根搦前水田のチューリップは、そもそもは1988年(昭和63年)の「花いっぱい運動」の際に配布用球根を増やすために、この地の農家に栽培を依頼したことに始まる。当初は球根を増やすことが目的で、規模も小さなものだったらしいが、チューリップの咲く景観の美しさが徐々に口コミで広まって観賞に訪れる人が増えていったのだという。それを受ける形で1993年(平成5年)の「TAMAらいふ21」事業で観賞用として宣伝、有名になったものらしい。「多摩新時代の創造」 をテーマに開催された「TAMAらいふ21」は思うような成功を得られなかったようだが、この根搦前水田のチューリップの知名度を高める役目は果たしてくれたということだろうか。現在(2008年)の根搦前水田では23ヘクタールほどの畑に36万球のチューリップが栽培され、その規模は関東最大級という。花期には「チューリップまつり」が開催され、桜の頃の「さくらまつり」とともに羽村市の「花と水のまつり」を担う。「花の名所」としてガイドブックなどで紹介されることも多くなり、毎年多くの観光客を集めている。