東京都調布市の都立野川公園には国分寺崖線下の湿地を活用した「自然観察園」が設けられている。その「自然観察園」で、春には踊子草が咲き誇る。踊子草が見頃の四月末、野川公園の「自然観察園」を訪ねた。
東京都調布市に野川公園という都立の公園がある。面積40haほどの広大な公園で、一部は小金井市から三鷹市に跨がって広がっている。園内には野川が流れ、その左岸部には国分寺崖線下の湿地を利用した「自然観察園」が設けられている。「自然観察園」にはオドリコソウの群落があり、四月には美しく咲き揃う景観を楽しむことができる。
野川公園の「自然観察園」は野川の左岸部、国分寺崖線との間に細長く横たわっている。1988年(昭和63年)に一般開放された施設だ。区域はフェンスに囲まれており、開園日、開園時間が定められている。開園中は中央部の出入り口から入園することができる。「自然観察園」は国分寺崖線からの湧き水による湿地を活用したもので、昔ながらの自然がそのままに残され、さまざまな植物や昆虫、野鳥を観察することができる。
四月、その「自然観察園」でオドリコソウが咲く。「自然観察園」の東端部に近い辺りにオドリコソウの群落があり、新緑の美しい園内に春の色を添えてくれる。オドリコソウの薄いピンク色は派手に主張するような強い色彩ではなく淡く控えめな印象だが、それがかえって良い風情を感じさせてくれる。
オドリコソウは「踊子草」と書く。九州から北海道まで広く分布するシソ科の多年草で、花の姿が編笠を被って扇を手に持って踊る踊り子を思わせることから「踊子草」の名がある。半日陰の湿気の多い場所を好む植物で、湧水のある崖下の林の縁などに群落をつくることも多い。「自然観察園」の環境はオドリコソウの生育に適しているのだろう。
野川公園「自然観察園」のオドリコソウは園路脇にも数多く咲いており、その姿を間近に楽しむことができる。腰を落として踊り子のような花を姿を近くからじっくりと見てみるのも楽しいし、一面に咲き広がる様子を眺めるのもいい。ひときわ美しいオドリコソウを見つけてカメラを向けるのも楽しいひとときだ。じっくりと時間をかけてオドリコソウの花と、“踊子草の咲く風景”を堪能しておきたい。
春の野川公園「自然観察園」はオドリコソウの名所といっても差し支えないのではないか。これほどの数の群落はなかなかない。野草好きの人、花の好きな人、花の写真趣味の人などは、ぜひとも訪れておきたいところだと言っていい。
本欄の内容は野川公園関連ページ共通、2025年11月現在の状況です
電車でのアクセスであれば、西武多摩川線の新小金井駅や多磨駅が最寄りということになるが、どちらも公園までは徒歩で十五分ほどはかかるだろう。バスであればJR中央線の武蔵小金井駅や三鷹駅、あるいは京王線の調布駅からのバス路線を利用するといい。
駐車場は有料で200台分を越えるスペースで用意されているが、公園の規模から考えれば行楽シーズンの休日にはとても足りないだろう。駐車場は人見街道側にあるが、東八道路の交差点にも案内標識があり、比較的分かり易い。
管理所横に売店があり、カレーや焼きそば、うどん、たこやきなどの軽食とドリンク類を販売しているが、他に本格的なレストランは無い。公園の性格から言ってもお弁当を持参して、木陰にシートを広げてのランチタイムがお勧めだ。
公園南側を通る人見街道の公園入口近くに蕎麦屋とコンビニエンスストアがあるが、他には公園周辺にお店は無い。公園に向かう途中でおにぎりなどを調達しようという場合は公園に近づく前に立ち寄っておいた方がいい。
バーベキュー場の利用は無料だが予約が必要とのことだ。利用時間や問合先などについては西武・武蔵野パートナーズによる公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。
野川の上流部、西側には
都立武蔵野公園
が隣接しており、野川河岸の遊歩道を辿って行けば道路を一本横切るだけで武蔵野公園へと入って行ける。武蔵野公園も緑に溢れた公園で、特に野川河岸の散策が楽しい。また
春の桜の時期
や
秋の紅葉の時期
の武蔵野公園はたいへんに美しい。ぜひ散策の足を延ばしたい。
野川を下流側へ辿れば「
大沢の里
」と呼ばれる一角があり、昔ながらの水田の広がる風景や古民家などが残されている。時間が許せば野川の河岸を辿って散策を楽しみたいところだ。
野川公園から南へ、人見街道を越えて少し辿れば
都立武蔵野の森公園
だ。調布飛行場に隣接した、開放感溢れる公園だ。ここもぜひ訪ねておきたい。
むさしのの都立公園(西武・武蔵野パートナーズ)
野川公園
晩冬の野川公園
梅香る野川公園
桜咲く野川公園
初秋の野川公園
紅葉の野川公園
武蔵野公園
桜咲く武蔵野公園
初秋の武蔵野公園
紅葉の武蔵野公園
武蔵野の森公園
大沢の里
浅間山公園