佳景探訪
紫陽花の咲く昭和記念公園
東京都立川市と昭島市に位置する国営昭和記念公園は、六月中旬から七月上旬にかけて紫陽花の花が園内を彩る。紫陽花が盛りを迎えた七月初旬、昭和記念公園を訪ねた。



紫陽花の咲く昭和記念公園
六月半ばから七月初めにかけて、昭和記念公園は紫陽花に彩られる。紫陽花は園内随所で見ることができるが、「ふれあい広場」北側や「花木園」、「みんなの原っぱ」西側の舗道などが特に見応えがあるように思える。「日本庭園」には意外にも紫陽花は少ない。またこの時期、紫陽花の他にも「花木園」や「ハーブ園」を中心にさまざまな花を見ることができる。広い園内だが花々を探しての散策が楽しい。


紫陽花の咲く昭和記念公園
公園南東側の「ふれあい広場」では、その北側の外縁部から残堀川河岸にかけて多くの紫陽花が植栽されている。特に「ふれあい広場」北側では半球状にこんもりと剪定された紫陽花が舗道脇に並ぶ様が楽しく、その外縁部では鬱蒼と野趣溢れる様子で紫陽花が咲く。「立川口」から入園したなら、まずここの紫陽花から楽しんでおこう。

紫陽花の咲く昭和記念公園

紫陽花の咲く昭和記念公園
「花木園」の、特に菖蒲田周辺の紫陽花は昭和記念公園の紫陽花で最も見応えのあるものだろう。昭和記念公園は広く開放感溢れる公園だが、この一角は木々に囲まれてしっとりと落ち着いた佇まいで、こうしたところで見る紫陽花はやはり最も魅力的であるような気がする。池の岸辺に咲く様子も美しく、四阿を背景に見る紫陽花の景観などは日本情緒を漂わせて良い風情だ。散策路に沿って歩けばさまざまな表情を見せてくれて飽きない。池横には白いアナベルが植栽された斜面があり、これもなかなか見事だ。特に斜面の上から見下ろすとアナベルに埋め尽くされたような、美しい景観が楽しめる。

紫陽花の咲く昭和記念公園
「日本庭園」は意外なことにあまり紫陽花はないが、池の岸辺に少しばかり咲いている。紫陽花越しに見る庭園の風情にはやはり良いものがある。紫陽花目当てではあまりお勧めできないが、せっかくだから足を延ばしておきたい。


半夏生

半夏生
「水鳥の池」の北側の岸辺、「ハーブ園」と「バードサンクチュアリ」の間の辺りでは半夏生(ハンゲショウ)を見ることができる。半夏生は雑節のひとつである半夏生の頃に咲くのでその名があるとも、葉の半分ほどが白く変色するので“半化粧”といったものが転じたものともいう。雑節の半夏生は立夏から数えて11日めのことだが、現在は天文学的に太陽が黄経100度を通過する日と定義されている。いずれにしてもたいていは7月1日、あるいは2日になるようだ。植物の半夏生はこの頃に花を咲かせる。もっとも花は地味で、白く“化粧”した葉の方がよく知られており、観賞の対象かもしれない。これも夏の訪れを彩る植物のひとつと言っていい。
ネムノキの花
「みんなの原っぱ」西側、「渓流広場」のレストラン横の舗道ではネムノキの花が咲いているのに気付いた。羽毛のような形状の花が白からピンクへのグラデーションを描く様子が可憐で美しい。けっこう高みに咲いているので見上げなくてはならず、写真を撮るのも一苦労だ。
ヒマラヤスギの実
「トンボの湿地」の北側の林ではヒマラヤスギが若い実を付けているのを見つけた。ヒマラヤスギは“スギ”とは言うものの「マツ目マツ科」に分類される樹木で、その実は要するに“まつぼっくり”だが、バラの花を思わせる特徴的な形状になる。「シダーローズ」というそうだ。秋になったら「シダーローズ」を探しに来てみるのも楽しそうだ。
タイサンボクの花
「みんなの原っぱ」東側の舗道脇ではタイサンボクの花を見ることができた。白い花弁の大きな花で、遠目に見るとホウノキの花を思わせるところもある。開ききっていないときにはバラの花にも似た形状で、その姿もなかなか美しい。
アーティチョークブッドレア

