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町田市原町田
町田天満宮
Visited in February 2008
町田天満宮
町田駅から駅前の通りを東へ数百メートル進むと、横浜線の線路の南側に町田天満宮が鎮座している。「天満宮」の名が示すように文教の神として菅原道真を祀り、菅原神社南大谷天神社と共に町田三天神として人々の崇敬を集める神社だ。
町田天満宮
町田天満宮が建立されたのは1580年前後(天正年間)の頃らしい。1582年(天正10年)に原町田村が本町田村から分村されたが、原町田村の鎮守であった菅原神社と同じ祭神を祀る神社が、分村に先だって原町田村にも建立されたものではないかという。町田は度々の大火に見舞われ、古い記録が失われてしまったためにそれらも明確なことはわからず、推測の域を出ないものらしい。

町田天満宮
町田天満宮は横浜線の線路脇に位置しており、線路北側の道路から線路を跨いで参宮橋が架かっており、そのまま参道を成している。社殿は北方を向いて建っており、参拝に訪れるとたいていは社殿を逆光の中に見る。境内はそれほど広くはないが、稲荷社や飯綱社、山王社を併社として祀っている。

町田天満宮
菅原道真を祀る神社らしく参道脇には臥牛の像が置かれている。氏子の方々から奉納されたものだろうか。菅原道真と牛とは関係が深く、菅原道真が丑年の生まれであるとか、太宰府に下るときに牛に乗っていったとか、さまざまな伝承が残っている。菅原道真を祀る神社は天神社や天満宮、菅原神社などと呼ばれて全国各地に存在するが、こうして臥牛の像を置く神社は少なくない。

町田天満宮は町田の人々の生活の中に浸透しているようで、見ていると通りがかりに参拝してゆく人の姿が少なくない。年中行事も多く、元旦の歳旦祭や二月の節分祭など、町田を代表する神社として賑わうようだ。例大祭は九月下旬の週末に執り行われ、町田市中心街を神輿が巡幸して賑わうという。

町田天満宮
訪れたのは早春、菅原道真公を祀る天満宮らしく、境内には小さいながらも梅林が設けられ、ほころび始めた梅の花が春の訪れを告げている。境内には一本の木で紅白の花を咲かせる「思いのまま」と呼ばれる梅もある。今年(2008年)は各地で梅の開花が遅いようで、残念ながらまだ満開とはいかない状態だったが、早春の日差しを浴びて咲く紅白の梅はたいへんに美しかった。
町田天満宮は町田駅に近く、しかも線路脇に建っており、残念ながら静謐な雰囲気というものは望めない。しかしそれも人々の生活に根付いた神社としての在り方のひとつかもしれない。町田三天神のひとつであり、町田を代表する神社のひとつである町田天満宮、一度は参拝に訪れてみたい神社だ。
町田天満宮