東京都港区、「外苑西通り」が白金台を抜ける区間は「プラチナ通り」とも呼ばれる。「プラチナ通り」はイチョウの並木だ。晩秋には美しい黄葉に染まる。十二月上旬、黄葉の「プラチナ通り」を歩いた。
黄葉の白金台プラチナ通り
黄葉の白金台プラチナ通り
東京都新宿区と品川区を繋ぐ都道418号(北品川四谷線)のうち、新宿区の「四谷4丁目」交差点から渋谷区の「白金台」交差点までの区間には「外苑西通り」の通称が設けられている。「外苑西通り」は、その名が示すように明治神宮外苑の西側を抜けてほぼ南北に延びている。この「外苑西通り」の南端部分、「白金6丁目」交差点から「白金台」交差点までの区間、すなわち白金台の町を抜ける区間は特に「プラチナ通り」と呼ばれることがある。金属の「白金(はっきん、元素記号はPt)」がすなわち「プラチナ」であることからのネーミングなのだろう。地名の「白金」は「プラチナ」とは本来何の関係もないが、「プラチナ」の語感が高級なイメージを誘い、お洒落な店が建ち並ぶ街の佇まいに似合ったのだろう。
黄葉の白金台プラチナ通り
黄葉の白金台プラチナ通り
黄葉の白金台プラチナ通り
この「プラチナ通り」はイチョウの並木になっており、晩秋には“白金”ならぬ“黄金色”に染まって街路を彩る。イチョウの木はどれもなかなか大きい。円錐状の樹形が立ち並び、日を浴びて輝く景観がとても美しい。歩道を歩けば木漏れ日もまた黄金色に染まって美しい街路をさらに美しく染め上げる。「プラチナ通り」にはカフェやレストラン、ファッション関係のお店など、お洒落なお店が点在し、それらの店先の様子を見て歩くのも楽しい。お店以外でも凝った意匠の建物が多く、そうした建築物と黄葉したイチョウとの取り合わせは都市の景観美をいうものを感じさせてくれる。

白金台は「台」の文字が付いていることからもわかるが、小高い台地上の地形で、「プラチナ通り」を「白金台」交差点から北へ辿ってゆくとやがて緩やかに下り坂になる。「白金台」交差点近くではほぼ直線で延びた通りは下り坂にさしかかる辺りでわずかに曲がって「白金6丁目」交差点へと降りてゆく。その緩やかなカーヴと勾配とが単調になりがちな並木道に表情を与えてくれるのがいい。

黄葉のイチョウ並木を遠景に望むのも美しく、澄んだ秋空を背景に見上げるのも美しい。道沿いに建つお洒落な意匠の建物と黄葉のイチョウ並木とが織りなす都会の風景を楽しみながらのんびりと歩けば、この季節の街歩きの愉しみを充分に味わうことができる。「プラチナ通り」に並ぶお店は来訪者にとっては少しばかり敷居が高いようにも感じるが、地元の人のような顔をしてどこかのカフェでティータイムを楽しむのもいいかもしれない。
参考情報
交通
「プラチナ通り」へは都営地下鉄三田線白金台駅、東京メトロ南北線白金台駅が至近で、駅から目黒通りを西へ100メートルほど行けば白金台交差点だ。JR山手線目黒駅、東急目黒線目黒駅からも近く、白金台交差点まで徒歩で十分ほどだろうか。

「プラチナ通り」沿いや目黒通り沿いに民間の時間貸し駐車場が点在しているがあまり多くはない。目黒駅周辺にも駐車場が点在しており、車で来訪する際にはそれらを利用するのもいいが、車での来訪はあまりお勧めしない。

飲食
「プラチナ通り」沿いにはお洒落なレストランが点在している。好みに応じてお店を選んでランチタイムを楽しむのがお勧めだ。もちろん目黒駅周辺にも飲食店が多く、そちらで食事を楽しむのも悪くない。

「プラチナ通り」は都心の街路で、基本的にのんびりとアウトドアランチを楽しめるような場所はない。白金台交差点から西へ200メートルほど行くと東京都庭園美術館が建っている。入園料を支払わなくてはならないが、東京都庭園美術館の庭園でのアウトドアランチはなかなかお勧めだ。

周辺
白金台交差点から西へ200メートルほど辿れば国立科学博物館附属自然教育園と東京都庭園美術館の入口が並ぶ。国立科学博物館附属自然教育園には都心とは思えないほどの自然が残されている。東京都庭園美術館は旧朝香宮邸を美術館としたもので、庭園を附属している。特に日本庭園はモミジの紅葉が見事だ。併せて散策を楽しむのがお薦めだ。
紅葉散歩
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