東京都昭島市の西端、多摩川の河岸に「水鳥公園」という昭島市立の公園がある。広場があるだけの小さな公園だが、多摩川の河岸という立地がよく、堤防道を辿っての散策も楽しい。夏の盛りの八月初め、水鳥公園を訪ねた。
水鳥公園と多摩川
水鳥公園と多摩川
水鳥公園は多摩川の河岸、多摩川に秋川が合流する辺りに位置している。水鳥公園は昭島市の西端部にあたり、北側の福生市、北西側のあきる野市、南西側の八王子市と、四市の市境がこの辺りで複雑に入り組んでいる。

水鳥公園は小さな公園だ。河岸に広場があり、簡易トイレが設けてあるだけで、特筆するような設備は何もない。広場の脇を抜ける舗装された散策路は、そのまま下流側へ堤防道となって続く。堤防道を辿れば視界の開けた河岸の風景が美しい。堤防道の脇には畑地がある。この畑地は公園の一部なのだろうか、それとも私有地なのだろうか。そもそもどこまでが公園の範囲内なのかも判然としない。しかしそれはどうでもいいことかもしれない。眼前の多摩川はすいぶんと広い。この辺りはちょうど秋川との合流点で、そのために特に広いのだ。広々とした河岸の風景は爽快そのものだ。河原に吹き渡る風を感じながらのんびりと歩こう。
水鳥公園と多摩川
水鳥公園と多摩川
少し下流側に歩くと堰がある。地図で確認すると多摩川と秋川との合流点のすぐ下流側に設けられているようだ。コンクリートの堤体が多摩川の流れを堰き止め、満々と水を湛えている。堰の付近にはちらほらと人の姿がある。岸辺で釣り糸を垂れているのは鮎釣りの人だろうか。堰は立入禁止なのだが堤体の上で日光浴を楽しんでいる人の姿もある。堤体によって繋がれた対岸は八王子市高月町、田園風景の向こうには緑濃い丘が横たわっている。

さらに少し下流側に歩いてみた。堤防道の横には木立が茂り、多摩川と木々に挟まれて延びる堤防道を歩くのはとても気分がいい。堤防道は自転車で行き過ぎる人の姿が少なくない。多摩川の河岸に沿ってサイクリングを楽しんでいるのだろう。堤防道はどこまで続いているのだろう。拝島橋の辺りまで堤防道を辿って行くことができるのだろうか。それを確かめるのはまた次の機会にしよう。
水鳥公園と多摩川
水鳥公園と多摩川
九ヶ村用水取水口跡
水鳥公園広場脇に「九ヶ村用水取水口跡」の遺構がある。2005年(平成17年)に設置された昭島市教育委員会による解説版に依れば、江戸時代以来、昭島市と立川市の水田に使われた九ヶ村用水の取水口跡であるという。現在残っている樋管は1911年(明治44年)に築造されたものという。昭和の初めに村山貯水池と山口貯水池が完成して水量が減り、取水が困難となり、1933年(昭和8年)に200メートルほど下流側に新たな用水路が造られたのだそうだ。

取水口跡はちょっと見ただけでは道脇の窪地という様子で、解説版がなければそのような遺構とは気付かないかもしれない。道を挟んだところには水神様を祀った塚があるが、これも1911年(明治44年)に建立されたものという。
九ヶ村用水取水口跡
九ヶ村用水取水口跡
水鳥公園と多摩川
水鳥公園の北側には福生市の南公園が隣接している。多摩川の河岸に広場を設けて造られた公園で、フィールドアスレチック風の木製遊具などが設置されている。これといって特徴のある公園ではないが、水鳥公園よりは広く、河岸の立地の開放感がいい。水鳥公園と共に散策を楽しむのがお薦めだ。
参考情報
交通
水鳥公園への電車での最寄り駅はJR線(青梅線、八高線、五日市線)や西武拝島線の拝島駅だが、駅から徒歩で30分ほどはかかるだろう。拝島駅から立川バス、「拝島循環」のバス路線を利用するといい。「7号棟」、「拝島3アパート集会所」、「12号棟」などのバス停が至近だ。「拝島営業所」バス停からも充分に歩ける距離だ。JRの立川駅北口から「拝島営業所」行きのバスに乗ってもいい。

水鳥公園には駐車場はなく、車での来訪はお勧めできない。北側に隣接する福生南公園には駐車場があるが、福生南公園の駐車場を利用して昭島市の水鳥公園に訪れるというのも少し気が引ける。

飲食
公園内にも周辺にも飲食店などはない。広場もあるのでお弁当を広げることは可能だ。水鳥公園でランチタイムを過ごそうというときにはお弁当などを持参しよう。

周辺
水鳥公園の南側にはそのまま多摩川の堤防道と緑地が続いている。気ままに散策の足を延ばしてみるのもいい。水鳥公園の北側には福生南公園が隣接している。福生南公園を北へ通り抜けると睦橋で、その北側の堤防道は桜の名所として知られている。桜の季節にはぜひ足を延ばしたいところだ。水鳥公園だけでは必ずしも魅力的とは言い難いが、水鳥公園を含めた多摩川河岸をひとつの散策コースとして考えるとなかなか楽しい。
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