横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市緑区寺山町
−四季の森公園−
彼岸花の咲く四季の森公園
Visited in September 2024
彼岸花の咲く四季の森公園
九月の下旬、四季の森公園に彼岸花が咲く。数はそれほど多くはないが、里山の面影を残す風景に似合って良い風情だ。ようやく夏の暑さが退いて秋の気配が漂う時期、彼岸花を探しながらの散策は楽しい。
彼岸花の咲く四季の森公園 「北口」から公園に入り、池を正面に見ながら左手へと進んだ「螢川橋」周辺、散策路脇から水辺へと落ちる斜面に彼岸花の咲く姿がある。今回訪れたときは白花の彼岸花が多かったが、時期が違えば赤花の彼岸花も多くなるのかもしれない。

緑の中に浮かぶように咲く紅白の彼岸花の鮮やかな色彩はたいへんに美しく、あちらこちらと見る場所を変えて表情の違いを楽しみたくなる。斜面に咲いているからあまり間近に見ることはできず、散策路の端から見下ろすように少し離れて眺めることになるが、それはそれで興趣のあるものだ。
彼岸花の咲く四季の森公園 池の脇を南へ進んだ「しょうぶ圓」の周辺にも紅白の彼岸花が咲いている。蛍川橋周辺に比べれば数が少ないが、間近に見ることのできる花もあり、花のクローズアップの写真を撮りたい人などには好都合だろう。

菖蒲田そのものは殺風景な風景だが、菖蒲田の縁にぽつりぽつりと咲く姿が初秋の風情を漂わせて興趣に富んだ風景だ。「しょうぶ園」の北側部分には白花の彼岸花が咲いている。これもそれほど数は多くないが、園路脇に並んで咲く姿が美しい。
彼岸花の咲く四季の森公園 「しょうぶ園」の北側周辺から「あし原湿原」の木道脇にかけて、ツリフネソウの群落がある。ツリフネソウは「吊舟草」、あるいは「釣舟草」などと書く。花の形が帆掛け船を吊り下げたように見えるというので、この名がある。ホウセンカの仲間で、花期は9〜10月、ちょうど彼岸花の咲く時季に花を咲かせているところを見ることが多い。

ツリフネソウは薄暗い湿地を好む植物で、「しょうぶ園」周辺から「あし原湿原」の環境が適しているのだろう。数多くのツリフネソウが花を咲かせていた。薄紫の花が彼岸花とは違った風情を漂わせている。ツリフネソウの花もぜひ見ておきたい。
彼岸花の咲く四季の森公園 彼岸花の咲く季節に四季の森公園を訪ねたなら、園内東側に位置する「清水の谷」に咲く彼岸花を見逃すわけにはいかない。「清水の谷」はその名のように尾根筋に挟まれた谷戸の地形で、水田が横たわっている。水田は近くの小学校の体験学習などに使用されている。この水田脇に数多くの彼岸花が咲く。

彼岸花は水田と水田脇の園路との間に並び、さらに水田の畦にも咲いている。水田では植えられた稲がそろそろ実りの季節を迎え、稲穂が黄金に色づき始めている。その景観に彼岸花がよく似合う。園路脇には赤花の彼岸花が並んでいるが、田圃の畦には白花の彼岸花も多く、それぞれに風趣に富んだ景観を見せている。美しい景観だ。
彼岸花の咲く四季の森公園
四季の森公園は広大な公園で、園内をくまなく回ろうとすると相応の時間が必要だ。彼岸花を目当てに訪れたのであれば、螢川橋から「しょうぶ園」周辺、そして「清水の谷」を巡れば充分に楽しめるだろう。彼岸花の見頃の時期はその年の気候などによって違う。神奈川県公園協会による公式サイトなどで開花状況を確認してから出かけるのがお勧めだ。
彼岸花の咲く四季の森公園
彼岸花の咲く四季の森公園
彼岸花の咲く四季の森公園
彼岸花の咲く四季の森公園