東京都羽村市の西部、多摩川の河岸に桜並木の堤防道がある。「桜づつみ公園」の名で知られる花見の名所だ。桜並木と多摩川とが織りなす景観が美しく、毎年多くの花見客が訪れる。桜が盛りの四月上旬、桜づつみ公園を訪ねた。
桜づつみ公園
東京都羽村市の西部、多摩川の河岸に「根搦前(ねがらみまえ)水田」として知られる水田地帯がある。春には休耕中の水田を利用してチューリップが植えられ、羽村市の花名所として知られている。その根搦前水田横の多摩川堤防は桜並木だ。「桜づつみ公園」の名で花見の名所として知られ、毎年桜の季節には大勢の花見客が訪れる。多摩川河岸という立地で開放感に溢れ、気持ちの良い花見散歩が楽しめるところだ。
桜づつみ公園
羽村市の多摩川河岸、有名な羽村堰(羽村取水堰)がある。玉川上水が開削されて以来、江戸(東京)にとって重要な場所として守られてきた。そしてまた風光明媚な景勝地としても親しまれてきた。その多摩川堤防に桜が植樹されて「桜づつみ公園」が設置されたのは、この環境を後世まで残すための取り組みの一環だったようだ。今ではすっかり桜の名所として定着し、毎年多くの花見客が訪れて賑わうようになった。
桜づつみ公園
桜づつみ公園の桜並木は宮の下運動公園駐車場の辺りから、下流側は羽村市水上公園脇まで、500mほどの長さで続く。桜は40本ほどで、すべてソメイヨシノだ。数の点では少し物足りなさもあるが、堤防道に桜が並ぶ景観はたいへんに美しい。堤防道には桜を楽しみながらそぞろ歩きを楽しむ人や桜の下にシートを広げてランチタイムを楽しむ人などで賑わっている。
桜づつみ公園
桜並木の堤防道をのんびりと歩くのも楽しく、宮の下運動場側(多摩川側)に降りて見上げる景観も美しい。根搦前水田側の道路から見上げる景観もなかなか興趣のあるものだ。桜並木はゆっくりと歩いてもすぐに通り抜けてしまうほどの距離しかないが、何しろ多摩川河岸という立地で開放感に富み、春の青空の下で気分の良い花見散歩が楽しめる。
桜づつみ公園
根搦前水田に植えられたチューリップもそろそろ開花の時期を迎えている。まだまだ最盛期とは言えないが、すっかり咲き揃っているところもある。こちらも併せて見ておこう。
桜づつみ公園
桜づつみ公園の桜並木が見頃になる時期、「はむら花と水のまつり」の前期、「さくらまつり」が開催される(「さくらまつり」が終わると後期の「チューリップまつり」だ)。「さくらまつり」は以前は羽村堰をメイン会場に行われていたが、2023年度(令和5年度)は桜づつみ公園がメイン会場になっていた。羽村市水上公園には模擬店なども出店し、大いに賑わっていた。

もっと“桜の咲く風景”を楽しみたいという人は、羽村堰の方へと足を延ばすのがお勧めだ。羽村堰周辺から玉川上水に沿って美しい桜景色が楽しめる。
桜づつみ公園
桜づつみ公園
桜づつみ公園
桜づつみ公園
参考情報
交通
桜づつみ公園はJR青梅線羽村駅から1kmほど、15分ほど歩けば着く。駅から西へ辿り、羽村堰を目指すとわかりやすい。

「はむら花と水のまつり」開催期間中は宮の下運動公園の一部が臨時駐車場(有料)として解放される。奥多摩街道「間坂」交差点から根搦前水田方面へと降りて、誘導に従って進めばいい。

遠方から車で訪れる場合は、圏央道日の出ICが近い。

飲食
周辺には飲食店などはあまりない。お花見が目的ならお弁当持参がお勧めだ。「はむら花と水のまつり(さくらまつり)」開催期間中は羽村市水上公園に模擬店が出店されるので利用してもいいだろう。

周辺
根搦前水田ではそろそろチューリップが花を咲かせ始めている。併せて見ておきたい。

桜づつみ公園から多摩川下流側へ辿れば羽村堰だ。羽村堰も花見の名所として知られている。桜づつみ公園と羽村堰を合わせて楽しむのがお勧めだ。

JR青梅線羽村駅の東側には「五ノ神まいまいず井戸」という古い井戸の跡が残されている。羽村駅から北東へ1.4km辿れば羽村市動物公園だ。散策の足を延ばしてみるのも楽しい。
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