佳景探訪
秋川渓谷/十里木
東京都あきる野市の西部、秋川の流れが造る渓流美は秋川渓谷として知られ、バーベキューを楽しむ行楽客も多いところだ。木々の緑も濃くなった六月初め、秋川渓谷十里木の辺りを訪ねた。



秋川渓谷/十里木

秋川渓谷/十里木
東京都あきる野市、JR五日市線武蔵五日市駅前から檜原街道(都道33号線)を西へ4kmほど辿ると「十里木」という三叉路がある。檜原村へ向かう檜原街道から北へ都道201号線が逸れて養沢からさらに御岳方面へと辿っている。

この三叉路の付近は秋川が大きく蛇行し、そこへ養沢川が合流、美しい渓流の景観を形作っている。初夏の新緑や晩秋の紅葉も美しく、周辺の河原には民間のバーベキュー場があり、秋川と養沢川に挟まれた尾根部分には「秋川渓谷 瀬音の湯」という温泉施設もあり、行楽シーズンには大勢の行楽客で賑わうところだ。


秋川渓谷/石舟橋

秋川渓谷/石舟橋から秋川上流を見る

秋川渓谷/石舟橋から秋川下流を見る
十里木の三叉路から檜原街道(都道33号線)を300メートルほど檜原方面へと辿ると、「石舟橋」という人道橋が秋川を跨いでいる。数百メートルの距離を真っ直ぐに流れてきた秋川が大きくUの字を描くように蛇行を描く、まさにその場所に架けられており、橋の上からは秋川の美しい渓流美を堪能することができる。

橋の上から上流側を眺めれば真っ直ぐに流れてくる秋川が視界の奥にまで延び、その向こうに遠く山々のシルエットが見える。河岸の山肌からは緑に茂った木々が川面を覆うように枝を広げ、美しい自然美を見ることができる。

橋から下流側を見下ろせば、秋川の流れが岩床を抉って渓谷を形作り、興趣に富んだ景観を見せてくれる。水の流れによって造られた渓谷の景観は、まさに自然の造形美と言えるものだ。岸辺の岩の上には行楽客の姿も見える。

秋が深まれば河岸の木々が紅葉に染まり、見事な錦秋の景色を演出する。石舟橋からの景観は東京の「紅葉の名所」のひとつにも数えられている。


秋川渓谷 瀬音の湯

秋川渓谷 瀬音の湯

秋川渓谷 瀬音の湯
石舟橋を渡って対岸に渡ると林の中を遊歩道が辿り、進んでゆくと「秋川渓谷 瀬音の湯」という温泉施設がある。基本的には“日帰り温泉”を楽しむ施設だが、宿泊用のコテージも設置されており、小旅行などにも利用できる。施設内には食事処や物産販売所などもあり、温泉を利用しなくても楽しめる。食事処脇に設けられた「森のテラス」では庭と山々を眺めながらのんびりとくつろいだひとときを過ごすことができる。食事処が満席の時など、席が空くまで「森のテラス」で待つこともできるようで、これなら待ち時間も苦にならない。敷地内は端正に整備され、一角には足湯を楽しめる設備も置かれている。温泉施設としてだけでなく、秋川渓谷行楽の拠点としても利用されているようだ。


秋川渓谷/長岳橋から養沢川を見る

秋川渓谷/集落の中の小径

秋川渓谷/落合橋から秋川上流を見る

秋川渓谷/落合橋下で秋川下流を見る
「秋川渓谷 瀬音の湯」の敷地の一角から尾根の北側斜面へと小径が辿り、「長岳橋・落合バス停」を指し示す案内標識が立てられている。小径は川岸の斜面を辿って降りてゆき、長岳橋という人道橋に至っている。長岳橋の下を流れる川は養沢川で、橋のすぐ東側で秋川に合流する。長岳橋の袂、養沢川の左岸側の河原は「落合キャンプ場」という民間のキャンプ場になっており、橋の上からもキャンプ場の施設や河原で遊ぶ人たちの姿が見える。

長岳橋を渡って進むと、その先は家々が集まって集落を成している。その集落の中を「十里木」の三叉路で檜原街道から分かれた都道201号線が抜けている。のんびりと歩いてみると、山々に抱かれた小集落の佇まいがなかなか素敵だ。

