幻想音楽夜話
Picks Log
ちょっと気になっている音楽やアーティストについて、あるいは気になった音楽シーンの話題について、「幻想音楽夜話」のトップページの「Picks」欄に短いコメントで気ままに記しています。このページはその「Picks」欄の過去ログです。「Picks」欄の過去ログは年毎にまとめてあります。メニューから表示ページを選択して下さい。最新のものは「幻想音楽夜話」トップページでどうぞ。
J.D.サウザーを悼む
J.D.サウザーが17日、ニューメキシコ州の自宅で亡くなった。78歳だった。J.D.サウザーと言えば、まずは「You’re Only Lonely」だが、イーグルスの「New Kid In Town」や「Best Of My Love」、「James Dean」なども忘れがたい。「You’re Only Lonely」以前に70年代に発表したソロアルバムも大好きだ。1970年代のウエストコーストサウンドに欠かすことのできないミュージシャンだった。今夜は彼を偲んでソロデビューアルバム「John David Souther」を聴こう。心からご冥福をお祈りします。
September 19, 2024
猫にジェラシー / あいみょん
あいみょんの「猫にジェラシー」を聴いている。やっぱり、この人、天才なんだな、と思いつつ聴いているのだけれども、“天才”の一言で済ましてはいけないよね。きっと、いろんな音楽をたくさん聴いてきた人なんだろうなと思う。インプットとアウトプットがすごく高い次元でバランスをとっているんだろう。歌声そのものが胸に響くというシンガーはそうそういるものではないが、その意味でも、やっぱり、天賦の才です。
September 18, 2024
セルジオ・メンデスを悼む
セルジオ・メンデスが9月5日、ロサンゼルスで亡くなった。83歳だった。セルジオ・メンデスと言えば「マシュ・ケ・ナダ」だが、そもそもセルジオ・メンデス&ブラジル'66の音楽が大好きだ。ブラジル'66に先立つブラジル'65のアルバムも絶品だ。ゲスト・ヴォーカルのワンダ・ヂ・サーのウィスパー・ヴォイスがたまらない。セルジオ・メンデスのソロ作品も好きだ。また偉大な才能が旅立った。今夜は彼を偲んで「Brazil '66」を聴こう。心からご冥福をお祈りします。
September 7, 2024
暴動クラブ
暴動クラブ(Voodoo Club)というバンドが話題だ。昨年の秋にデビュー、今年8月にファーストアルバムが発売されている。4人組のバンドで、メンバーの平均年齢20歳だそうだ。そういう若いミュージシャンがこういうロックンロールを演奏するというのが少しばかり驚きだ。近年、こうした音楽はめっきり人気が無かった。きっと若い人たちはこういうロックンロールに魅力を感じないのだろうと、一種の世代間ギャップのようなものを感じていたのだが、こういうロックンロールを好きな若い人もいるのだと改めて知った次第だ。“こういうロックンロール”と書いているが、どういうロックンロールかと言えば、猥雑で退廃的で疾走感に溢れ、グラマラスでチャーミング、キッチュでポップだが、荒々しく暴力的な香りを振りまく、そんなロックンロールだ。強いて言えば、ニューヨークドールズやジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ、日本のバンドならサンハウスやルージュといったバンドのロックンロールに近い。長髪にメイクを施した容姿を考え合わせればまさにニューヨークドールズからルージュの系譜と言っていい。まぁ、そういう分析はともかく、かっこいいぞ、暴動クラブ。Spotifyでは6曲が公開されている。8月発売のアルバムは現時点で配信されていない。CDを買おうか、ちょっと迷っている。
September 3, 2024
Temple of Blues - Influences and Friends / Cactus