花咲く小径
花木園北側の売店の傍らの花壇にもさまざまな花が咲いている。目を引くのはアーティチョークやブッドレアの花だろうか。アーティチョークは朝鮮アザミともいい、蕾の中心部が食用になる。日本ではあまり馴染みがないが、フランス料理やイタリア料理などでは一般的な食材のようだ。ブッドレアはフサフジウツギといい、たくさんの小さな花が円錐状の房になって咲く。特徴的な形状が美しい。
ハーブ園の花々ハーブ園の花々

ハーブ園の花々ハーブ園の花々
この時期、花の好きな人なら「ハーブ園」に咲く花々も見ておきたいところだ。ヘメロカリス、ワイルドストロベリー、ダイヤーズカモマイル、エキナセアなど、さまざまなハーブ類の花々を楽しむことができる。ハーブに詳しくない身ではどの花も珍しく、興味が尽きない。
ルレープソルボンヌ
「水鳥の池」の東側テラスの南側ではユリの花が咲いている。ルレープとソルボンヌという品種だそうだ。優雅で気品のある姿がとても美しい。


紫陽花の咲く昭和記念公園

紫陽花の咲く昭和記念公園
この季節の昭和記念公園はすっかり色濃くなった木々の緑も瑞々しく、その中に咲く紫陽花やさまざまな花々がたいへんに美しい。のんびりと時間をかけて、花を探しての散策をゆったりと楽しむのがお薦めだ。
参考情報
本欄の内容は昭和記念公園関連ページ共通です
昭和記念公園は一部区画を除いて基本的に入園料が必要だ。入園料、開園日、開園時間等については昭和記念公園公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通

昭和記念公園へはJR青梅線西立川駅が近い。西立川駅から北へ出れば公園の「西立川口」へ徒歩で二、三分と至近だ。JR中央線立川駅や多摩都市モノレールの立川北駅からなら南東側の「立川口」へ徒歩で十数分、JR青梅線東中神駅からは西側の「昭島口」へ徒歩で十分ほどと、これらも充分に歩ける距離だ。北側には「玉川上水口」と「砂川口」が設けられているから、訪れる手段に応じて便利な入口を利用するといい。

車で来訪する場合には、さまざまなルートが考えられるが、新奥多摩街道から北上する方法や、五日市街道から南下する方法などがわかりやすいだろう。遠方の人は中央高速道路を利用し、国立府中ICから向かうのが近い。

駐車場は「立川口」、「西立川口」、「砂川口」のそれぞれに用意されており、所定の駐車料金を支払えば一日駐車しておくことができる。全部で2000台分を超える駐車スペースが用意されているが、行楽シーズンの休日にはこれでも足りない。余裕を持って出かけた方がいい。

飲食

家族連れならやはりお弁当を用意し、広場でのアウトドアランチがお勧めだ。陽気の良い季節には爽やかなひとときを過ごすことができるだろう。立川駅方面から訪れる人なら駅周辺のお店でお弁当などを買い込んでから訪れてもいい。園内には三つのレストランがあるが、来園者の多いときには混み合うのは覚悟しておいた方がいい。軽食を販売する売店も園内随所にあるのでそれらを利用するのもいい。

周辺

公園の東南側には立川駅周辺の繁華街が近い。特に北口は米軍基地の跡地を再開発したエリアで、「ファーレ立川」の愛称で呼ばれ、町角に数多くのパブリックアート作品が展示されている。町歩きの好きな人は立ち寄ってみるといい。

春の桜の季節であれば根川緑道から残堀川の桜並木を訪ねてみるのもお勧めだ。多摩都市モノレールを利用すれば近いが、昭和記念公園西立川口から歩いても残堀川まで20分ほどだ。6月には柴崎体育館北側に設けられた花菖蒲園を訪ねてみるのもいい。
昭和記念公園

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