佳景探訪
武蔵国分寺公園
東京都国分寺市の南部に武蔵国分寺公園という東京都立の公園がある。旧国鉄の中央鉄道学園跡地を利用して造られた公園という。市街地に位置する公園だが緑に溢れ、穏やかな表情の公園だ。新緑の眩しい四月の下旬、武蔵国分寺公園を訪ねた。



武蔵国分寺公園
武蔵国分寺公園はJRの西国分寺駅の東南側に位置している。公園は多喜窪通り(都道145号立川国分寺線)を挟んで北側と南側の二区画から構成されており、泉町に位置する北側区画は「泉地区」、西元町に位置する南側区画は「西本地区」と呼ばれる。多喜窪通りによって公園が南北に分断された形だが、西側に設けられた「ふれあい橋」という人道橋によって繋がれ、両地区の行き来にそれほどの不便はない。両地区は微妙に表情が異なり、それぞれにその表情に応じた楽しみ方ができるのもいい。


武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園
多喜窪通りの北側に位置する「泉地区」はほぼ正方形を成した平坦な敷地で、その中央部に円形の広場を置く。その名も「円形広場」だ。「円形広場」は案内マップで見るとほぼ完全な円形で、その円周上に「ぎんなん通り」と名付けられた散策路が設けられている。「円形広場」は直径160メートル、従って「ぎんなん通り」は一周500メートルだそうだ。「円形広場」の外側にはサービスセンターをはじめ、池や休憩所などが設けられている。

「円形広場」は草はらの広場で、開放感に富んでおり、随所で樹木が枝を広げて木陰を落としてくれるのもいい。外縁部にはさらに樹木が多く、公園の外部と内部を程良く隔て、園内の穏やかな空気感を保ってくれている印象だ。イチョウ、サクラ、ユリノキ、トウカエデ、ケヤキなど、さまざまな樹木があり、桜の花期や紅葉の時期の景観も楽しめるだろう。見事なサクラの大木の姿もあって目を引くが、これらの大木は中央鉄道学園時代からのものという。今回訪れたのは四月の下旬、オオカナメモチの木が花を咲かせ、「円形広場」の中央部ではこいのぼりが揚げられ、快晴の空に泳いでいた。

「泉地区」の南端部分、多喜窪通りに面した部分には各種の施設がある。最も西側には「西本地区」とを繋ぐ「ふれあい橋」が架かり、橋の北側は「であいの広場」と名付けられた一角だ。その東側には「武蔵の池」と名付けられた池があり、「であい橋」が池を跨いで「であいの広場」と「円形広場」を繋ぐ。池は人工的なものだが、メダカやオタマジャクシの姿を見ることができるという。「であい橋」の両脇、「武蔵の池」の縁に沿って藤棚やノウゼンカズラの棚が設けられている。それぞれの花期には見事な景観を見せてくれることだろう。「武蔵の池」には「扇の瀧」という名の壁泉も設けられている。「武蔵の池」の東側にサービスセンターがあり、その横には「霧の噴水」という名の施設がある。設置されたポールの上部から「霧」が吹き出す仕組みの、子どもたちのための水遊び施設だが、訪れたときには稼働していなかった。サービスセンターと「武蔵の池」の間には蒸気機関車の動輪をモチーフにした鉄道学園記念碑が設置されており、公園の由来を物語っている。

「泉地区」は何と言っても広々とした開放感が魅力だ。外縁部の木々が公園内と外部とを程良く隔ててくれているのもいい。それらの木々の向こうには周辺の建物も見え隠れするが、それもかえって開放感を強めている印象だ。園内を歩いていると空がとても広く感じる。その空を背景に、園内の樹木が青々とした姿を見せる。風景としてもたいへん美しい。


武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園
多喜窪通りの南側に位置する「西本地区」は「泉地区」とは少し印象が違う。「西本地区」も草はらに木々が植えられた広場を中心にした構成だが、草はらがわずかに起伏を伴い、人工的な施設がほとんど置かれていないため、たいへんに自然豊かな印象を受ける。