カーマイン・アピスがカクタス名義のニューアルバムを6月7日にリリースするそうだ。カクタスと言えばアメリカン・ハード・ロックの伝説的バンドだ。カクタスのオリジナル・ギタリストであるジム・マッカーティの他、さまざまなミュージシャンが参加しているらしい。カクタスから影響を受けたミュージシャンたちがフィーチャーされているという。すでにファースト・シングル「Evil」のMVが公開されている。カクタスっぽいかどうかは別として、なかなか悪くない。カクタスのニューアルバムというより、カーマイン・アピスが彼をリスペクトするミュージシャンたちと一緒にカクタス名義の新作を作ったということだ。それにしてもカーマイン・アピス、77歳だ。たいしたものである。
May 17, 2024
ディッキー・ベッツを悼む
ディッキー・ベッツが4月18日、亡くなった。癌で闘病中だったそうだ。享年80。ディッキー・ベッツと言えばオールマン・ブラザース・バンドだ。ディッキー・ベッツの書いた楽曲は特にお気に入りだった。「In Memory of Elizabeth Reed」や「Blue Sky」、そして「Ramblin' Man」や「Jessica」、「Just Another Love Song」、「High Fall」等々、今でもドライヴのBGMに欠かせない。もちろんソロ作の「Highway Call」や、Dickey Betts & Great Southern名義での作品も大好きだ。まだ一人、大好きなギタリストが逝ってしまった。今夜は彼を偲んで「Atlanta's Burning Down」を聴こう。心からご冥福をお祈りします。
April 21, 2024
スティーヴ・ハーレイを悼む
スティーヴ・ハーレイが3月17日に亡くなった。癌だったそうだ。73歳だった。スティーヴ・ハーレイと言えばコックニー・レベルだ。「悲しみのセバスチャン」を初めて聴いたときはちょっと衝撃的だったな。セカンド・シングルの「ジュディは恋人」やサード・シングルの「ミスター・ソフト」も好きだった。セカンド・アルバムはLPを買って、何度も聴いた。LPの内周の溝にも音が入っていて、最後の楽曲はエンドレスに聞こえる仕掛けがしてあったのを思い出す。あの仕掛けはLPだからこそのギミックだね。今夜はスティーヴを偲んでコックニー・レベルを聴こう。心からご冥福をお祈りします。
March 19, 2024
エリック・カルメンを悼む
エリック・カルメンが亡くなった。亡くなった日時や死因は公表されていないようだが、12日にメディアで発表されたようだ。享年74。エリック・カルメンと言えばラズベリーズだ。ラズベリーズが大好きだった。「ゴー・オール・ザ・ウェイ」も「明日を生きよう」も「レッツ・プリテンド」も「トゥナイト」も「オーヴァーナイト・センセーション」も、他のどの曲も大好きだった。ソロになってからの曲も大好きだった。「オール・バイ・マイセルフ」も「チェンジ・オヴ・ハート」も大好きだった。エリックのちょっと鼻にかかった甘い歌声が大好きだった。ラズベリーズの曲は今もよく聴く。当時のヒット曲を集めたプレイリストで外せない。今夜はエリックを偲んでラズベリーズを聴こう。心からご冥福をお祈りします。
March 13, 2024
「Rick Wakeman Live At The London Palladium 2023」
2月に発売されたリック・ウェイクマンのライヴ盤だ。2023年2月にロンドンのパラディアムシアターでの行われたライヴの音源をCD4枚に完全収録したものそうだ。収録時間は3時間22分。「ヘンリー八世の六人の妻」、「地底探検」、「アーサー王と円卓の騎士たち」からイエスの楽曲まで演奏している。あれからすでに50年ほどが経った。これまでも当時の楽曲を演奏したライヴ音源は数多く公開されているが、今回のものはちょっと違う印象だ。ずいぶんとクオリティが高い。かつての名曲、名作を現在の感性で再構築して再演したとでもいうのか、新たな命が吹き込まれた印象だ。しかしアレンジが大きく変わっているわけではないので、往年のファンも安心して聴ける。「ヘンリー八世の六人の妻」や「地底探検」、「アーサー王と円卓の騎士たち」、「こわれもの」などを熱心に聴いていたファンなら、必聴のライヴ盤だ。リック・ウェイクマンも今年で75歳だが、老いを感じさせない演奏だ。素晴らしい。
March 6, 2024