横浜線沿線散歩公園探訪公園探訪
八王子市片倉町
−片倉城跡公園−
桜咲く片倉城跡公園
March 2018
桜咲く片倉城跡公園
春の片倉城跡公園はお花見の穴場と言ってもよいかもしれない。桜は主に丘の上の本丸跡と二の丸跡、湯殿川沿いの広場にあるのだが、特に本丸跡と二の丸跡の桜は周囲を木立で遮られているために周囲からは見ることができず、例えば公園下の国道16号を走る車や公園の南側を通る横浜線の車窓からも、公園に見事な桜があることがわからない。地元の人にはよく知られてはいるが、それだけに「知る人ぞ知る」的なところもあって楽しい。
桜咲く片倉城跡公園

桜咲く片倉城跡公園

桜咲く片倉城跡公園

桜咲く片倉城跡公園
桜の季節に片倉城跡公園に花見に訪れたなら、まずは二の丸跡の広場を目指したい。国道16号に面した公園入口からなら、「彫刻広場」を抜けて住吉神社へと向かう階段を上ってゆけば、丘の上の本丸跡と二の丸跡に着く。

本丸跡は木々に包まれてひっそりとした空間を成している。その北側に桜が咲き、春の青空を背景に、他の木々の新緑とともに鮮やかな色彩のコントラストを見せる。興趣に富んだ美しい景観だ。

本丸跡の西側には、本丸跡と二の丸跡を隔てて空堀がある。空堀周辺には数多くの桜があり、その桜が本丸跡を包み込むように咲き誇っている。その景観も見事なものだ。空堀やそこに架けられた木橋を歩けば頭上を桜が覆い、まさに桜に包まれたような感覚を味わうことができる。

二の丸跡の広場に出て、広場の中央から本丸跡の方を見れば、空堀周辺の桜が春の青空を背景に咲き誇っている。桜の木そのものも大きいのだが、枝を張って咲く姿が何しろ大きい。その桜が春の日差しを浴びて輝く景観は圧巻と言っていい。見る位置を変えれば桜と日差しとが織り成す景観の表情が少しずつ違い、どれほど眺めていても飽きない。素晴らしい桜景色である。

二の丸跡の南側、広場を挟んで空堀と相対する側にも大きな桜が咲き誇る。こちらは広場から見れば南側になるため、日差しは少し逆光気味になり、その光を弾いて桜が輝く。その景観もため息が出るほどの素晴らしさだ。こちらの桜もまた立ち位置によってさまざまに表情を変え、飽きることなく観賞することができる。

木々に囲まれてひっそりとした本丸跡は、そこに咲く桜の風趣が素晴らしく、西側が開けた二の丸跡は開放感溢れる広場と咲き誇る大きな桜との取り合わせが何よりの魅力だ。それぞれに味わいの異なる桜景色を楽しむことができる。本丸跡と空堀跡をのんびりと散策しながら桜を楽しみ、二の丸跡の圧巻の桜を堪能した後は、桜の下にシートを広げて“お花見ランチ”を楽しむのがお勧めだろう。
春の片倉つどいの森公園
二の丸跡の広場の西側には畑地が広がり、のどかな春の丘の風景が横たわっている。畑地の中を抜ける小径を辿ればヒメオドリコソウや菜の花などの咲く長閑な風景を見つけることができる。畑地横の小径へと歩を進めて春の散策を楽しむのもいい。

そのまま西へ200mほど辿れば「片倉つどいの森公園」へ至る。片倉つどいの森公園は丘の上の広場を中心にして整備された開放感溢れる公園だ。片倉つどいの森公園でも、数は少ないながらも桜を楽しむことができる。春のピクニックを兼ねて訪ねてみるのもお勧めだ。
桜咲く片倉城跡公園

桜咲く片倉城跡公園
桜の時期の片倉城跡公園で、本丸跡や二の丸跡と共に欠かせないところが、湯殿川河岸に設けられた「いこいの広場」だ。「いこいの広場」の北側、河岸の舗道沿いには十数本の桜が並び、見事な景観を見せてくれるのだ。

この広場は本園部分の拡張区域として整備されたところで、桜が植栽されたのも20年ほど前のことだが、それから年月を経て桜もすっかり大きく育って見応えのあるものになった。一直線に並ぶ桜の景観はやはり素晴らしいもので、河岸の広場という開放感溢れる立地の中で、ひときわ晴れやかな印象だ。

「いこいの広場」の南側(本園側)にはベニシダレが数本植えられている。ベニシダレはソメイヨシノとは花期が異なるからタイミングが難しいが、うまく時期が重なればベニシダレの美しい姿も楽しむことができるだろう。広場の西側に立って眺めれば、右側にベニシダレ、左側にはソメイヨシノの並木という構図で視界に収まる。薄いピンクのソメイヨシノと鮮やかなピンクのベニシダレの競演が美しく、草はらの緑と空の青と、見事なコントラストを描く。素晴らしい春景色である。
春の湯殿川
湯殿川河岸から東の方を見ると、国道16号が湯殿川を渡る住吉橋の向こうに見事な桜の姿が見える。住吉橋から下流側にかけて、湯殿川河畔には桜が植えられており、美しい景色が楽しめるところなのだ。

公園側から国道を渡るには北側の国道16号と北野街道との交差点や南側の「片倉駅入口」交差点へと廻らなくてはならないのが少々不便だが、片倉城跡公園へお花見へ訪れた際には足を延ばして湯殿川河畔の桜も見ておきたい。
片倉城跡公園の桜は数の点ではそれほどの規模ではなく、その意味では「桜の名所」と呼ぶには物足りないかもしれないが、丘の上の広場に咲き誇る桜の見事な景観や、「いこいの広場」の桜の晴れやかな景観はとても魅力的でお勧めだ。ひととき喧噪から離れて、穏やかなお花見の時間を過ごすことができるだろう。家族やグループでお弁当を持ってピクニック感覚で訪れるのが、より楽しめるように思える。シートを敷いてお弁当を広げるのを、二の丸跡にするか、「いこいの広場」にするか、迷うところである。
桜咲く片倉城跡公園