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岬には数台が駐車可能なスペースが設けられ、車を停めてひと休みする人の姿を見かけることも多い。車を降りて岬の突端部分に立って海を眺める人の中には観光に訪れた人もあるのだろう。しかし岬周辺にはお店などはもちろん観光地的施設は何もなく、駐車スペースの前方に展望所のような緑地スペースがわずかに設けられているだけだ。その緑地スペースには「いるか岬」の名を記した柱がぽつりと立ち、その周囲でジョオウヤシが風に吹かれている。以前はフェニックスが植えられていたような記憶があるのだが、聞いた話によれば外来の害虫によって立ち枯れてしまったともいう。フェニックスの樹形も美しいものだが、風に揺れるジョオウヤシの優雅な枝振りもそれに劣らず美しいように思える。
海を見下ろす突端部分に立てば、眼前に広々とした海原が広がる。岬はそれほどの高所ではなく、高みから見下ろす景観の雄大さという点には欠けるが、視点が海に近いぶんだけ、また別の魅力を感じることができる。南方で大きく海に突き出した岬はかつてサボテンハーブ園があった岬で、北側に見える島影は野島地区の巾着島だ。巾着島との間の海岸には汐が引くと広く「鬼の洗濯板」が現れ、岬に植栽されたジョオウヤシや竜舌蘭、ハイビスカスなどとともにそれらの景観が視界に収まる様子はなかなか美しい。
気付かなければそのまま通り過ぎてしまうような岬だが、ひと休みを兼ねて車を停め、雄大な景観を楽しむのもよいものだろう。沖に目を凝らして、いるかの姿を探してみるのも一興かもしれない。
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