佳景探訪
相模三川公園
神奈川県海老名市の北西部、相模川の河畔に相模三川公園がある。相模川、中津川、小鮎川の三つの川の合流点の近くに造られたことから名付けられたものという。相模川河畔の立地を活かした開放感に溢れる公園だ。夏も終わりに近づいた八月の末、相模三川公園を訪ねた。



相模三川公園

相模三川公園

相模三川公園

相模三川公園
相模川、中津川、小鮎川の三つの川の合流点近くに造られたことから「相模三川公園」という名称になったそうだが、残念ながら公園はその合流点に面しているわけではなく、“三つの川の合流点”のやや上流部に位置している。その代わりというわけではないが、公園内には鳩川が流れており、実際には相模川と鳩川の合流点に位置した公園ということになる。

公園は神奈川県海老名市の北西端近く、相模川左岸に面して南北に長く延びている形だ。ちょうど鳩川が相模川に合流する地点の上流部で、相模川と鳩川に挟まれた土地を中心に、一部鳩川左岸も含めて公園が造られている。2004年(平成16年)に一部が開園した後、2007年(平成19年)に広げられ、2009年8月現在で12haほどの面積を有する。12haというとなかなかの広さだが、公園の大部分は相模川河岸に設けられたグラウンドが占めており、体感的にはそれほど広大な公園という印象はない。それでも相模川河畔の立地ということで周囲に視界が開け、開放感に富んでおり、その広々とした風景が最大の魅力と言えるかもしれない。

公園の中心部は鳩川の両岸に広がる一角で、さまざまな施設が設けられている。鳩川左岸側には駐車場や子どもたちのための大型遊具などが設置され、鳩川右岸側にはパークセンターがあり、「夕焼けの丘」と名付けられた小高い丘が造られている。鳩川の両岸は「さくら橋」という名の人道橋で結ばれ、その橋下の鳩川は親水施設として整備されている。「さくら橋」の下流側は現在は公園の区域外だが、いずれは公園の一部として整備される計画のようだ。


相模三川公園

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相模三川公園
鳩川左岸側、駐車場北側の区画は大型遊具などを設置した子どもたちのためのスペースだ。この大型遊具、「わくわくランド」と名付けられており、なかなか巨大で凝った造りだ。遊具は円を二つ繋いだ形を基本的な造形のモチーフにして全体が造られ、その中にさまざまな遊具施設が設けられている。遊具脇には遊具の構成と名称を解説したパネルが設置されているが、それによれば大型遊具の中に23種の遊具が組み込まれているという。これほどの規模の大型遊具はなかなか類例がない。

「サンダーボルトスライダー」は“ぐるぐる巻きのトンネルスライダー”、「ジェットローラースライダー」はローラーによるロング・スライダーだ。ネットを登って遊ぶ「ネットクライム」やネットでできた吊り橋を渡って遊ぶ「ネットわたり」といったものもある。「ネットフロアー」はネットでできたデッキで、ふわふわとした感触を楽しむ遊具だそうだ。太いロープとネットで造られた吊り橋「V字吊り橋」やゴムの上を渡って遊ぶ「ゴムわたり」などもある。他にも壁を登って遊ぶ遊具や丸太の階段など、さまざまに工夫された遊具類が組み込まれている。もちろん子どもたちは夢中になって遊んでいる。
相模三川公園
大型遊具の脇には「水遊び広場」と名付けられた一角がある。何の凹凸もなく、一見すると多角形のデザインが施されただけのスペースのようにも見えるが、実は噴水が組み込まれており、決められた時間になると地面から噴水が出てくる仕掛けだ。噴水は細かな噴霧上で、近くにいると風に乗って水飛沫が届いて涼やかだ。子どもたちはもちろんその霧状の噴水に近寄って、あるいはその中に入って遊んでいる。中に入るときには水着に着替えた方が良さそうだ。


相模三川公園

相模三川公園
大型遊具の設置された一角、外縁部には百日紅の木が植栽されており、訪れた八月の末、花の盛りだった。真っ赤な百日紅や薄紅色の百日紅が、太陽を目指すかのように枝を伸ばし、その先に花をつけて夏の日差しを浴びている。数はそれほど多くはないが、夏の風景の中でひときわ鮮やかだ。百日紅はその名のように七月末頃から九月まで花を咲かせる樹木だが、やはり夏の終わり頃が一番の見頃だ。そろそろ漂い始めた夏の終わりの気配に、百日紅はよく似合う。公園が比較的新しいからか、百日紅の木もまだ小さいが、年月を経れば大きく育って見応えのある景観を見せてくれることだろう。


相模三川公園

相模三川公園
鳩川左岸側の堤防道は桜並木だ。公園が整備される以前から桜の名所として知られていたところで、並木は公園の範囲外まで伸びている。昔からの並木らしく、木はどれも古く大きい。この季節は緑濃く葉を茂らせ、堤防道に木陰を落としてくれている。堤防道を歩けば木漏れ日が美しい。

堤防道と鳩川との間には堤防道から一段下がって遊歩道が設けられており、「鳩川遊歩道」の名がある。“遊歩道”とは言ってもけっこう広く、木製のベンチ付きテーブルもいくつか設置されている。春にはお花見の人たちで賑わうところだが、夏は木陰になるのが嬉しい。お弁当を広げるにも絶好の場所だ。