都道201号線へ出て少し東へ辿れば秋川を跨いで落合橋が架かっている。落合橋から眺める秋川の姿も美しい。下流側を見下ろせば、瀬となった流れが大きく曲がってゆく。その手前の河原で遊ぶ家族連れの姿もある。上流側には秋川と養沢川の合流点付近を眺め、河原で川遊びをする人たちの姿が見える。左岸側の河原で遊ぶ人たちは長岳橋下のキャンプ場の利用舎か。右岸側の河原の人たちは「十里木ランド」という民間のバーベキュー場の利用者だろう。水に浸かりながら鮎釣りを楽しむ人の姿もある。まだ六月で人出はそれほど多くないが、一足早い夏の風景だ。

落合橋北西側、家々の中の道を抜けて落合橋下の河原に降りることができた。落合橋上から見た景色も河原から眺めるとずいぶんと表情が違って見える。川の景観というものは、やはり水面に近い位置から見る方がいい。水の流れの涼やかな風情を肌で感じられ、景観そのものも美しい。


秋川渓谷 瀬音の湯

秋川渓谷/落合橋下
「秋川渓谷」と言っても秋川の各所にそれぞれに見所があるわけだが、その中でも十里木の辺りの景観の美しさは屈指のものではないか。山々の間をゆったりと流れる秋川の表情や、水の流れが岩床を抉って生まれた荒々しい景観、河原で遊ぶ人々の様子など、秋川の見せるさまざまな表情を楽しむことができる。バーベキュー場やキャンプ場、「瀬音の湯」などといった行楽施設があるのも魅力だ。都営の駐車場も用意されており、特に車で訪れる際の利便性に優れているのも嬉しい。初夏から夏にかけて、涼を求めての行楽には絶好の場所と言えるだろう。
参考情報
本欄の内容は秋川渓谷十里木関連ページ共通です
交通

十里木の辺りに電車で訪れる場合はJR五日市線を利用し、終点の武蔵五日市駅で下車、駅からバスを利用し、「十里木」バス停や「落合橋」バス停で降りれば良い。武蔵五日市駅から十里木バス停まで15分ほどだろうか。

車で訪れる場合には圏央道あきる野ICから都道7号線へと入って西進してJR武蔵五日市駅前を経由、都道33号線をさらに西進するのがわかりやすいだろう。あきる野ICから十里木の交差点まで10kmほどだ。他の方面から来る場合もまずJR五日市線武蔵五日市駅を目指し、そこから都道33号線を檜原方面へと西進すればよい。武蔵五日市駅前から十里木交差点まで4kmほどだ。

十里木の三叉路と落合橋との間に東京都営の無料駐車場が用意されている。また落合橋近辺には民間のバーベキュー場などが運営する駐車場がある。季節が限られるが、バーベキュー目的で訪れるならバーベキュー場の駐車場を利用するのがよいだろう。

「瀬音の湯」に直接車で向かう場合は十里木の三叉路をそのまま檜原方面へと向かい、1kmほど走ると「瀬音の湯」を指し示す案内板があるので、それに従って右折、突き当たりの丁字路を右折して、秋川の左岸側を引き返すように東へ辿れば「瀬音の湯」に着く。「瀬音の湯」は人気があり、行楽シーズンの週末などにはたいへんに混雑する。駐車待ちの列ができることもあるので余裕を持って訪れた方がいい。

飲食

十里木の辺りにはあまり飲食店がなく、食事の場所の選択肢が少ない。「瀬音の湯」に設けられた食事処を利用するのもいいし、あるいは五日市の町へ戻るのもいいだろう。五日市の町にはさまざまな飲食店がある。

秋川渓谷と言えば初夏から夏にかけてはバーベキューで賑わうところだ。その季節であれば民間のバーベキュー場などを利用し、バーベキューを楽しむのもお勧めだ。バーベキュー場の利用方法などはバーベキュー場に問い合わせして確認されたい。

周辺

十里木周辺以外にも秋川渓谷には景観の美しいところが数多く点在している。河畔の集落も良い風情があり、のんびりと散策してみるのもお勧めだ。

十里木から都道33号線(檜原街道)を西へ辿れば檜原村、払沢の滝へも6kmほどだ。車で十数分といったところか。車で訪れた人は足を延ばしてみるのもいいかもしれない。
秋川渓谷/石舟橋

秋川渓谷/長岳橋

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