佳景探訪
紅葉の殿ヶ谷戸庭園
東京都国分寺市、国分寺駅近くの殿ヶ谷戸庭園は国分寺崖線の湧水を巧みに活かした庭園だ。四季折々に楽しめる庭園だが、紅葉の美しさは特に名高い。庭園が紅葉に染まった晩秋の日、殿ヶ谷戸庭園を訪ねた。



紅葉の殿ヶ谷戸庭園

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紅葉の殿ヶ谷戸庭園

紅葉の殿ヶ谷戸庭園
殿ヶ谷戸庭園は明治期から昭和初期にかけて活動した実業家、政治家の江口定條の別邸として大正初期に整備されたものという。その後昭和初期に岩崎家の所有となり、さらに庭園の整備が進められたものらしい。「国分寺崖線」に位置する立地を活かした巧みな造園が成されている。2011年(平成23年)には国の名勝に指定され、観賞に訪れる人も多い。園内には国分寺駅のすぐ近くとは思えないほどに木々が茂り、また花木園が整備されて四季折々に花々が楽しめる。古来の武蔵野の植生を活かしたという園内の樹林には楓の木も多く、秋の紅葉の名所として知られている。

紅葉と言ってもさまざまな愉しみ方がある。さまざまな木々の紅葉が山肌を染め上げる景観は見事なものだし、端正に剪定されたイチョウ並木の見せる景観も素晴らしい。殿ヶ谷戸庭園の紅葉が見せてくれるのは、真っ赤に染まったモミジが彩る庭園の景観だ。楓の木は庭園内の随所にあり、園内を散策してゆけば日射しの向きによってさまざまに表情を変えるモミジを愉しむことができる。

殿ヶ谷戸庭園の紅葉で最も美しい景観は、やはり「紅葉邸」からの眺めだろう。「紅葉邸」は岩崎家所有時代に茶室として造られたものだそうだが、その名からも推測できるように秋の紅葉を愉しむためにこの場所に造られたものなのだろう。「紅葉邸」からは崖線を利用して低地に造られた池を見下ろすのだが、その周辺に数多くのモミジの木があり、赤く染まったモミジの景観を存分に楽しむことができる。「紅葉邸」から池を見下ろすと、ちょうど逆光になるため、モミジは透過光に輝いて日陰になった林を背景に浮かび上がる。その様子がたいへんに美しい。訪れたときはまだ少し時期が早かったのか、「紅葉邸」周辺のモミジはすべてが真っ赤に染まっているわけではなかったが、深い赤から濃い橙色、薄い黄緑色まで、色彩のグラデーションが美しい景観を見せてくれていた。それもまた興趣に富んだものだ。

岩崎家所有時代にモッコクの木が好んで植えられたということもあり、当然のことながら庭園内には常緑樹も多い。その緑と真っ赤なモミジが日射しに映え、見上げれば真っ青な秋空が浮かび、その色彩のコントラストも見事な美しさを見せる。やはり良く晴れた日に訪れて、日射しに映える紅葉の美しさを存分に楽しみたい。

殿ヶ谷戸庭園は決して広大な庭園というわけではないが、崖線の地形をうまく生かして造られ、変化に富んだ景観が楽しめる。その中で味わう紅葉もまたさまざまな表情を楽しむことができて飽きない。その景観は「紅葉の名所」の形容に恥じない。
参考情報
本欄の内容は殿ヶ谷戸庭園関連ページ共通です
殿ヶ谷戸庭園は入園料が必要だ。またペット連れの入園はできない。その他の注意事項、入園料金や開園時間については東京都公園協会サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通

殿ヶ谷戸庭園はJR中央線国分寺駅から至近だ。国分寺駅には西武国分寺線、西武多摩湖線も乗り入れている。駅の南側に出て、庭園入口まで徒歩で2、3分といったところだ。ほぼ“駅前”と言っていい。

殿ヶ谷戸庭園には来訪者用の駐車場は用意されていない。車で訪れる場合には駅周辺に点在する民間駐車場を利用しなくてはならないが、規模の小さいものがほとんどで、場所もわかりにくい。土地勘の無い人は車での来訪は避けた方が無難だ。

飲食

殿ヶ谷戸庭園内にはレストランや売店などはない。庭園は文化財なので園内にシートを敷いてお弁当を広げることはできない。食事は駅周辺の飲食店で楽しもう。さまざまな飲食店があるから食事には困らない。

周辺

国分寺駅から南西の方角に向かうと「お鷹の道」や「真姿の池湧水群」、武蔵国分寺跡武蔵国分寺公園などがある。徒歩で十数分といったところだろうか。時間に余裕があれば足を延ばして訪ねてみるのがお勧めだ。

紅葉の殿ヶ谷戸庭園
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