「西本地区」は中央部に「こもれび広場」と名付けられた草はらの広場を置き、その周囲を樹林地が囲む。特に南側は「野鳥の森」と名付けられた雑木林で、規模は小さいながらも雑木林散策を楽しむこともできる。「西本地区」にもさまざまな樹木が植えられている。イチョウ、ケヤキ、アンズ、カキ、エノキ、カエデ、クスノキ、トウネズミモチ、アカマツ、ミズキ、ムクノキ、トウカエデなど、「こもれび広場」だけでもかなり種類が豊富だ。緑に溢れた園内には野鳥も多く、絶えずどこからか鳥の声が聞こえている。訪れたとき、ウグイスの声も聞くことができた。園内には多喜窪通りを通る車の音も少し聞こえてはくるが、気になるほどではない。「こもれび広場」の木陰に腰を降ろし、のんびりと一休みするのはなかなか素敵なひとときだ。

「こもれび広場」の一角には手動汲み上げ式ポンプを取り付けた井戸も設置されている。飲料用には使えないが、手を洗ったりするには充分だろう。手動のポンプを使って水を汲むということだけでも、やってみるとなかなか楽しい。

「西本地区」の南側は「ハケ」と通称される国分寺崖線に隣接しており、一帯が国分寺緑地として保全区域になっているようだ。公園横の小径を辿って国分寺崖線の下へ降りてゆけば「真姿の池湧水群」や「お鷹の道」などがあり、武蔵国分寺公園の「西本地区」と一体化するように緑地帯を成している。併せて歩いてみるのがお薦めだ。


武蔵国分寺公園

武蔵国分寺公園
人工的だが丹念に整備された端正な美しさが特徴の「泉地区」と、木々が茂って緑に溢れた「西本地区」、印象の違うふたつの区域が一体となって武蔵国分寺公園を構成している。開放感に富んだ「泉地区」と、緑に包まれたような「西本地区」と、それぞれに魅力的だ。さらに南側に位置する「真姿の池湧水群」や「お鷹の道」も合わせて大きな緑地帯として考えることもできるだろう。市街地の中に位置する公園だが、園内は静かな空気感が漂い、街中の喧噪感から離れたひとときを過ごすことができる。お弁当を持ってピクニック感覚で訪れても充分に楽しめる。春には桜やツツジ、藤など、夏には紫陽花やノウゼンカズラといった花々も楽しめる。秋の紅葉も美しいだろう。国分寺駅や西国分寺駅からも遠くない。遠足気分でやってくるといい。
参考情報
交通

電車で来訪する場合はJR中央線西国分寺駅、JR武蔵野線西国分寺駅、あるいはJR中央線国分寺駅、西武国分寺線国分寺駅、西部多摩湖線国分寺駅が近い。双方とも徒歩で10分ほどだが西国分寺駅からの方が少しばかり近いだろうか。公園はJR中央線の南側に位置し、西国分寺駅からは東南の方角、国分寺駅からは西南の方角に位置している。

南側に位置する「西本地区」に有料駐車場が用意されている。駐車場入口は「泉地区」と「西本地区」との間を抜ける多喜窪通りに面して設けられている。残念ながら駐車スペースは22台分と少ない。西国分寺駅や国分寺駅の周辺に民間駐車場が点在しているから、それを利用して公園まで歩いてきてもいい。

飲食

公園内にはドリンク類の自動販売機は設置されているがレストランや売店などはない。市街地の中に位置する公園だが園内は緑濃く穏やかで、お弁当を持ってピクニック感覚で訪れるのがお薦めだ。開放感に富んだ「泉地区」、樹林に包まれたような「西本地区」、それぞれにのんびりとしたひとときを楽しめる。

公園の近辺にもお店などはないが、駅近くまで足を延ばせばさまざまな店舗がある。駅近くの飲食店で食事を楽しむのもいいし、テイクアウトのものを買って公園で食べるのもお薦めだ。

周辺

武蔵国分寺公園のすぐ南側には隣接するように「真姿の池湧水群」と「お鷹の径」、さらに武蔵国分寺跡などがある。国分寺駅の東南側には殿ヶ谷戸庭園がある。足を延ばして散策するのもお薦めだ。
武蔵国分寺公園

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