相模三川公園

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大型遊具の設置された一角から「さくら橋」が鳩川を跨いで鳩川の右岸側、鳩川と相模川に挟まれた区画へと繋いでいる。その「さくら橋」の上流側の下、鳩川まで降りて行けるようにスロープが設けられ、親水施設として整備されている。まだまだ暑い夏の盛り、水遊びを楽しむ子どもたちで賑わっている。

鳩川の流れはもちろん整備の手が加えられたもので、昔のままというわけではないはずだが、対岸には草が茂り、樹木が水面に木陰を落とし、自然のままの川であるかのような様相なのがいい。流れる水もきれいで、子どもたちは川遊びの楽しみを充分に味わうことができるだろう。涼やかな水の流れに誘われてか、見守る親の中には裾をまくって流れの中に入っている人もある。子どもの頃の川遊びを思い出す人もあるかもしれない。暑い盛りに水に入るのは大人でも楽しい。


相模三川公園

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相模川と鳩川とに挟まれた区画は広々とした開放感が何よりの魅力だ。中心となる部分には「夕焼けの丘」と名付けられた小高い丘が設けられており、石畳の遊歩道が螺旋を描いて頂上部へと登っている。頂上部からは周囲に視界が開けて相模川河畔の眺望が広がる。特に西方に向けての風景が見事で、眼下を流れる相模川の流れや遥かな山並みの稜線などが視界に収まり、吹き渡る風も涼やかで爽快な気分だ。その名が示すように夕暮れ時になれば美しい夕焼けを楽しむことができるのだろう。

「夕焼けの丘」の周囲は草はらになっており、ところどころに樹木が木陰を落とし、四阿やベンチなども置かれている。川風を感じながらのんびりと散策を楽しんだり、シートを広げてアウトドアランチを楽しむにも絶好のロケーションだ。「夕焼けの丘」の北側にはパークセンターがある。パークセンターには管理事務所が置かれている他、相模川の自然に関する展示スペースも設けられている。もちろん休憩所としても使える。公園に訪れたときには一度は立ち寄っておきたい。
追記 2011年4月に訪れたとき、「夕焼けの丘」の周囲の草はらだったところを利用して芝桜が植えられ、美しい景観を見せていた。

「夕焼けの丘」の西側、相模川の河岸部分は「風の広場」との名があるが、2009年8月現在では「未開園区域」となっている。その北側には「自由広場」がある。脇の方に樹木が一本立っている以外には何もない草はらの広場で、子どもたちが駆け回るのに良いところだろう。木陰にシートを広げてのランチタイムも楽しそうだ。「自由広場」の北側には相模川河岸に沿って「多目的グラウンド」、「少年軟式野球場兼ソフトボール場」、「軟式野球場」などが並ぶ。建物などがないため、広々とした風景が印象的だ。


相模三川公園

相模三川公園
相模三川公園は、その面積のうちの大部分をグラウンドが占めているため、一般的な来園者にとっての“公園”部分はそれほど広大というわけではない。しかし相模川河岸という立地によって開放感溢れる視界が広がり、広々とした公園という印象を受ける。その開放感、相模川に面した立地が何よりの魅力だろうと思える。子どもたちにとっては大型遊具や鳩川での川遊びが何と言っても楽しいものに違いない。家族連れでピクニック気分で訪れるのに絶好の公園と言えるのではないだろうか。

参考情報
本欄の内容は相模三川公園関連ページ共通です
交通

相模三川公園へ電車で訪れる場合にはJR相模線、相模鉄道線、小田急線それぞれの「海老名駅」が最寄りだ。駅から西へ向かい、徒歩20分ほどで公園に着く。

公園には無料駐車場が設けられており、車での来訪も便利だ。駐車台数は100台分ほどで、充分とは言えないのが難点か。桜の季節や行楽シーズンには満車状態が続くので余裕を持って出かけた方がいい。メインの駐車場とは別にスポーツ広場の駐車場も設けられており、こちらは駐車台数は80台分ほどだが、臨時駐車場もあるようだ。場所が公園のスポーツ広場北端部にあり、公園のメインの施設まで少しばかり距離があるので留意されたい。駐車場への道筋などは相模三川公園公式サイト(「関連するウェブサイト」欄のリンク先)の「交通案内」を参照されたい。

飲食

公園内にドリンク類の自動販売機はあるが、レストランや売店などはなく、近くにも飲食店はない。お弁当を持って出かけよう。シートを広げてアウトドアランチを楽しむのに絶好の公園だ。

メインの駐車場から東へ200メートルほど行くと県道51号線だが、その交差点の角にコンビニエンスストアが建っている。お弁当を持参してこなかった人はここで調達してもいいだろう。公園内には駐車場横や「夕焼けの丘」脇などにドリンク類の自動販売機が設置され、また遊具の置かれた広場の脇にはアイスクリームの自動販売機もあった。

周辺

相模三川公園の南に有鹿神社という神社が建っている。相模国最古の神社だそうだ。公園入口から数百メートルほどの距離だ。併せて訪ねてみるといい。相模川河岸を南へと散策の足を延ばし、公園の名の由来となった相模川、中津川、小鮎川の合流点を見に行くのも一興かもしれない。
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