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八王子駅を南口に出ると「南大通り(みなみおおどおり)」という通りが東西に延びている。交通量は多いが街路樹のイチョウやハナミズキが美しい。八王子市民会館近くの上野町では八重桜の並木道と交差する。新緑の美しい季節、この通りを辿って富士森公園へと歩いてみた。 |
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八王子駅の南口は、北口の繁華街とは違ってのんびりとしていて、どこか地方の町の駅前のような風情が漂っている。再開発の計画もあるのだろうと思うが、あまり高いビルなどが林立するよりは、今のままの町並みの方が魅力的であるような気もする。
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「市民会館入口」交差点から南へ辿ると、八重桜並木の坂道の表情が美しい。八重桜もやはり花を楽しむには時期を少し過ぎて、すでに葉が茂っているのが少し残念だ。道は徐々に緩やかな上り坂になり、Y字型に分かれている。分岐したうちの右手(西)の道路にも八重桜並木はあるが片側だけで、散策を楽しむのなら左(東)へ逸れる道を辿るのがいい。 ![]() Y字に分岐する交差点の左手(東)の道路横には上野町公園という小さな公園があり、広場の遊具で子どもたちが遊んでいる。公園の南側部分には小規模ながら木立の茂る一角があり、イチョウや桜などがそれぞれの季節に美しい姿を見せるが、今は新緑が陽射しに輝いている。その若葉の緑を背景に、歩道の八重桜が映える。上野町公園の横辺り、緩やかに曲がった坂道の風情が八重桜の並木をいっそう美しく見せてくれるようでもある。そのあたりに立って北方を見ると、ちょうど下り坂となった並木道を見下ろす感じになり、八重桜並木の織りなす景観が美しい。 ![]() 坂道を上りきると、実践高校前の交差点で並木は終わっている。交差する道路は国道16号の「万町」交差点から「みよし坂」を上がって西へ辿る「富士森公園通り」で、この道路を西に向かうとその名が示すように富士森公園の北側に至る。「富士森公園前」の交差点から南を見ると、富士森公園の木々がこんもりと見える。富士森公園の位置するのは「台町」という街区だ。昔は小高い丘のような場所を「台」と呼んだらしいが、この辺りは昔は「富士森の丘」と呼ばれた木々の茂った丘陵であったという。今でも「市民体育館」交差点の周辺はこの近辺では高所にあたり、交差点から山田方面へ降りる坂道から南西の方角へ、冬の晴れた日などには富士山の姿を見ることができる。 |
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市民会館と郷土資料館との間を過ぎてさらに行くと、八王子市立第七小学校の傍らを抜けてやがて「松姫通り」との交差点に至る。このあたりは昔は細い路地が抜けるだけの住宅街だったのだが、近年区画整理が行われ、広い「南大通り」がそのまま続くようになった。松姫通りとの交差点の角には信松院が建っている。信松院は武田信玄の四女であった松姫が開基で、墓所には松姫の墓がある。「松姫通り」の名もこれに因んだものだろう。松姫通りを南へ坂を登ると富士森公園の西側へ至る。 |
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富士森公園は花見で賑わう時期を過ぎて、新緑の中に静かな佇まいを取り戻している。今年(2002年)はあらゆる花々の開花が早いらしく、四月の中旬だというのに慰霊塔前のパーゴラでは藤の花が盛りを迎えている。体育館横のツツジもすでに咲き始めているようだった。木々の多い公園内は若葉の緑が陽射しを受けて瑞々しく、木漏れ日の中の散策が楽しい。 ![]() 富士森公園から南へ、「富士森の丘」を越えて山田町方面へと降りると広園寺が近い。「広園寺」は「こうおんじ」と読む。「こうえんじ」ではない。広園寺から南へ少し行けば京王線の山田駅が近く、ここから帰路を辿ってもよいが、さらに小比企町方面やめじろ台方面へと足を延ばすのもいい。 |
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「市民体育館」交差点の角の歩道には「関東武者ゆかりの地」を訪ねるという趣旨の散策コースを示す案内の石柱が立っており、近辺の地図にコースが記してある。この案内の石柱は他にも広園寺前や上野町の歩道、八王子駅に近い南大通りの歩道など、随所に設置されて、散策の人を導いている。このコースに沿って散策を楽しんでみるのも一興かもしれない。 |

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