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快晴に恵まれた11月初旬、横浜市神奈川区六角橋を歩いた。六角橋商店街をメインに据え、神奈川大学や杉山大神などにも足を延ばしてみようと思ったのだった。それぞれが「神奈川区ビューポイント36景」に選ばれているところだ。六角橋の街で「神奈川区ビューポイント36景」巡りを楽しんでみたい。 |
六角橋の街は、懐かしい時代の賑わいを今もその佇まいの中に残している。通りの両脇には個人商店が肩を寄せ合うようにして建ち並ぶ。少しばかり古びた店構えは昭和の香りを漂わせて、古くから栄えた庶民の街らしい風情を感じさせるところだ。ところどころに真新しい店が混じるところは時代の流れというものだろう。それぞれの店先の様子や、掲げられた看板にもそれぞれの味わいがあり、のんびりと商店街の空気を感じながらの散策が楽しい。 旧綱島街道の六角橋商店街の西側に平行して「六角橋ふれあい通り」という名の細い通りが延びている。もともとは「六角橋仲見世通り」と呼ばれる通りだったらしい。人と人とがすれ違うのがやっとというほどの幅の通りの両脇に、さまざまな商店が建ち並んでいる。アーケードを設置した通りは少々薄暗く、しかしそれもまたひとつの魅力と言っていい。何しろ通りが狭いから、人と人との距離が近い。すれ違う買い物客同士の距離はもちろんだが、通りを行き交う人々と店の人との距離が近い。歩きながら店の奧に目をやると、必ずと言っていいほど、店番の人と眼が合う。その度に会釈を交わしあって通り過ぎる。それもまた楽しい。 「六角橋ふれあい通り」には実にさまざまな店が並んでいる。鮮魚店や精肉店、八百屋、陶器店、衣料品店、生花店、鞄店といった商店はもちろん、キムチの専門店、時計修理の専門店(時計の販売は行っていないようだ)、ハワイアンの店といったものまである。どのような店があるのだろうかと見てゆくだけでも楽しい。この中に「だるま屋」という模型店があるが、この店は鉄道模型のマニアの間では全国的に有名な店であるらしい。 六角橋商店街は各種のイベントが多く行われることでも知られているが、近年では「大日本プロレス」のイベントも開催されている。なぜ六角橋で「プロレス」なのかと思うが、六角橋が映画「お父さんのバックドロップ」のロケ地となったことからの繋がりであるらしい。映画「お父さんのバックドロップ」は故中島らもの同名短編小説を映画化、2004年秋に公開されたもので、プロレスラーの父と、父親がプロレスラーであることを嫌う息子を軸にした物語だ。映画ではプロレスラーの父を宇梶剛士が、その息子を神木隆之介が演じていた。物語の舞台は1980年の大坂だが、六角橋の街の佇まいが物語のイメージに合致したために六角橋でロケが行われたもののようだ。この映画に出演していたレスラーたちと六角橋商店街の人々との交流から、こうしたイベントが生まれたということであるらしい。 |
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社殿は特筆するほど壮麗なものではないが、丘の上の境内に木々に囲まれて鎮まり、その姿には凛とした風格が感じられる。社殿は戦災により焼失、現在のものは拝殿、本殿ともに戦後に再建されたものという。市街地の中の神社だから周囲にはすぐ近くまで住宅が迫り、社の裏手には鎮守の森ではなく小学校が横たわっているが、やはり境内は神域、どこか空気の在り方が違って感じられる。境内には木々が茂り、社殿を包み込むように枝を広げている。中でも横浜市の名木古木に指定されたケヤキの堂々とした姿は特に素晴らしい。樹齢は200年を超えるという。訪れたのは11月、ケヤキはそろそろ秋の色に染まり始めており、陽光を受けて輝く様子がたいへんに美しかった。 |
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六角橋商店街の付近は繁華な佇まいだが、神奈川大学から杉山大神にかけての、六角橋二丁目から六丁目の辺りは基本的に住宅街だ。緩やかな起伏を伴った立地に家々が並び、その中を網の目のように路地が抜ける。うっかり道の選択を間違えると袋小路だったりする。そのような街の佇まいを楽しみながら、住宅街の中を歩いた。杉山大神に向かう途中、少しばかり迷ってしまったが、迷ってしまうのもそれはそれでひとつの散策の愉しみだ。白楽駅から北方の住宅街に入り込むと白幡池公園や篠原園地も近い。時間に余裕があれば六角橋商店街に歩を進める前に立ち寄ってみるのも悪くない。 |
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