東京都あきる野市の都立小峰公園は雑木林の丘陵を中心に、里山の風景を残した公園だ。七月には尾根道脇や丘の斜面に山百合が咲く。緑濃い風景の中、大輪の山百合が夏の初めの風情を漂わせる。山百合が見頃になった七月半ば、小峰公園を訪ねた。
山百合の咲く小峰公園
小峰公園はその大部分に昔ながらの自然環境をそのままに残しており、夏の初めになれば園内のあちこちで山百合の花を見つけることができる。特に「桜尾根」の園路脇や「ふれあい広場」東側の斜面に数多く咲いている。深緑の中にひっそりと咲く山百合の姿が風情豊かに夏の訪れを告げている。
山百合の咲く小峰公園
小峰公園のほぼ中央部を南北に貫いて「桜尾根」という尾根道が延びている。この尾根道脇に、数多くの山百合が咲く。南側の高所へと延びる尾根道は、ところどころで広く整備された園路の脇に昔からの尾根道を思われる小径が沿っているのだが、この古い小径を辿る方が山百合の姿を見つけやすい。
山百合の咲く小峰公園
山百合は他の草木に混じって見つけにくいものも少なくない。のんびりと時間をかけて山百合の姿を探しながら歩くのがお勧めだ。
山百合の咲く小峰公園
「ふれあい広場」の東側には梅の木が並び、早春には美しい景観を見せてくれるが、その奥の斜面に山百合の咲く姿を見つけることができる。数多くの花を付けた株が多いようで、なかなか見応えのある山百合だ。斜面下から見上げることになるから、花まで少し遠いのが難点か。望遠系のレンズを付けたカメラを持っていこう。
山百合の咲く小峰公園
公園のビジターセンター(管理事務所)の南側に八幡神社が鎮座している。この神社周辺でも、数は少ないが山百合が咲いている。神社の境内地でも見つけることができるし、神社前の小径脇にも咲いている。行く手を遮るかのように小径脇から枝を伸ばして咲く山百合の姿も楽しい。
山百合の咲く小峰公園
ビジターセンターからいったん秋川街道(東京都道32号八王子五日市線)に出て50mほど南へ歩くと「けやき広場」の入口だが、その歩道脇の斜面にも山百合が咲いている。数は少ないが、ひょっこりと顔を出した山百合の花を間近に観賞できるのが嬉しい。
山百合の咲く小峰公園
小峰公園は“山百合の名所”と呼べるほどではないが、昔ながら風景の中、山百合の咲く素朴な景観を楽しむことができる。「桜尾根」沿いでは比較的多くの山百合を見つけることができるから、山百合を目当てに訪れても後悔せずにすむだろう。山百合は林地の縁など、明るい場所を好む植物だ。そうした条件の場所を中心に、山百合の姿を探しながらのんびりと散策を愉しむのがお勧めだ。
山百合の咲く小峰公園
山百合の咲く小峰公園
山百合の咲く小峰公園
参考情報
本欄の内容は小峰公園関連ページ共通、2024年6月現在の状況です
交通
鉄道で訪れる場合は、JR五日市線武蔵五日市駅が最寄りだ。駅から小峰公園ビジターセンターまで約1.7km、徒歩で30分弱といったところか。

JR武蔵五日市駅とJR・京王八王子駅とを結ぶバス路線を利用して「小峰公園」バス停で下車すれば、ほぼ目の前が小峰公園だ。ただし便数が少なく、一時間に一本程度の運行だ。

小峰公園には来園者用無料駐車場が用意されており、車での来園も便利だ。JR武蔵五日市駅近くから都道32号を南下、八王子市街から向かう場合は都道32号を五日市方面へと向かえばいい。遠方から訪れる場合は圏央道の日の出ICやあきる野ICを利用するのが便利だ。

飲食
小峰公園にはレストランやカフェなどは併設されていない。周辺にも飲食店やコンビニエンスストアなどはない。飲食店を探すならJR武蔵五日市駅周辺へ移動しよう。

小峰公園は自然溢れる公園で、お弁当を持ってピクニック感覚で訪れるのがお勧めだ。レジャーシートを持っていこう。

周辺
小峰公園周辺の留原地区は長閑な里山風景の広がるところだ。公園から周辺へと散策の足を延ばしてみるのも楽しい。北へと下りていけば秋川が流れている。河原はバーベキュー場として賑わうところだ。

秋川を渡れば五日市の町だ。町歩きの好きな人なら五日市の町を散策してみるのもいい。五日市の町を抜ける檜原街道は百日紅の並木で、夏には美しい景観になる。夏の散策も悪くない。
夏散歩
東京多摩散歩