日南線の旅〜踏切の風景
清水踏切
清水踏切
谷之口駅のすぐ西側、日南線の線路と国道220号が隣り合って走るところに、清水踏切という踏切が設けられている。線路の南側の山裾に家々の集まる集落があり、その集落に暮らす人たちが国道へと出入りするための踏切だ。踏切には警報機はあるが遮断機はない。踏切を渡る道路は舗装路だが、車一台分ほどの幅しかない。狭い踏切だが、利用頻度を考えればそれでいいのだろう。普段は利用する人の姿もない、静かな踏切である。
清水踏切
清水踏切
踏切前の国道の脇、百日紅が夏の日差しを浴びて咲き誇っていた。百日紅は、かつて南郷町が「南那珂郡南郷町」だった頃(2009年3月30日、日南市と南郷町、北郷町とが合併し、現在の日南市が誕生している)の「町の花」だった。この辺りから北東の方角に向かって田圃の中を真っ直ぐに延びる国道220号は百日紅の並木になっている。町内の道路を「町の花」で彩ろうという意図だったのだろう。
百日紅
清水踏切から西へ少し行ったところの、線路の南側に松尾神社という神社がある。神社は線路脇の丘の上に建っており、線路脇から参道の石段が丘の斜面を上っている。その上り口で、参道が日南線の線路を横切っている。いや、正しくは“参道が線路を横切っている”のではなく、“神社の参道を線路が横切っている”と言うべきか。参道と線路の交差部分には踏み板もなく、厳密には「踏切」と認められるものではないのだろう。だからもちろん遮断機も警報機もない。線路手前の参道脇には「あぶない! 通行危険」と書かれた注意書きと「あぶない! 左右確認 一旦停止」と書かれた注意書きが立てられている。国道の反対側から眺めると、杉木立の中に立つ赤い鳥居と、鳥居をくぐって丘を上ってゆく参道の石段、その上り口を横切る日南線の線路の様子がよくわかる。
百日紅
百日紅
百日紅
INFORMATION
清水踏切
【所】日南市南郷町谷之口
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ページ内の写真は2013年夏に撮影したものです。本文は2014年4月に作成しました。