存分に味わうことができる。内部を見学した後は、外観もじっくりと見ておきたい。それほど巨大な建物というわけではないが、歴史の風格というのか、堂々とした佇まいだ。窓枠の造作など、細かな部分にも注目して見学しておきたい。
本庄レンガ倉庫
旧本庄商業銀行煉瓦倉庫は明治期の建築物に興味のある人なら必見の建物だろう。近代の歴史に興味のある人なら本庄の絹産業の歴史にも思いを馳せておきたい。1階フロアは休憩所としての役割も担っており、また係の方が常駐されていて、いろいろとお話をうかがうこともできる。本庄の町散策の際にはぜひ立ち寄っておきたい施設だ。
本庄レンガ倉庫
本庄レンガ倉庫
本庄レンガ倉庫
参考情報
交通
本庄レンガ倉庫はJR高崎線本庄駅が最寄りだ。駅北口から800mほど、15分ほど歩けば着く。

本庄レンガ倉庫には14台分の駐車場が用意されており、車での来館も可能だ。本庄レンガ倉庫の駐車場が満車の場合は、駅周辺に点在するコインパーキングを利用しよう。

遠方から車で訪れる場合は、関越自動車道本庄児玉ICを利用するのが便利だ。ICから本庄レンガ倉庫まで約3.5kmだ。ICを本庄市街方面へと出て、国道462号を北上、高崎線の線路をオーヴァーパスで越えて「千代田3丁目」交差点を右折、交差点から700mほどで着く。

飲食
本庄レンガ倉庫周辺には飲食店は見当たらないが、駅に近づけばいろいろと点在している。気に入った店を見つけて食事を楽しもう。
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