佳景探訪
七月の殿ヶ谷戸庭園
東京都国分寺市の殿ヶ谷戸庭園は国分寺崖線を利用して造られている。園内には武蔵野台地と国分寺崖線の植生が残り、七月には山百合の姿を見ることができる。山百合の咲く七月半ば、殿ヶ谷戸庭園を訪ねた。



七月の殿ヶ谷戸庭園

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七月の殿ヶ谷戸庭園

七月の殿ヶ谷戸庭園

七月の殿ヶ谷戸庭園
小暑を迎えた七月半ば、殿ヶ谷戸庭園は滴るような緑に覆われている。紅葉の名所として知られる殿ヶ谷戸庭園には楓の木も多いが、その楓も今は夏、濃い緑に染まって夏の日差しを浴びている。その緑陰の中、山百合が華麗な姿を見せる。

殿ヶ谷戸庭園の山百合は、数は決して多くはない。芝生の広場の奥や竹林脇の斜面など、ところどころにその姿を見つけることができるだけだ。山百合はそもそも群生せず、例えば雑木林の小径脇などに咲いている姿はなかなか見つけにくいものだが、殿ヶ谷戸庭園は園内が端正に整備されているためか、比較的容易に山百合の姿を見つけることができるのは嬉しい。

木漏れ日を受けて明るく輝く山百合も美しく、下から見上げるようにカメラのレンズを向ければ背景には緑の木々と夏の青空が写り込む。爽やかな夏の風景だ。こんもりと茂った木々の葉に日差しを遮られて、木陰の中に咲く山百合もよい風情だ。時刻が移れば日差しの向きも変わり、それぞれの山百合は木漏れ日を浴びたり木陰に隠れたりするのだろう。山百合は森林の縁や疎らな木立を伴った草地など、比較的明るい林地を好む花で、殿ヶ谷戸庭園の環境が適しているのだろう。

数は少ないながらも、さすがに「百合の女王」、華麗な姿と濃厚な香りは夏の殿ヶ谷戸庭園で大きな存在感を放っている。“山百合の名所”と呼ぶには少しばかり物足りないが、美しい庭園の中で見る山百合には格別の興趣がある。山百合の好きな人にはお勧めである。

殿ヶ谷戸庭園は国分寺崖線、いわゆる“ハケ”を巧みに利用した立地で、園内には“ハケ”からの湧水や湧水を集めた池などもある。その池を見下ろす「紅葉亭」脇には「鹿威し(ししおどし)」も設けられている。本格的な夏を迎えて暑さの増す七月、そうした水の風景が涼やかだ。吸い込まれるような緑に包まれ、山百合の姿を探しながら、涼やかな風景を楽しみつつ園内を巡るのが、この季節の殿ヶ谷戸庭園の愉しみ方だろう。

暑さを嫌ってか、休日にも関わらず殿ヶ谷戸庭園に来園者はほとんどなかった。梅雨も明け(2013年の関東地方は平年より二週間ほど早く、七月上旬には梅雨明けを迎えた)、いよいよ夏本番、町の喧噪から離れた庭園で山百合の姿を探すのは贅沢なひとときである。
参考情報
本欄の内容は殿ヶ谷戸庭園関連ページ共通です
殿ヶ谷戸庭園は入園料が必要だ。またペット連れの入園はできない。その他の注意事項、入園料金や開園時間については東京都公園協会サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通

殿ヶ谷戸庭園はJR中央線国分寺駅から至近だ。国分寺駅には西武国分寺線、西武多摩湖線も乗り入れている。駅の南側に出て、庭園入口まで徒歩で2、3分といったところだ。ほぼ“駅前”と言っていい。

殿ヶ谷戸庭園には来訪者用の駐車場は用意されていない。車で訪れる場合には駅周辺に点在する民間駐車場を利用しなくてはならないが、規模の小さいものがほとんどで、場所もわかりにくい。土地勘の無い人は車での来訪は避けた方が無難だ。

飲食

殿ヶ谷戸庭園内にはレストランや売店などはない。庭園は文化財なので園内にシートを敷いてお弁当を広げることはできない。食事は駅周辺の飲食店で楽しもう。さまざまな飲食店があるから食事には困らない。

周辺

国分寺駅から南西の方角に向かうと「お鷹の道」や「真姿の池湧水群」、武蔵国分寺跡武蔵国分寺公園などがある。徒歩で十数分といったところだろうか。時間に余裕があれば足を延ばして訪ねてみるのがお勧めだ。

七月の殿ヶ谷戸庭園
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