東京都あきる野市に「乙津花の里」と呼ばれるところがある。春の桜やミツバツツジの美しさで知られるところだが、それに先立つ季節も梅の咲く風景が良い風情だ。梅の花が盛りの三月下旬、乙津花の里を訪ねた。
早春の乙津花の里
東京都あきる野市の西部に位置する「乙津花の里」は、その名のように春の桜やミツバツツジなどが見事な春景色を見せてくれるところだ。二月下旬から三月中旬にかけて、本格的な春の到来を前に「乙津花の里」を梅が彩る。桜の季節ほど絢爛な景観ではないが、道脇や畑地に咲く梅が風趣豊かに春の訪れを告げている。
早春の乙津花の里
「乙津花の里」に咲く梅は決して多くはない。見事な梅林などがあるわけではなく、道脇や民家の庭先などに咲く梅を見つけることができるだけだ。しかしその風景は風趣に富んで美しく、早春散歩の楽しみを存分に味わうことができる。そもそも「乙津花の里」は風景の美しいところだから、それを梅が早春の色に彩ってくれている印象だ。
早春の乙津花の里
「乙津花の里」は斜面の地形で、北に行くに従って高みになる。北側からは集落を見渡すことができて、気持ちの良い眺望が楽しめる。この季節にはところどころに梅が咲き、冬枯れの風景にアクセントを添えている。道を辿っていけば風景の表情も変わり、のんびりと早春の風景を楽しみたい。
早春の乙津花の里
「乙津花の里」の南側、都道33号の南側の山裾に美しい梅林があることに気づく。北側から眺めると紅白の梅が逆光を弾いてたいへんに美しい景観だ。私有地の中だから梅林の中に立ち入ることはできないが、近くから眺めてみればさらに美しい景観が楽しめる。この梅林の景観もぜひ見ておこう。
早春の乙津花の里
早春の「乙津花の里」は観梅の名所としてお勧めできるようなところとは言い難いが、山里に訪れた早い春の気配を感じながらの散策はとても楽しい。美しい景観を愉しみながら、梅の咲く景観を探してみるのも素敵な過ごし方だろう。この季節には「乙津花の里」を訪れる人の姿もほとんどなく、静かなひとときを過ごすことができる。
早春の乙津花の里
早春の乙津花の里
早春の乙津花の里
参考情報
本欄の内容は乙津花の里関連ページ共通です
「乙津花の里」散策の際には、私有地に立ち入らない、写真を撮るときには地元の方々のプライバシーに留意するなど、地域の方々のご迷惑にならないよう、充分に注意しよう。

交通
「乙津花の里」に電車で訪れる場合はJR五日市線を利用し、終点の武蔵五日市駅からバス、「荷田子」バス停で降りれば良い。所要時間は15分ほどだ。

車で訪れる場合には圏央道あきる野ICや日の出ICから西へ辿り、JR武蔵五日市駅前を経由、都道33号をさらに西進するのがわかりやすい。あきる野ICからも日の出ICからも「乙津花の里」まで11kmほどだ。他の方面から来る場合もまずJR五日市線武蔵五日市駅を目指し、そこから都道33号を檜原方面へと西進すればよい。

「荷田子」バス停近くの県道33号沿い、「荷田子」交差点の角に民間の有料駐車場がある。「乙津花の里」の中は道が狭く、観光用駐車場も無いので、車で進入するのはやめておこう。

飲食
「乙津花の里」にはお洒落な喫茶店などがあるので一休みにはお勧めだが、本格的な食事のできる店はほとんどない。武蔵五日市駅周辺に戻ればさまざまな飲食店があるので選択肢が増えるだろう。

周辺
「乙津花の里」から南浅川北側の道を東へ辿れば1kmほどで「瀬音の湯」だ。人気のある日帰り温泉施設で、食事処もある。「瀬音の湯」の周辺は秋川渓谷の景観が美しいところだ。夏の深緑秋の紅葉などが特に見事だ。初夏から夏には川遊びも楽しい。

「瀬音の湯」から養沢川を渡って北へ辿り、都道207号を少し山間部へと進むと徳雲院という寺がある。早春には梅、初夏には蛍が見られる。それぞれの季節に訪ねてみたい。

「乙津花の里」から都道33号を西へ辿ればすぐに檜原村、払沢の滝へも数キロの距離だ。車で訪れた人は足を延ばしてみるといい。

街歩きの好きな人なら五日市の町を散策してみるのもお勧めだ。五日市の町を抜ける檜原街道は百日紅の並木で、夏には美しい景観が楽しめる。花の盛りに訪ねてみたい。
梅散歩
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