山梨県道志村を貫いて東西に延びる国道413号に「道の駅どうし」が設けられている。すぐ横を道志川が流れ、河原での川遊びも可能だ。夏の盛りの八月初旬、道の駅どうしに立ち寄った。
道の駅どうし
山梨県道志村は山深く自然豊かなところだ。山々に囲まれて東西に長く延びる村域のほぼ中央を貫いて道志川が流れ、それに沿うように国道413号、いわゆる「道志みち」が辿っている。その「道志みち」に設けられた「道の駅」が「道の駅どうし」だ。地理的には道志村のほぼ中央だが、道志村役場からは山中湖村方面に5kmほど辿ったところに位置している。
道の駅どうし
道の駅どうし
道の駅どうし
「道の駅どうし」は言うまでもなく、「道志みち」を車で行き来する人たちの休憩施設としての役割を担っている。休日や行楽シーズンには観光客の姿が多いのだろう。敷地内は端正にまとめられた印象だ。メインの建物の前には芝生広場や小川、池などが設けられ、庭園風に整備されて潤いのある景観になっている。広場内には四阿やベンチが設置されているからのんびりと一休みするのにもいい。

当然のことながら、「道の駅どうし」もまた幹線路沿いの休憩施設としてだけでなく地元の情報発信基地としての役割も担っている。施設内には地元情報を入手できる案内所が設けられ、特産品の直売所も置かれている。レストランのメニューも地元素材を使ったものが主体だそうだ。特産品直売所では特産のクレソンや「道志ポーク」を使った加工品を中心に、新鮮な野菜類も販売されていた。訪れた八月初旬、販売所前の通路脇には南瓜やトウモロコシが山と積まれたワゴンが置かれていた。帰り道に立ち寄ったときにはそうした特産品をお土産に買い求めるのもお勧めだ。
道の駅どうし
道の駅どうし
「道の駅どうし」は道志川の河岸に建てられており、施設建物の裏手には道志川が流れている。道志川では川遊びが可能で、河岸の遊歩道から河原に下りることのできるスロープが設置されている。八月初旬、夏の盛り、河原は大勢の家族連れで賑わっていた。見渡す限りに緑濃い山々が連なる風景の中での川遊び、子どもたちにとってはとても楽しいものに違いない。ほとんどの人たちは“立ち寄ったついでに川遊びを楽しんでいる”というのではなく、この川遊びを目的に「道の駅どうし」を訪れた人たちなのではないか。
道の駅どうし
道の駅どうし
施設の東端側では道志川を跨いで「かっぱ橋」という吊り橋が架かっている。「かっぱ橋」の上から眺めると道志川もまた違った表情を見せる。対岸に渡れば「せせらぎ散策路」と名付けられた散策コースが下流側へと辿り、南側の山へと「ふれあいの森遊歩道」が辿っている。少し散策の足を延ばしてみるのも一興だろう。

ところで、吊り橋の名に何故「かっぱ」が冠されているのだろう。河岸の遊歩道から河原へ降りるスロープ横にも河童の石像が置かれている。実は道志川は河童が多く棲んでいた川らしい。道の駅横では道志川の流れは浅い“瀬”となっているが、深い淵となったところも多く、「かっぱ淵」と名付けられたところもいくつかあるようだ。すなわち道志川は“河童の棲む川”であり、それが「かっぱ橋」の名の由来であり、河童の石像が置かれている所以であるようだ。道志川の河童、今も棲んでいるのだろうか。少し気になるところだ。
道の駅どうし
道の駅どうし
「道の駅どうし」は道志村の観光拠点としての役割も担っているのだろう。周辺に散策コースが設定され、川遊びも可能な「道の駅どうし」は、それ自体が行楽地的性格を兼ねていると言っていい。「道志みち」ドライヴの際の立ち寄りスポットとしてお勧めなのはもちろんだが、「道の駅どうし」を目的地として訪れても充分に楽しめるのではないか。四季折々にさまざまなイベントも開催されるようだから、それに合わせて訪れるのもいい。そしてまた、特に小学生くらいの子どものいる家族には、道志川での川遊びはたいへんに魅力的なものだろうと思える。川遊びの際は、くれぐれも河童にご注意を。
参考情報
売店やレストランの営業時間など、詳細は公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通
道の駅どうしは神奈川県相模原市緑区と山梨県山中湖村とを繋ぐ「道志みち(国道413号)」に設けられている。山中湖畔からは約13km、相模原市緑区の「青山」交差点からは約30kmだ。山梨県都留市から県道24号を南下して「道志みち」へ入ってきた場合は、その交差点よりやや山中湖村方面に位置する。

駐車場は約100台分のスペースが用意されている。また電気自動車用の急速充電スタンドも設置されている。

飲食
道の駅どうし内にレストランがあり、軽食を提供している。道の駅近くにも飲食店が点在しているが数は少ない。お弁当持参であれば道の駅敷地内の広場のベンチなどを利用してお弁当を広げることも可能だ。

周辺
道志村は山々に抱かれた自然豊かなところだ。道の駅どうしの周辺にも長閑な風景が広がっている。足を延ばして周辺の散策を楽しむのもいい。キャンプ場なども数多く点在している。
山梨散歩