八王子市長房町〜東浅川町
−陵南公園−
桜咲く陵南公園
Visited in April 2025

春、桜の時期の陵南公園はお花見の人々で賑わっている。公園自体の桜ももちろんだが、桜並木の続く南浅川河畔という立地もあって、「桜の名所」と言って差し支えなく、ぽかぽか陽気の春の日のお花見を兼ねた行楽には良いところだ。
南浅川橋の北西側、本園入口から広場へ至る野球場横の舗道には「さくら通り」の名がある。その名が示すように舗道は桜の並木だ。桜はそれほど大木というわけではないが、大きく枝を張って咲き誇り、見事な景観を見せてくれる。「桜のトンネル」と言って差し支えない。両脇を桜に彩られた舗道は春の日差しを浴びてたいへんに美しい。舗道にはお花見の人たちが行き交い、その様子も春の公園の風情が感じられて楽しい。春爛漫の空気を感じながら、のんびりと花見散歩を楽しみたい。
野球場西側、園内西端部の広場は「さくら広場」だ。約50本の桜が植えられているという。頭上が桜で覆われるというような印象ではないが、却ってほどよい開放感があるのがいい。シートを広げて桜の下でお弁当を広げるグループや家族連れの姿の多いところだ。公園内には14種類の桜があるという。ソメイヨシノやヤマザクラ、オオシマザクラなどの“一般的な”桜の他、あまり馴染みのない品種の桜もあるようだ。それぞれの品種の違いなどを見てゆくのも楽しい。
野球場の北側には斜面を辿る園路が設けられている。途中には「展望広場」が設けられ、野球場越しの眺望を楽しむこともできる。この「展望広場」から東へ辿る部分の園路は両脇にミツバツツジが植えられている。桜の季節、ミツバツツジも花を咲かせる頃だ。ミツバツツジは人の背丈ほどの高さがあり、花の盛りを迎えればミツバツツジの花に包まれるような感覚を味わうことができる。ミツバツツジの花が見頃を迎えるのはソメイヨシノより少し遅い。葉桜になる頃に訪れると、さらに見事な景観が楽しめるだろう。
桜の頃に陵南公園を訪れたなら、周辺の南浅川河畔の桜も併せて楽しみたい。というより、南浅川河岸の桜と共に楽しんでこその、春の陵南公園だと言っていい。まずは南浅川橋から南浅川の景観を見ておこう。上流側を眺めれば、右手に陵南公園、左手には河岸の広場などに咲く桜が見事な景観を見せる。下流側を見れば、南浅川の両岸に桜並木が延び、素晴らしい景観だ。ひとときこの景観を楽しんでから、河岸を辿っての花見散歩へ歩を進めるのがお勧めだ。
南浅川橋上流側右岸、すなわち陵南公園本園の対岸には原宿児童遊園や原宿ふれあい広場、原ふれあい広場などの広場や緑地などが並んでいる。そこに桜が並ぶ。桜はどれも“大木”と言っていいほどの大きさだ。こんもりと枝を広げて咲き誇る姿はたいへんに素晴らしい。陵南公園本園側の河岸なら川越しに眺める風景も美しいし、右岸側に渡って大きな桜の下を歩くのもいい。南浅川の南側になるから、日差しの向きを考えれば左岸側(陵南公園本園側)から眺める方が、“桜の咲く風景”としての美しさをより感じられるかもしれない。
南浅川橋下流側右岸、陵南公園分園脇の河岸の桜並木も見事なものだ。桜は河岸の道路をサイクリングロードとの間の斜面に並んでいる。河岸の道路からの景観も、サイクリングロードからの景観も、それぞれに美しく甲乙付けがたい。河岸の道路は車両の通行もあるから散策の際には注意が必要だが、大きく枝を張った桜が頭上を覆い、“桜のトンネル”的に楽しめるのがいい。サイクリングロードに降りれば桜が少し遠くなるが、対岸(左岸側)の桜も視界に入り、河岸の開放感も手伝って晴れやかな気分で散策を楽しむことができる。南浅川橋の風雅な意匠と桜の組み合わせもぜひ見ておきたい。
南浅川橋下流側左岸には南浅川緑地が設けられ、緑地内に桜の並木がある。南浅川橋から眺める景色も素晴らしいが、やはり河岸に降りて桜並木の下を歩いて楽しみたい。桜並木の河岸を歩けば頭上に桜が咲き誇り、対岸にも桜並木が延び、素晴らしい春景色を楽しむことができる。南浅川左岸の桜並木はこのまま下流側へと長く続いていく。どこまで足を延ばすのかが悩ましいところだが、いっそのことそのまま下流側へと辿って西八王子駅辺りを目指すのもいい選択であるかもしれない。

桜の時期の陵南公園は、周辺の南浅川河岸も含めてたいへんに素晴らしく、例年大勢の花見客が訪れて賑わっている。まさに「桜の名所」、桜が町を彩る季節に一度は訪ねてみたいところだと言っていい。この時期、公園の駐車場は花見に訪れた人たちの車で終日満車状態が続く。近辺には他に駐車場は無く、公共の交通機関で訪れるのが賢明だ。高尾駅から歩いてもそれほど遠くはない。






