横浜みなとみらい地区の海岸、パシフィコ横浜を通り抜けた先に「ぷかりさん橋」という客船ターミナルがある。1991年(平成3年)に完成したもので、「ぷかり」というその名が示すように「ぷかりさん橋」は施設全体が海上に浮いている。歩いてみるとふわりふわりと小さく波に揺れるのを感じるし、もちろん潮の満ち干によって上下し、満潮時と干潮時では景観の印象がわずかに異なっていたりする。
「ぷかりさん橋」は
山下公園のさん橋から発着するマリーンルージュやマリーンシャトルといった横浜港遊覧船が立ち寄り、ここから横浜港のクルージングに出かけてゆく観光客の姿も多い。また横浜駅東口と
山下公園とを結ぶシーバスも立ち寄り、みなとみらい地区の海の玄関としての意味合いもあるのだろう。
緑の屋根に時計台をのせた瀟洒な洋館風の外観は、特に少し遠くから見たときの印象などはどことなく可愛らしい雰囲気もある。また夜のライトアップされた景観も美しく、横浜の観光スポットのひとつに数えられてもいるようだ。内部は二階建てで、一階フロアがここから発着する観光船の発券所と待合所で、二階部分はレストランになっている。
さん橋を発着する観光船を利用しなくても、レストランで食事を楽しむのもよいだろうし、外側のデッキ部分に設けられたベンチでのんびりと横浜港の風景を眺めながらくつろぐのもよいものだ。西側に隣接して
臨港パークもあり、みなとみらい地区の散歩コースとしても悪くない。潮の香りを感じながら、ひとときのんびりと海岸の散策を楽しむのもよいものだろう。
この「ぷかりさん橋」、あまり知られていないことのようにも思うが、「海上に浮く建物」というのではなく、実は「船舶」なのだ。一階フロアの入口横の壁に諸元の書かれたパネルが置かれているのだが、目に留める人は少ないように思える。それによると「ぷかりさん橋」は「海上旅客ターミナル」という「船名」の船舶であり、種類は「係留船」なのだそうだ。だからこの施設の長は「館長」や「店長」などではなく、「船長」なのだという。諸元表によれば乗客は578名だそうで、「船員」は5名、「その他の乗船者」として15名とある。「船員」とされる人たちはどのような人たちなのだろうか。窓口で発券の業務を行っている職員や、レストランのスタッフなどは「船員」なのだろうか。ちょっと面白いと思ったりする。