12月初旬、すでに”初冬”と言っていい季節だが、横浜はようやく紅葉の時期を迎える。元町公園もまた紅葉の季節だ。桜や常緑樹の多い元町公園はそれほど見事な紅葉の景観を見せてくれるわけではないが、エリスマン邸周辺のイチョウや山手234番館正面脇のモミジがなかなか美しい景観を見せてくれる。

紅葉の時期の元町公園は、エリスマン邸の周辺の景観がお薦めだ。エリスマン邸の周辺には大きく育ったイチョウやケヤキが立ち、それらが黄葉して日の光を浴びる様子はたいへんに美しい。辺り一帯が黄金色の木漏れ日に包まれているようで、その中に建つ白いエリスマン邸の姿もとても印象的だ。館内から窓越しに見るイチョウも興趣に富んでいる。

またエリスマン邸とベーリックホールとの間の小道にはイチョウが並んでいる。なかなか見事な景観で、これもぜひ見ておきたい。

エリスマン邸とは山手本通りを挟んで斜向かいに建つ山手234番館の正面脇にはモミジの木がある。モミジが紅葉するのはかなり遅く、紅葉した葉に混じってまだ緑の葉も見えるが、これも日の光を浴びて輝く様子がとても美しい。

エリスマン邸側から山手本通りを挟んでみる景観も美しいし、モミジの下に立って見上げるのもいい。やはり山手234番館の建物との組み合わせで見る景観が風情があって良いものだ。さまざまな表情を楽しんでおきたい。

横浜の中心部は地理的なこともあって紅葉の名所と呼ぶべき場所は少ないが、その中にあってこの元町公園の、イチョウやケヤキの黄葉に包まれるエリスマン邸の景観は”名所”と言ってもよいかもしれない。紅葉そのものではなく、晩秋の色彩に染まった横浜山手の風景としてを楽しむのがお薦めだ。12月になると山手の街に点在する洋館で「世界のクリスマス」が開催される。併せて楽しむといい。