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町田市の中央部あたり、山崎町の東部に七国山(ななくにやま)という山がある。標高128メートルほどの山だが、かつてはそこから相模・甲斐・伊豆・駿河・信濃・上野・下野の七つの国が見渡せたといい、そこからこの名があるのだという。周囲は山崎町から野津田町にかけて丘陵地帯が広がり、多摩丘陵の自然をよく残している。周辺には薬師池公園や町田ぼたん園、町田ダリア園、町田リス園、町田えびね苑などが点在し、町田市も七国山周辺の散策マップを作るなどして、この一帯は町田の行楽地として成立している。新緑の美しい四月の下旬、この七国山周辺を歩いてみた。 |
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七国山周辺の散策の際にはやはり薬師池公園をその中心に据えるのが妥当だろう。公園の周辺には駐車場も用意してあり、車で来訪する際にも便利だ。薬師池公園は地形から言えば七国山の東側の谷戸部になるが、そこから西へ丘陵を登ってゆき、一巡りして戻ってくるのがよいだろうと思える。 時節がら、町田ぼたん園の牡丹が見頃ではないかと期待して、まず町田ぼたん園に向かう。鎌倉街道沿いの駐車場に車を置き、薬師ヶ丘の住宅地を抜けて町田ぼたん園を目指した。多くの観光客が訪れる季節とあって随所に案内板などが設置してあって初めてでも道に迷うことはないが、付近の道路には赤色コーンが置かれ、ところどころには警備員も立っている様子などは苦笑いを誘う。
少々時期を逸した町田ぼたん園を早々に後にし、前の道を南へと上る。町田ぼたん園の正面入口の前の交差点の角に七国山周辺の地図を描いた案内板が設置されているので、これも念のために確かめておく。七国山周辺の丘陵は菜の花畑が多いことでもよく知られているが、少しばかり進むだけで見事な菜の花畑が目に飛び込んでくる。菜の花畑を見下ろす丘の斜面ではカメラの三脚を構える人やスケッチのキャンバスを立てている人の姿もあった。 |
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この「鎌倉井戸」はその名の通り、鎌倉時代に掘られたものであるという。一説には新田義貞が鎌倉攻めを行った際、行軍途中でこの地に井戸を掘り、軍馬に水を与えたものだと伝えられている。新田義貞は新田の庄(現在の群馬県新田郡と太田市のあたり)に生まれた高名な中世の武将で、足利尊氏、楠木政成とともに「太平記」に登場することでも知られている。
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「鎌倉井戸」から今井谷戸方面へと下ると町田ダリア園のあたりへと降りることができるのだが、今はまだダリアには早い。今回は引き返して七国山緑地保全区域の雑木林の中へと足を踏み入れてみることにする。「七国自然苑」の傍ら、舗装された道路から逸れて林の中の分け入って行く未舗装の小径がある。傍らには保全緑地に関する案内板が立っている。陽光にきらめく新緑と野鳥の声に誘われるようにして、この小径へと歩を進めた。
雑木林の中の広場からは西へ降りて行く小径もあり、それを下ってゆくと見事な竹林の中に出た。竹林の中には「筍を採らないで欲しい」旨の注意書きがあり、「筍の盗掘によって今では細い竹しか残っていない」旨の説明が添えてある。雑木林の中にせっかく美しく残る竹林であるのに、筍の盗掘によって荒れてゆくというのはあまりにも悲しい気がする。
道を北へ進むとやがて鶴見川を渡る丸山橋に至るが、途中右手へと登ってゆく道があり町田ぼたん園へと戻ることができる。いったん町田ぼたん園まで戻り、尾根道を辿って薬師池公園へと向かうことにした。薬師池公園も雑木林の新緑が美しく、ツツジも見頃を迎えて彩りを添える。しばらくのんびりと公園内を散策するのもいい。日毎に夕暮れが遅くなるこの季節、帰路を急ぐこともないような気がする。 |
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散策の途中、行く先々で同じような散策の人たちの姿を見かけた。薬師池公園の方から、あるいは今井谷戸の方からなど、七国山周辺の散策を楽しむルートはいくらでもあり、季節に応じて楽しむことができるだろう。公園施設以外の道路脇は基本的に私有地であり、またトイレも公園以外には設置されていないので、散策の際には注意が必要だ。のんびりと余裕を持って楽しむのであればお弁当持参がお勧めだ。お弁当はやはり薬師池公園などの公園内で広げるのが良いだろう。 駐車場は薬師池公園周辺に何ヶ所か用意されているが行楽シーズンには駐車場も周辺道路もとても混み合うため、バスを利用するのが賢明だ。町田駅発の本町田経由鶴川駅行き、あるいは本町田経由野津田車庫行き、鶴川駅発の本町田経由町田駅行きなどの路線で、「薬師ヶ丘前」、「薬師池」、「今井谷戸」などのバス停を利用するとよい。 |

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