横浜線沿線散歩公園探訪
多摩市連光寺
−桜ヶ丘公園−
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
Visited in November 2024
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
多摩市連光寺の桜ヶ丘公園は雑木林の丘陵を抱えた広大な都立公園だ。秋が深まれば園内の木々が紅葉に染まり、美しい景観を見せてくれる。見事なモミジが並ぶ場所もあり、イチョウやメタセコイアの紅葉も楽しめる。晩秋の風情を感じながらのんびりと散策するのに好適な公園だ。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園 晩秋の桜ヶ丘公園でまず訪ねたいのは、園内中央部、「記念館口駐車場」付近から旧多摩聖蹟記念館周辺までの園路だ。この辺りでは園路脇に大きく枝を張ったモミジの木が並び、“紅葉のトンネル”とでも言いたいような、見事な景観を見せてくれる。園路の脇には「もみじ平」と名付けられた広場があり、その名の通り、美しい紅葉が楽しめる。

モミジの紅葉はやはり逆光や半逆光で見るのが美しい。紅葉に染まったモミジが透過光に輝く様子はたいへんに素晴らしい。立ち止まって振り向いてみたり、上を見上げてみたり、時間をかけて楽しみたい景観だ。写真趣味の人なら美しい構図を探してカメラを向けるのも楽しいひとときだ。

紅葉に染まる桜ヶ丘公園 「記念館口」から「記念館口駐車場」へ至る道の北側に、北へ視界が開けた広場がある。この広場の隅にイチョウが立っている。大木というわけではないが、樹形は美しい。南側の樹木の陰になって全体に日差しが当たっていないのが残念だが、かえって日を受けた部分の輝く様子が引き立っているようでもある。時刻が移れば日差しの向きも変わり、また違った表情を見せてくれるだろう。

イチョウは黄葉の盛りを過ぎているようで、落葉が木の周囲に散っている。草はらに散らばるイチョウの葉の様子も美しい。このイチョウも見ておきたい。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園 「記念館口駐車場」の脇から園内西側の「杉の辻」に降りる園路がある。この園路は舗装されていて、公園の中央部を東西に貫くメインの園路と言っていいが、この園路脇、「谷戸の丘」の横手から「山の越」にかけての辺りにもモミジの木がある。

モミジの木は数は少なく、樹高もそれほどではないが、日差しの向きによってはなかなか美しい姿を見せる。園路は広く比較的開放感もあり、青く澄んだ秋空が広く視界に入るのもいい。モミジの赤と雑木林の黄葉と空の青との美しいコントラストが楽しめる。

紅葉に染まる桜ヶ丘公園 園内西側中央部の「杉の辻」には3本のメタセコイアが立っている。メタセコイアも秋が深まるにつれて赤褐色から見事な黄金色に染り、美しい景観を見せてくれる。

日の光を浴びて輝く姿を順光の方向で見るのも美しいが、逆光気味に見る景観はさらに美しい。黄金色のメタセコイアが日差しを浴びて輝き、周囲の空気までが黄金に輝いているような感覚が味わえる。モミジやイチョウなどとはまた違った美しさだと言っていい。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園 園内北西部、大谷戸公園の東側に位置する「とんぼの広場」の広場の隅に、3本のイチョウが立っている。それほど大木というわけではないが、端正な樹形が美しい。

3本のうちの1本はすっかり落葉していたが、残る2本はまだ黄金色の葉を残し、日差しを浴びて輝いていた。一般的にイチョウはモミジより黄葉が早く、モミジの紅葉が見頃になる時期にはイチョウは落葉していることが多いが、その年の気候によってはほぼ同時に楽しめることもある。2024年(令和6年)は全体的に紅葉が遅く、桜ヶ丘公園でも11月末近くになってモミジやイチョウの紅葉が見頃となっていた。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園 園内北部に位置する「ゆうひの丘」でも美しい紅葉を楽しむことができる。特に「見晴台」から北へ降りる斜面の中程、イチョウとモミジが並んで立っている場所がある。これがなかなか見事な景観だ。

斜面上側から見下ろすと南側から見ることになり、順光となって、特にモミジの紅葉が少しばかりくすんだ色合いになってしまう。北へ降りて、斜面下側から見上げるように眺めるのがお勧めだ。日差しは半逆光となって、イチョウもモミジも陽光を照り返して美しく輝く。素晴らしい秋景色だ。

紅葉に染まる桜ヶ丘公園 「ゆうひの丘」の「見晴台」が設けられた広場の南側、道路脇にもモミジが植えられている。数本のモミジが園路脇に並び、美しい景観を見せる。これもやはり南側の、広場中央側から見る景観が美しい。半逆光の日差しを受けてモミジの紅葉がひときわ映える。

モミジの下にはベンチも置かれているから、腰を下ろしてひとときのんびりと紅葉の景観を楽しむのもお勧めだ。広場内には四阿もあるから、お弁当を広げてランチタイムを過ごすのもいい。開放感のある風景の中で穏やかな秋の休日を過ごすことができる。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園 園内にはさまざまな木々が茂っており、美しい紅葉を見せる落葉樹も少なくない。ケヤキやコナラなどの木々も日差しの向きによっては驚くほど美しい景観を見せる。モミジやイチョウだけでなく、そうした木々の晩秋の姿も楽しんでおきたい。

黄葉に染まる雑木林の中の小径を辿ってみるのも楽しいし、低地となった園内西側から雑木林の丘を見上げるのもいい。園内西側の園路沿いに植えられた木々の紅葉もいい。のんびりと晩秋の風景を探しながら散策を楽しむのがお勧めだ。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園 桜ヶ丘公園の北西側には桜ヶ丘公園と半ば一体化するように多摩市立大谷戸公園が隣接している。広場を中心に構成された公園だが、大谷戸公園も紅葉が美しい。特に広場の周囲を巡る園路に植えられたモミジやコナラなどが見せる紅葉の景観や、キャンプ練習場に立つメタセコイアの黄葉などが素晴らしい。

桜ヶ丘公園の西側低地部分に設けられた園路を北へ辿っていけば、それと意識することなく大谷戸公園へと続いている。桜ヶ丘公園を訪れたなら、大谷戸公園と併せて散策を楽しむのがお勧めだ。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
晩秋の桜ヶ丘公園は美しいモミジの紅葉と素朴な雑木林の佇まいの双方が楽しめるという点で、紅葉を楽しみに散策に訪れるにはお勧めの場所だと言っていい。広大な公園だが、「記念館口駐車場」横から旧多摩聖蹟記念館周辺までの園路を歩いたり、雑木林の中の小径を辿ってみるだけでも充分に楽しめる。お弁当を持って家族連れや友人同士で秋のピクニック感覚で訪れるのもお勧めだ。
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
紅葉に染まる桜ヶ丘公園
紅葉に染まる桜ヶ丘公園