日南線の旅〜踏切の風景
宇都踏切
宇都踏切
串間市奈留、榎原駅日向大束駅との間に設けられた宇都(うと)踏切だ。国道220号とJR日南線とが寄り添って山間部を抜けてゆくところで、踏切も国道のすぐ脇にある。踏切を越えてゆく道は農道で、車一台がようやく通れるほどの幅しかない。国道から踏切を渡った先は山々に囲まれた谷、関東で言うところの“谷戸”となった地形で、踏切を越えてゆく道はもちろんどこかへ通じる主要道というわけではない。だから踏切も、その先の農地へ行き帰りする地元の人の軽トラックなどが利用するだけだろう。踏切の国道側は舗装されているが、山側は未舗装で、車の轍が刻まれている。
宇都踏切
踏切の傍らには踏切を示す標識が立ち、その横に大型車通行不可を示す標識が並んでいる。さらに「通行危険」と記された注意書きも立てられている。「通行危険」の横には赤字で「あぶない!」とも添えられている。宇都踏切には遮断機はない。警報機さえもない。だから踏切を通行するときには、自分の目と耳で、列車が接近していないことを確認しなくてはならない。便数の少ない日南線だが、たかをくくって確認を怠ると事故になりかねない。確かに「通行危険」である。
宇都踏切
踏切にも線路にも夏草が生い茂っている。まるで廃線になった線路のようだ。踏切を渡ってゆく車も人も無く、列車が近づく気配もない。静かに時が流れる、夏の宇都踏切である。
宇都踏切
INFORMATION
宇都(うと)踏切
【所】串間市奈留河原田80
このWEBページは「日南海岸散歩」内「日南線の旅」カテゴリーのコンテンツです。
ページ内の写真は2013年夏に撮影したものです。本文は2014年2月に作成しました。